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100以上の試案から生まれた、ロゴアイコン制作秘話|『ninaru小学生』ができるまで。#8

2022年10月リリースの新プロダクト「ninaru小学生」の制作内部をお伝えするnote。エバーセンスでインターンシップをする金が、開発に携わったメンバーへのインタビューを通して、アプリに込められた想いや制作の裏側に迫ってきました。

前回はこちら。

第8回目の最終回は、デザイナーのハニさんです。アプリのデザインが出来上がる過程や、韓国でのフルリモート体制による苦悩などを、ご本人に綴ってもらいました。

こんにちは。ninaru小学生のデザイナー、HANIです!

今回の開発では、グラフィック全般の製作や、学習チェック機能のUI・UX、ドリル製作などを担当しました。この場ではよりミクロな視点で、ロゴアイコンのデザインについてお話します。

学校に向かうような気持ちになるロゴに

小学校といえば、まず「校舎」が浮かびますよね。企画段階の世界観や価値定義にそって、もうすぐ小学校に入学する子どもと親の心を想像して、校舎をメインにすることを決めました。

ホーム画面のメインテーマが黒板なので、アプリを開くことで学校に行って、教室に入るような気持ちが感じられると思います。

ロゴのメインカラーは、元気でポジティブな感じを持たせるために、これからもスクスクと大きくなる子どもをイメージしながら、「黄色」と「緑」を選定!

しかしメインイメージが「校舎」と決まってからも、すぐには終わりません。

POからのフィードバックは「なんか違うね」

「シンプルなアイコンだから、作るのもシンプルでしょ?」と思われるかもしれませんが、小学生のロゴアイコンは100パターン以上の試案がありました。

当初の私は、「キッズアプリらしい」ということにフォーカスしていたので、キッズアプリっぽい、形が崩れたり、可愛い色を使ったりしたロゴアイコンを数パターン提案しましたが、POから戻って来たのは「なんか違うね」というフィードバック。

そこからPOとデザイナーとの考えの距離感をなくすために、「いったん目に見えるものを作って当てる」という方式で、ミーティングやチャットを無限に繰り返しました(笑)。そのコミュニケーションの先で行き着いたのが、「安定感」というキーワード。

その共通認識の上でロゴを作ってみたら、「キッズアプリらしい」要素は結構削られ、今のロゴアイコンの草案が出ました。

その一部がこちらです。

校舎のデザインをメインに、屋根の色やフォルムの丸みの変化を見比べた時の画像です。

可愛すぎて形を崩してもダメ、鋭くしすぎて役所っぽく見せるのもダメ。良いバランスを取るために、角の角度を微調整してふっくらさせて優しい感じを持たせながら、ちゃんと重みがあるような形を探し、また数十パターンを…!

最終的には、緩く可愛い形をしたデザインと、スマホで見た時の視認性を考慮して数枚に絞り、バランスを調整して決まったのが、今のロゴアイコンです。

「不安な時にサポートされている」というアプリの価値定義を、「安定感」というグラフィックで起こせるキーワードに落とし込むまでの道のりが一番長かったですね。

▲最終的に決まったロゴアイコン

先述の試案段階では緑の丘部分はありませんでしたが、ninaruシリーズのアプリということで「ninaru」の文字を入れることに。

ninaruの文字を帯にして、校舎の上や下に置いたり消したりを繰り返していたところ、芝生で子どもたちが楽しく走っているイメージが浮かんできて、帯の色を緑にしてみました。

一直線の地面はなんとなく硬い感じがしたので、丘の形にしてみたら、学校までの登り道のような生き生きした感じがして、「これだっ!」と。安定感も増えつつ、うまくハマったと思います。

この丘のデザインは、アプリ起動画面で登場する小学生が走る道になったり、広報用素材のデザイン要素で使われたりなど、のちにアイデアが広がっていったのもよかったです。

▲丘を子どもが走るアプリ起動時の画面(左)と、丘が使われている広報用素材(右)

フルリモートでの新規開発はハードルだらけ

デザインのお話とは別ですが、今回コロナ禍のフルリモートで開発に参加したのは初めてでした。

そのため、全てのコミニケーションをオンライン上で行うことに、意外とハードルがありました。特に「スクラム」という仕組みを取ったので、リアルで行う会議がある時、私だけオンラインで参加する…という状況でした。

なぜコミュニケーションにハードルを感じたかというと、オンラインで参加する場合、音声以外の情報が制限されるというペナルティがあったから。

リアルの会話は、声だけでなく、表情、ジェスチャー、視線や空間まで含んだ全ての情報を受け取りながら行うものだと、改めてわかりました。

もちろん全くできないわけでもないですが、コミュニケーションをして意見を集める時には、リアルよりもスピードが出ず...。全員がオンラインの日は、同じ条件で話せてコミニケーションの問題を感じないので、「やった〜」と思ってました(笑)

メンバー全員がリアルで集まる会は、2週に1回くらい。リアルでミーティングをする時は話がよく聞こえるように配慮してもらったり、集まる時以外はオンライン上でもできるようにスクラムマスターに仕組みを作ってもらったりしたので、助かりました。

またフルリモートだと、ちょっとした質問もわざわざメッセージを送ったり、ミーティングのスケジュールを入れないといけない状況で、特に学習チェック機能のUI・UXを作る時は機能POのようこさんと2〜3時間連続でミーティングをしたことも(笑)

オンラインでのものづくりをうまく進めていくためには、あまり努力をしなくてもオフラインの日常会話で得られた情報を、時間をかけてヒヤリングしにいくことが必要なんだとわかりました。

最後に

このアプリを開いて閉じるまで、小学生のママパパにずっと元気を与えたい!という心持ちでデザインしました。それが通じれば良いなぁと思っています!