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講演もショーも始まる前に価値が決まる

小さな頃から舞台が好きで、劇団四季のような大きな舞台から、小さな劇団、ミュージカルあちこちの舞台や音楽会などに連れて行ってもらっていた。(かっこつけて、音楽会も入れたけど、コンサート系は毎回ほぼ、寝ていて親に嫌がられてましたw)中でも大好きなのは、舞台の始まる瞬間で、舞台の登場人物、影に身を潜めているスタッフ、オーケストラ、そして観客が一瞬、きゅっと息を合わせるようなあの瞬間が好きでした。

最初のひと声

学生時代から20代そこそこまで、劇の世界にいました。演じるのも大好きで、その役になりきる瞬間や非言語化されたものが伝えられる空間というのが面白いなと思っていたのですが、中でも毎回重要だなと思っていたのが、
劇が始まる一番最初の人物の「最初の声」でした。

重要人物であれ、脇役であれ、最初の人が舞台のはじめに発するその一言で、その舞台の成功率が8割方決まってくるのです。声の大きさ、高さ、抑揚、速さ、そして、微かに伝わる緊張、自信、期待、ワクワク。
この一声で、世界観が大きく決まってしまう。
なんなら、舞台が始まる前の「これからXXXが始まります!」と伝えてくれる司会者や前座を務めてくれる方の声も大きく世界観を作ってしまう。

このひと声で「あー、いい舞台になりそう!」と感じるのか、「ん?これは?」と思うのは、他の役者も観客も多かれ少なかれ同じのような気がしています。

講演の仕事

劇団からすでに離れて、もう20年以上立っている私ですが、仕事のひとつに、講演や講座、イベントがあります。このときにもいつも劇団時代を思い出します。今の私にとって、こうした仕事で、いかに世界観を作るのか、参加してくださった方々に満足いただく場が作れるのかは常に重要視しています。

テーマは同じでも、毎回違う。登場の仕方から、話はじめ、言葉選び、声のトーンやスピード。これは、参加者の年齢、男女比、職業、仕事の種類、人数、形式などたくさんの要素、なんなら土地柄でも変わってきます。いつも、始まる瞬間の呼吸を合わせる時と、そして第一声を大切にしたいのです。

オンラインの第一声を考える

 最近、オンライン講座が増えました。講座の冒頭には、司会者やスタッフが、その日の講座の流れなどを説明をしたりします。
 司会者の告知や注意事項のアナウンスでも、オンラインでは、一番最初に参加者とコミュニケーションをとる場面です。
かっちりしているビジネス向けの講座か、身近に感じられるフレンドリーな講座なのか、はたまた、バタバタしていて落ち着かない講座、最初からつまらなさそうと感じてしまう講座。もしかしたら、この最初の時間が、オンラインでは一番重要なのかもしれません。

講座に思い入れを持っていると、最初のひと声に「期待」がにじみます。その滲んだ期待の声で、参加者は「これからワクワクする内容になるのか否か」を非言語のところで感じているのだと思うわけです。

弊社が主催する講座やイベント、はたまた私自身が出演するとき、エンタテイメントがどこから始まっているのかを もう1回、骨組みを見直してみようかなとそんなことを考えているところです。


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