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不定期連載小説『YOU&I』41話

授業中、國立はとにかく落ち着かなかった。

なぜ小金井が中野たちと話しをしたのか。そして、なぜ小金井は学校ではないところでそれを話そうとするのか。

もしかしたら、自分が彼女のことを好きだということに気づかれてしまったのか? それで、小金井に相談をしたのか? でもそれではなぜ小金井も一緒に旅行に行くことになるのか?

そんなことが頭の中を駆け巡る。

もちろん、國立が考えるようなことは一切起こってない。しかし、心配症である國立はこんな些細なことでも不安になっていた。

そして授業が終わる。

「よし、授業も終わったから早く行こう」

國立は少し焦ったように小金井へと話した。いち早く小金井の話しを聞きたかったからだ。

「う、うん。行こっか」

そうして二人は足早に学校を後にする。

「どこ行く? 私ケーキが食べたいな」

学校を出ると、小金井は國立へとそう話した。

(何を呑気なことを言ってるんだよ。まあいいか。あそこのカフェなら甘いものも売ってたから、とりあえず向かうか)

國立はそう考え、

「駅前によく行くカフェがあるから、そこに行こう。ケーキもある」

と小金井へ告げ、いつものカフェへと向かった。

カフェへと到着すると、ケーキとコーヒーを頼み、いつもとは違うテーブル席へと座った。

「よ、よし。これで満足だろ? なら早く話しを聞かせてよ」

「まあまあ落ち着いて。まずはケーキを食べてから」

と焦る國立とは対照的に、小金井はケーキを味わおうとする。

「ケーキは後でも食べられるだろ! 食べながらでもいいから早く話してくれよ!」

「何をそんなに焦ってるんだよ? まあいいけどさ。なら食べながら話すよ」

小金井はそういうと、渋々話しを始めた。

「亜希たちと話しをした経緯だっけ? 私が教室に座ってたら亜希が隣に来て話しかけてきたんだよ。で、話していくうちに旅行の話しになって。で、誘われたの。春樹も旅行に行くって言うから、私も行くって返事をしたんだよ。で、授業が終わったら智美と冬真が来て、今度みんなでご飯でも食べながら旅行の計画を立てようって話しになったわけ」

「うん」

「? 以上だけど?」

「は? それだけ?」

「うん。起こった出来事は全部話したかな」

「え、えーと、何で中野さんは急に立夏に話しかけてきたんだ?」

「それは私も知らないよ」

「へ? 立夏は元々中野さんと知り合いだったのか?」

「ううん。初めて話したよ」

「いやいや、ならおかしいだろ。初対面の人をいきなり旅行に誘うか?」

「そんなこと私に聞かれても」

「てか、それもだし、何で立夏は初対面の人たちといきなり旅行に行くことを了承するだよ。気まずくないのか?」

「嫌な人だったら断るけど、みんな良い人そうだったし、それに春樹も行くって言うから皆初対面って訳じゃないよ」

「そ、それもそうだけどさ、なんか話しが急展開すぎないか?」

「そうか? 私は特にそんなこと気にしないけど」

小金井はケーキを口に運びながらそう答えた。

▶To be continued

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