30日間の革命 #毎日小説35日目
それから坂本は、革命の実行について少しだけ具体的な話をした。文化祭の日に、どのように何を行うつもりなのか。最初は少しざわついていた学生たちも、いつしか真剣に聞いていた。
時折学生からの質問も受けながら、坂本は30分ほど話した。そして、最後に学生たちへこう呼びかけた。
「私たちは”白の会”として、この活動を行っていきます。もし今日の話しを聞いて、興味を持ったら、このサイトにアクセスしてみて。そして、これからも定期的に集会を行います。賛成でも、反対でもどちらでも構わないから、みんなが自分の意志を持って、参加してくれるとありがたいわ。今日は集まってくれてありがとう」
そう締めくくり、最初の集会が終わった。黒板には、神原がホームページのURLを書き、何人かの学生はメモをして帰っていった。
「ふー、お疲れ様! 俺なんも話してないけど、めっちゃ緊張したよ」
加賀が最初に口を開いた。
「は、はい。私も何もできませんでしたが、とても緊張しました。そして、坂本先輩さすがです。私はあの雰囲気であんなに話せません」
手崎は少し興奮しているようだった。
「みんなお疲れ様。私もみんながいたから、自信を持って話すことができたわ。ここまで協力してくれてありがとう」
坂本はみんなを労い、そしてこう続けた。
「これで、私たちだけの話じゃなくなったわ。もしかしたら、反対意見も出てくるかもしれないし、先生にもこの活動が知られるかもしれない。でも、賛同してくれる人もきっといる。だからこそ、私たちは歩みを止めない。どんなことがあっても、この革命を成功させようと思う」
いつになく力強い坂本の呼びかけに、メンバー全員再び強い意志を持った。
「でも、今日の集会で白の会に参加してくれる人を募らくても良かったのですか?」
馬場が坂本へ質問した。
「ええ。みんなにも考える時間を持って欲しかったから、あえて今日は募集しなかったわ。雰囲気に飲まれて決断をしてほしくもなかったし。ちゃんと自分の意志で賛成か反対を決めてもらうわ」
「そうですね。ただ、反対意見が出なければいいですが。今はSNSで簡単に情報が出回りますからね」
「そうだなー。良くも悪くもすぐ情報は出回っちゃうだろうな」
馬場と加賀は、SNSで情報が変に出回ってしまうことを心配した。
「そうね。でも、どんな感じで噂が広まるか見てみましょう。その反応によっては今後の計画も変更しなくてはならないかもしれないから」
そして翌日、加賀と馬場の予想通り、白の会の噂は一晩で広まっていた。
▼30日間の革命 1日目~34日目
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