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人事労務室の会話から#1 「ある日届いたみどりの封筒」

上司さん「これ、とどいたからよろしくね!」部下くん「あぁ、ついにまたこの季節がきましたね」


◇至急開封してください◇
労働局からこんな封筒が届いたら、我が社何をやらかしたの??とビックリする方もいらっしゃると思いますが、労務担当者のみなさんは、なれっこです。

この時期に届く封筒。「労働保険の年度更新」の書類です。
自動車保険にも生命保険にも更新があるように、会社が加入する労働保険にも更新があって、払いすぎたお金を清算したり、翌年度分を前もってお支払いしたりするのです。

会社が勝手にやる手続きだから、自分には関係ないかなって思いましたね。

社会保険は健康保険とか、年金のことだなとなんとなくわかる方も、労働保険は少し聞きなじみないかも、、?
労働保険は、労災保険(仕事中ケガをしたときなどに支払われる保険)と、雇用保険(失業給付などでもらえる保険)を合わせたもののことです。

あぁ、雇用保険ね。
そう、毎月給与天引きされている、あの項目です。

部下くん「今年は雇用保険の計算が面倒です」上司さん「保険料率がうなぎ上りだものね」


雇用保険料は「実際に支給される給与額×雇用保険料率」で計算されます。
冒頭の労働保険の年度更新では、「1年間の従業員の賃金総額×雇用保険料率」を計算して、労働局に収める、なんてことをするのですが、この雇用保険料率が変化しているので、今年の計算は大変です!泣

雇用保険料率の変更(一般の事業の場合)

ちょっとつかみにくいかもしれませんが、
毎月20万円給与をもらっている方の場合、
---------------------------------------------
R4.4.1では  200,000×0.3%=600円
R4.10.1では     200,000×0.5%=1,000円
R5.4.1では  200,000×0.6%=1,200円
---------------------------------------------  
                                             と、引かれる雇用保険料が変わっているのです。

会社の負担もまた然り。1年の賃金総額でみたらインパクト大きいですね。

上司さん「こんなに払うなら、貰えるものもらわないとな」

部下くん「たしかに・・・」


社会保険に比べて、払っている分の恩恵を受けるのは、状況が限られた人のみに感じる雇用保険。
退職したときや、育休をとった人だけがもらえるものと思っていませんか?

働いているかたでも、資格取得に必要な講座の受講費の一部がもらえる給付金もあったりします。https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000970925.pdf

また、事業主のためには、自分の会社が対象となる助成金を探せるサイトも厚労省が用意していたりします。

毎月少しずつ、でも確実に引かれている雇用保険料。

正しくもらえる給付金があるなら、知っておかないと。
と、思いながらみどりの封筒を開く、部下くんでした。

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