アニメ制作時代の話⑥
おはようございます。
今日も「アニメ制作時代の話」Part④をお届けいたします。何か最近は、「３０日間の革命」とこの「アニメ制作時代の話」の二つ小説を書いているような感じですね笑
それではご覧ください！
頭を下げ続けた夜
演出さんと監督との打ち合わせが終わると、次は作画を担当するアニメーターさんと演出さんとの打ち合わせが始まる。社内のアニメーターさんだけなら、簡単に予定を合わせることが出来るのだが、そうはいかない。人手が足りないので、作画をフリーのアニメーターさんや他社のアニメーターさんにも依頼をしているのが現状。なので、その分たくさんの人との打ち合わせスケジュールを決めなければならないのだった。
私は、先輩から渡されたリストをもとに、社外のアニメーターさんへ次々と連絡をとっていった。先輩からは早く打ち合わせ日程を決めろと言われていたので、とりあえず短いスパンで打ち合わせの日程を押さえていった。
何とか、全員と連絡がとれ、打ち合わせのスケジュールを押さえることが出来た。その時、時計の針は既に１０時を回っていた。ただ、社内にはまだほとんどの人が残っていた。演出さんもまだ残っていたので、私は打ち合わせについて報告することにした。
大きいヘッドホンをつけて作業をしている演出さんに恐る恐る声をかけた。
「あ、あのすいません。作画さんとの打ち合わせについて報告にきました」
演出さんは、作業を止められたことが不満だったのか、無言で私を睨めつけていた。私はビビりながらも、打ち合わせのスケジュールを書いた紙を見せようとすると、演出さんは無言でその紙を奪い、じーっと目を通した。そして、その紙を乱暴へ私へ返すと、
「あのさ、こんな詰めたスケジュールで打ち合わせしろっていうの？ 俺もこのアニメだけ担当してるんじゃないから忙しいだけど。普通さ、まず俺の予定を確認してからスケジュール決めるんじゃないの？ お前新人だか何だか知らないけど、さすがにこの仕事の進め方はひどいでしょ。ちょっと、あいつ呼んでこい」
と、かなりお怒りの様子で、先輩を呼んでくるよう私に伝えた。私はもう完全にビビッてしまい、涙目になって先輩を呼びにいった。
「先輩、演出さんが呼んでいます……」
私がそう伝えると、先輩は「チっ」と舌打ちをして、駆け足で演出さんの元へと向かった。私もその後をついていった。
「はい。何でしょうか」
演出さんの元へ着くなり、先輩は低姿勢で話しかけた。
「あのさ、こいつの出したスケジュール何なの？ あんなスケジュールで打ち合わせしろって言うのか？」
すると先輩は、私の持っていたスケジュール表をかっぱらい、あたかも初めてスケジュールを見たようなリアクションを見せた。
「あー、申し訳ないです。さすがにこのスケジュールはないですよね。自分で出来るっていうので、任せていましたが、ちゃんと私も確認しようと思います。すいませんでした」
と先輩は頭を下げた。私も一緒に頭を下げたが、なぜか私の独断でスケジュールを決めようなことになっており、少しだけ納得いかなかった。そして、それから５分くらい、演出さんに説教をされた。私と先輩は、まるで中学生が職員室で先生に怒られているように、直立で立ちながら、ひたすら頭を下げていた。
To Be Continued…
第二部
自己紹介から始まった「アニメ制作時代の話」ですが、書きながら色々と思い出して、何だか長編になりそうです。笑
もう８年も前の話しなので、セリフなど一言一句違わず再現している訳ではありませんが、大方の流れは実話です。
これからもっと辛い毎日が続いていきます。
引き続きご覧いただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。
日報
noteに投稿を始めてから今日で２カ月が経ちました！
ここまで継続できたのも、いつもご覧いただいている皆さまのおかげです。本当にありがとうございます。
またこれからも１００日達成に向けて頑張っていこうと思います！
よろしくお願いいたします。
▼自己紹介記事まとめました！
この「アニメ制作時代の話」シリーズを含めた自己紹介記事をまとめています！ ぜひご覧ください！
▼毎日小説「３０日間の革命」
毎日小説を1,000文字ずつ投稿し「３０日間の革命」という作品を１００日かけて作るという挑戦をしています！ よろしければ１日目からお読みください！
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