ゴールを決める|海外駐在するなら最初からやっておきたいこと

海外駐在員のぴよ吉です!

今日はいよいよ ”海外駐在するなら最初からやっておきたいこと”の第一位です。毎回 要点をまとめようと努力しているのですが 書いているうちに伝えたいことが溢れてきてしまい いつも長文になってしまいます。。

それでも毎回一つ一つを気持ちを込めて 伝えることができたのは大きな達成感を感じます。以前の記事は以下になります。

[第5位 新しいものはすべてやってみる]

[第4位 やりたいことを書き出す]

[第3位 定期的にプレゼントを贈る]

[第2位 経験したことは発信する]

さっそくですが本日 第一位として伝えたいことは ”ゴールを決める” ということです。具体的には、以下3つ

〇 仕事(〇〇プロジェクトだけは成功させる!など)
〇 家族(〇〇の時間と☆☆の時間だけは必ず家族と過ごす!など)
〇 娯楽(絶対この旅行リストは達成する!など)

については、駐在初期にゴールを決めるべきだと思います。人によって達成したいゴールの種類は様々だと思いますが、だいたい上記3つに紐づくでしょう。

なにが問題なのか?

ゴールを決めない駐在員には何が起こっているのでしょうか?僕が駐在期間中に最初に経験した問題を以下に紹介します。

◆仕事◆
駐在生活が始まると想像以上に時間が無いことに気付きます。
特に仕事は自分の生活バランスを大きく崩しかねません。現地人と一緒に働くだけでも意思疎通に不備があり一つ一つの業務に時間がかかったり、日本とのWeb会議の為に早朝もしくは定時後に時間を取られたりと、コントロールしないと生活の大半は仕事になってしまうでしょう。

◆家族◆
仕事に時間が取られると、どんどん家族と過ごす時間が少なくなります。
ただでさえ言語の問題や友人/家族が周りにいないことで海外生活に不安を感じている家族と一緒に過ごせないのは 家庭の不満も溜まりやすいでしょう。
また、家族の不満だけでなく家族と過ごす時間は自分の精神安定にも大きく影響するので、自分自身の幸せ/健康にも大きく影響します。

◆娯楽◆
上記2つのしわ寄せは娯楽の時間に影響します。一番後回しになりがちだからです。業務時間が終わった後の運動だったり、興味があることの勉強、休暇に行く旅行など、充実した駐在生活を送るために自分がやりたいことにも関わらず、誰にも迷惑を掛けないことから後回しになってしまい結局やらず、自分自身を消耗させてしまいます。

ではどのようにして、この問題を解決するのでしょうか?
それが僕が強く伝えたい ”ゴールを決めて優先順位を付ける”ということです。

優先順位を付ける

今思えば当たり前なのですが、仕事、家族、娯楽において全てを手に入れることは無理です。断定した形で申し訳ありませんが、駐在期間は日本にいる時より

1.仕事量が増加し、
2.家族のケアが頻繁に必要になり、
3.体験したい娯楽が増える。

ということで、日本にいる時に時間が有り余っているような人でない限り全てを満たすことは不可能です。何かを捨てる必要があります。

そして何かを捨てるためには、”いるものといらないもの”の分類が必要ですよね。そこで僕は ①Must ②Need ③Want の 分類を行い、優先順位を付けることにしました。

◆ 無意識の優先順位付けに驚いた ◆
理想的な優先順位付けを行う前にまずは現状を把握しようと思い、自分の無意識に行っていた優先順位を整理したところ以下のようになっていました。

Must:誰かに迷惑を掛けないため、自分が怒られない為に最優先でやること
 - 全ての会議に出席
 - 全てのメールに返信/対応
 - 家族に問題があった時の対応(ケガや病気など)
Need:自分の役割(親として、責任者として)を考えるとやる必要があること
 - 子供と遊ぶ
 - 妻の希望の旅行先に行く
Want:MustとNeedが無いときにやりたいと思っているもの
 - 運動や勉強
 - 気になっていたレストランや観光地に行く

上記の整理を行って気付いたのは仕事ばかりに時間を使っていた事、そしてなにより、無意識に行っていたMust/Need/Wantの定義が受動的だったことです。

受動的に決まったMustとNeedはいつも誰かの目を気にして決めたものだったり、自分の立場を悪くするのを恐れて後ろ向きに取り組んでいるものでした。
またWantについても、”いつかできたら~”という希望的観測で半分諦めのような気持ちもありました。

◆ 優先順位の定義を明確にした ◆
そのため、このままじゃネガティブ路線まっしぐらだと思い、まず優先順位の定義を以下のようにしました。

Must:自分が第一優先で大切にしたいこと
(×誰かに迷惑を掛けない為、自分が怒られない為に最優先でやること)
Need:自分にしかできないこと
(×自分の役割を考えるとやる必要があること)
Want:時間ができた時にすぐに実行すること
(×MustとNeedが無いときにやりたいと思っているもの)

