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軍艦島に行った話

2017年9月、当時仙台の学生だった私は、かねてより訪れたいと思っていた軍艦島に行った。

軍艦島(端島)は、仙台から遠く離れた長崎県の離島である。取りあえず仙台空港から長崎空港まで飛行機で直行し、到着日は長崎市内をブラブラ歩き(遠藤周作を愛読しているので、長崎は歩くだけで満足だった)、翌日の朝一で軍艦島へ向かうツアーに申し込んだのだった。

軍艦島に向かう船は、約1時間で目的地に到着した。「軍艦島」という名づけの由来にある通り、島は遠目でみると確かに軍艦のような容貌をしていた。

上陸する前に、周囲を海から眺められるサービスがあった。島西部には社宅が立ち並び、それらに隣接する形で各種娯楽施設が用意されていたようだ。なお、ツアーのガイドさんは幼少期に実際に軍艦島で生活していた経験のある方で、当時の様子を非常に詳しく話してくれた。

狭い島内では個人のプライバシーなど現実的に守られることはなく、例えば恋仲にある男女はデート場所にも苦労したらしい。当時、男女の逢引きは島の西側の海に面した小ぶりなスペース(わかりにくいが写真参照)で行われていたらしい。

軍艦島ツアーと言っても、観光客が見て回れるのは島のごく一部である。軍艦島は島全体が廃墟であり、常に建物の崩落の危険性があるので、安全のため簡単に歩き回ることはできないのだ。ツアーの参加者は、波止場から島の南部にかけてをガイドと一緒に見学することができるのみだった。

赤いレンガ造りの建物は、炭鉱の事務所の残骸である。奥に見えるのが石炭の採掘場跡であり、これの地下深くに穴を掘り、大量の石炭を採っていたのだという。

採掘場跡を横からみた図。

これは何のために使われていた建物なのかは、忘れてしまった。小ぶりな印象を受けるが、目の当たりにすると非常に大きく感じられた。

一般人が見て回れるのは以上だ。ちなみに島の右手に見える建物は小学校であり、校庭も設けられている。軍艦島は最盛期で人口密度が世界第一だったようだが、この校庭ではある程度のソーシャルディスタンスを保つことができるだろう。

一度は行きたいと思っていた場所に行けただけでも大満足のツアーだった。今は島内部で有害物質が検出されたようでツアーは中止されているようだが、機会を見つけて是非また行きたいと思っている。

おわり

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