30日間の革命 #毎日小説61日目

 前回の集会から、各メンバーの生活は大きく変わっていた。手崎は、女子バレー部キャプテンの江藤に目をつけられ、歯向かったことで女子バレー部全員から、厳しい扱いを受けていた。しかし、その代わりに馬場との仲が深まっていた。手崎が落ち込んでいるとき、図書室で話しを聞いてくれていた。いつしか手崎も馬場に心を許すようになり、よく相談をするようになっていた。

 坂本の生活にも、少しだけ変化があった。仙波が相談に来た日から、毎日連絡を取り合うようになり、昼食をともにしたり、一緒に下校したりと仲を深めていた。以前の坂本は加賀と行動することが多かったが、今では、クラスは違うが仙波といる時間の方が長くなっていた。

 それに伴い、加賀の生活も変わっていた。再面談に向けて、自分の進路をしっかりと考え始めていた。以前は、白の会についても「坂本の夢を叶えてあげたい」という気持ちで参加していたが、自分自身が叶えたい目標も持つようになった。ふらふら遊ぶことをやめ、家では少しずつ勉強もするようになっていた。

 各々の生活が変わり始め、気が付けば夏休みが目前へ迫っていた。気温も更に上がり、真夏日と呼ばれる日が連日続いた。そんな中、久しぶりに白の会の全体ミーティングが行われることになった。ここ数週間は個人で動くことが多く、みんなが顔を合わせるのは数週間ぶりだった。

 「みんなとこうやって顔を合わせるのは久しぶりね。今日は今度の集会に向けての中間報告会とするわ」

 まずは坂本と馬場から、集会の主な内容についての報告がなされた。今回の集会では、主に革命に向けた具体的な内容を話すとともに、学生たちに白の会への入会案内をすること決まった。

 続いて、加賀を中心に集会への参加者集めについての報告が行われた。加賀、神原はそれぞれ30人以上の集会参加者を集めていた。

 「手崎さんはどうかしら?」

 坂本は手崎へ問いかけた。

 「わ、わたしも30人ほど集めることが出来ました」

 手崎は、少し申し訳なさそうに答えた。

 「みんな凄いわね。この調子なら、100人は超えそうね」

 坂本は、みんなを称えた。手崎はちらっと馬場の方を見ると、馬場は笑顔で答えた。

 手崎が報告した30人は、手崎自身で集めたわけではなかった。馬場が手崎の代わりに参加者を集めたのだった。手崎はミーティングの前に、坂本へ正直に話そうとしたが、馬場はそれを断り、手崎自身の成果として良いと答えた。

 「体育館の使用についてはどうかしら?」

 坂本は加賀へ質問をした。

 「今申請を出しているところだよ。生徒会の名目で、借りられそう。あとは承認を得られれば、それでOK」

 加賀は得意げに答えた。

 「ありがと。そっちも問題なさそうね。なら、これからも集会に向けて動いていってほしんだけど、何か気になることや心配なことはある?」

 坂本は最後に皆に向けて質問した。一同からは、特に返事はなかった。

 「そう。それじゃあ、また集会前にもミーティングをするから、引き続きよろしくね」

 そうしてミーティングは終了した。


▼30日間の革命 1日目~60日目
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