見出し画像

戦略人事の施策 ~All-hands(会社全体会議)編 その2

スタートアップにおいては以下だけでなく、

①採用/退職マネジメント
②人材教育
③労務
④人事システムや制度

以下なども戦略的に動かしていくべき、という話を初回のNoteで致しました。

⑤Mission/Vision/Valueの策定
⑥エンゲージメント(≠従業員満足度)
⑦All-hands=会社全体会議の運営(どころか経営のメッセージングをリード)
⑧カルチャーの組成
⑨OKR (Objective/Key Results)
⑩組織戦略

前回はコロナを逆手にとって少しの成功を体験できた、「⑦All-hands=会社全体会議の運営」についてお話ししましたが、今回は手段ではなく、その中身をご紹介していきたいと思います。

そもそもAll-handsでは何をすべきなのか?

All-handsでしたいことは色々あるにせよ、以下かと思います。

・重要な経営方針の伝達
・重要なKPIのシェア(売上、獲得案件数等々)

ここで陥りがちなのが、重要情報を流す場だと考えてしまうところ。
流す場ではなく、伝える場、でありそして、ちゃんと伝わったかが重要です。

ちゃんと伝わってないケース ↓


ちゃんと伝わっているケース ↓


従って、経営方針やそのKPIだけにこだわるのではなく、

1.エンゲージメントが上がる様なトピックを用いて場を盛り上げる
2.オーナーシップを持った参加者を増やす(できるだけ多くのメンバーが能動的に参加している形にする)

この2つを用いて、伝わるAll-handsを演出する事がとても重要です。
そんなことはわかっているが、、、それが難しい。

2倍かめはめ波で、All-handsの参加メンバーのエンゲージメントやオーナーシップを攻めろ!?

そこでもう端的に、うちの会社でやっているテーマをご紹介しちゃいます。

①経営陣からのメッセージ(重要な経営方針の伝達)
②勤続年数の記念の人に話をしてもらう
③部門の話は部門持ち回りで、「こんなことができたよ」という内容で実施する
④社内表彰
⑤最後に部門で今日の話を話す


※なおこの①~⑤に、前回のNoteでお伝えした、Zoomのチャット機能を踏まえて感想や質問を入れていくと、会がインタラクティブかつスムーズに進みます。口頭で質問とかであると急に視線が質問者に集まるため心理的ハードルが高いですが、チャットで投稿してもらい、後で司会の経営者やHRが質問を拾って、それぞれのスピーカーに質問していくという形式でやると驚くほどにスムーズです。
https://note.com/executionisall/n/n9f1c52301f6e


①や④などはイメージしやすいと思うので、②と、③についてそれぞれ詳細をお伝え致します。


まず②でエンゲージメントを高め、場を盛り上げます(1倍かめはめ波)

②勤続年数の記念の人に話をしてもらう

まだ開始して間もないスタートアップなどであれば、1か月とか3か月とかでも良いかもしれません。この勤続記念の人に話をしてもらいましょう。(コメントは事前にHRから伝えて用意してもらいます)。たったこれだけ。

にもかかわらず以下の様なメリットが得られます。


1.長く働くこと自体が難しいスタートアップにとって一般論として長くいてくれることには意味があり、意外と作りにくい勤続期間をたたえる場を全社で作り、祝うことができる。

2.話し手の内容が「この会社がここが良くて~」「この仲間がいたから」という内容になる確率99%で、これを話すと聞き手はもちろんのこと、話し手のモチベーションまで上がる。これやってみるまではわからないのですが、涙ちょちょぎれる内容になったりします。(文字でみるとより効果が高いので、HRは事前に内容はもらい、写真とともにその場で共有しましょう。そしてそれを背景に(オンラインであれば画面共有しながら)話し手が話すイメージです)

※戦略的に言えば、モチベーションが下がっている人でも崩壊さえしていなければ、こういった場では通常良いコメントをしてくれます。(ただし念のため事前にコメントをもらうところでリスクヘッジしましょう)

従いこの「②勤続年数の記念の人に話をしてもらう」はこのAll-handsの場だけに限らず、会社全体のエンゲージメントに絶大な効果を発揮します。これを全員に伝える事のできるAll-handsに入れない手はないです。


次に③で、オーナーシップを持った参加者を増やします(2倍かめはめ波)

③部門の話は部門持ち回りで、「こんなことができたよ」という内容で実施する

こちらのテーマによって、ポジティブな内容をシェアして指揮を高める(エンゲージメント)ことができるだけでなく、経営陣やHR以外の部門担当者が参加することで、オーナーシップをもった参加者を増やす(All-handsへの能動的な参加者が増える←ここが大事)事が可能になります。

そしてオーナーシップをもった参加者を増やす強化策として、部門長だけでなく、メンバーにもスピーカーになって話をしてもらうのがオススメです。

まず部門長が話をするだけでも、その部門長のレポートラインに入っているメンバーは部門長が話しているからちゃんと聞かなきゃとAll-handsへの注意が高まります。

そしてメンバーが話をすることで、部門内全員にAll-handsへの集中力が一気に高まります。

そして部門外への効果もあります。他部門でもメンバーが話すことによって、そのメンバーと一緒に仕事をしている人や同年齢のメンバーなどは「よし聞こう!」となります。

このようにオーナーシップを持った参加者を意図的にに増やす事で、これまで聞くだけだったAll-handsの雰囲気を、参加型に変えていくことが可能になります。

つまりこの「③部門の話は部門持ち回りで、「こんなことができたよ」という内容で実施する」にはAll-handsにおいてオーナーシップを高める参加者を増やし、伝わるAll-handsに大変身させるための絶大な効果があります。

なお「こんなことができたよ」のテーマはうちの会社では過去こういうのをやってますのでご参考まで。
・難易度の高いクライアントをこうやって落とした!
・AIモデルの精度を高めるためにこういう発見があった!
・部署同志がコラボしてこういうラベリング自動化ツールを作り上げた!
・人事とAI部門が協力してAIタレントの採用を実現した!

こうして②と③の施策によってエンゲージメントとオーナーシップという2倍かめはめ波を打つことができるようになりました。
 

2倍かめはめ波をうちつつ、最後の仕上げとしてうちの会社ではAll-handsをあえて「みんなのAll-hands」と呼ぶことにしました。意外と名前を「みんなの」とつけることで施策がクリアになっていきます。

そう、OKRでCompany Objective(会社の目的)を決めると、その後の部門のObjective(目的)が決まっていくように。

言葉の力というものは、意思ある人にとって絶大になる

と感じています。

という流れで次回はこちらです!

次回!「そうか おめぇまだOKRのやり方も知らねぇのか・・・ムリもねぇよな、師匠なんていねぇしそんなこと考えたこともなかったろう・・・」ぜってぇ見てくれよな!!

※こんなにちまたにあふれるOKR。でも哲学以外にどうやって皆の賛同を得ながら目標設定をするのか、師匠がほんとにいなかったのです....泣
グダグダだったOKRをどう改善したのか、をお話ししていきます。

よろしければ是非サポート頂ければです!頂きましたサポートは、執筆活動へ、より皆さんに知ってもらう機会として活用させて頂きます。ワクワクすっぞ!