それぞれの定義を見ても分かるように、以前(×の定義)よりも能動的/主体的になっているのが分かると思います。この定義に沿って自分の優先順位を決めようと考えました。

特にこだわるのはMustの項目です。
Mustは”第一優先で達成したいこと”なので、極端に言えばNeedとWantに全く時間が使えなくても、これさえ達成できれば悔いはない!という項目にします。

このMustの項目こそが、今回の記事のテーマでいう”ゴール”です。
駐在期間に訪れる無数の選択肢の中から、本当に大切にしたいものを拾い上げる気持ちで選んでください。また仕事、家族、娯楽のそれぞれの項目に対して、一文までという制限を僕は設けました。いくつも書けるルールだと全部Mustにしてしまうからです。

以下が僕のMustです。

Must項目
仕事:〇〇と△△プロジェクトには最優先で業務時間を使う
家族:朝 7時~8時は子供と夜21時~22時は妻と必ず過ごす
娯楽:選別した8つの旅行先は必ず行く

イメージとして、仕事中は2つのプロジェクトを最優先に時間を使い、他の業務は空いた時間に行います。しかし、夜21時には妻と過ごすため20時過ぎには帰る準備を始めますし、子供と過ごすために次の日に早く出勤することもしません。他の業務があっても家族との時間を死守するために、納期を待ってもらいます。
また、長期休暇にはどんな理由があっても仕事をせずに旅行に行きますし、週末に有休休暇を併せて行くこともあります。

どうでしょうか?仕事/家族/娯楽それぞれで一文のMustを決めただけでも充実するような気がしませんか?

◆ 対価を先に決めておく ◆
はい。言いたいことはよく分かります。このような疑問を持たれるでしょう。

「それでも周りは納得しないよね?Mustじゃない部分は問題にならないの?」

おっしゃる通りです。
結論から言うとどこかに必ず支障が出ます。それは仕方ありません。なぜならもともと問題のあったバランスを自分が満足するように組み替えただけで、全てを満足させようとしている訳ではないからです。

それでもガタガタだったBeforeのバランスより、軸が安定している為 状況は段違いに良くなるはずです。
それでもまだ、不安があるというのなら 対価を決める というのはどうでしょうか?

No Pain, No Gainという言葉があるように痛み無くして何かを得ることはできません。自分のMustを達成するにはPainとなる対価が必要です。
僕の場合 以下を対価に実行しました。

仕事:月に5回までは怒られること - 社内評価と精神力を犠牲
家族:休憩時間、昼ご飯は一人で過ごし家族に電話する - 時間を犠牲
娯楽:高級食材、高級サービスを利用する - お金を犠牲

仕事については自分のMustを通すために、月に5回まで怒られたり不満を言われることを覚悟しました。最初から怒られる回数を覚悟しておくことで、実際に怒られても大きく凹むことなくいられました。。(家族の支えも大きかったです。)

それより驚いたのは月に5回も怒られることが無かったという点です。
「できない」と伝えることで周りの方々がサポートしてくれたり、業務プロセスを変えてくれたりすることになり、問題なく業務は進みました。
今まで依頼に100%答えるよう必死だったのでこの結果には驚きました。

昼休みや休憩時間の家族との電話も大きな発見がありました。
自分一人の時間が無くなると不安だったのですが、電話するからには 何かの話をしようと相手の事を考えますし、時間が限られているのでお互い大切に相手の話を聞きます。むしろ一人で休憩するより充実した時間になりました。

娯楽の対価はお金を犠牲にして、高級なものに触れることで ”諦めた娯楽たち”の代わりにしようと考えました。旅行先の数は減りましたが、普段から高級なものに触れることで、旅行と同じ ”非日常” を味わうことができたのでこれも結果的に良い対価になりました。

このように駐在中は ”あちらを立てればこちらが立たず”な状況なので、自分も周りも全ての要求を満たすことはできません。
しかし、代わりに対価を事前に決めておくことで100%の要求に応えられなくても自分の軸で生きていくことができます。

まとめ

いかがだったでしょうか?まとめると、駐在生活は仕事/家族/娯楽の面で非常に多くのMustに見える項目があり、全てを満たすのは不可能だということ。

そのためには、自分が必ず達成したい ”ゴール(Must)” を決めることで、優先順位を明確にし、自分を見失わずに駐在生活を充実させる必要があるということ。

また、”ゴール(Must)”を決めた先には必ずどこかに不満が発生するので、先にそのための”対価”を決めておくことで自分の意志を保つことができるということ。

”対価”と共に自分のスタイルを継続した先には、周りも少しずつ自分に合った良い環境に変わっていくと共に、自分自身も新たな発見を得ることができるということ。

以上になります。
ゴールを決めるということは駐在生活に限らず、人生を充実させる大切なことだと実感しています。でも駐在生活という新しい環境、限られた期間、多くなる責任が一気に身に降りかかると自分を見失ってしまう人も多くないでしょう。

本記事が誰か一人でも参考になれば嬉しいです。
これからも自分の現状/過去 の駐在生活で得た学びを書いていきたいと思います。

明日も皆さんが幸せでありますように!ばいばーい!

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