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インドの日本語学生に学ぶこと (インド滞在録#11)

(2018年夏に、会社の海外派遣プログラムで、インドのプネにある環境NGOでインターンしていた際の滞在録です。現地での体験や、日頃の気づきなどを、ゆるゆると綴っています)

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週末、現地インターンコーディネーターに、「日本語学校の生徒たちにEurekaさんを紹介したいので、一緒に学校に来てくれますか?」と誘われた。

誘いを快諾し、迎えの車に乗り込んだ直後、「今日は修了試験の日です。Eurekaさんには、口頭審査の審査員になってもらいます」と通達される。
騙された。まだ客引きにすら騙されてないのに・・・

人の評価などできないと抗議するも、「もう仕方ないです。向かっていますから」と言い放たれ、日本語学校のある印日協会に到着する。

試験は、上級コースの修了試験で、「インド人も知らないインド」をテーマに、合計4名が15分ずつプレゼンを行った。当初の心配は、全くの杞憂に終わった。

なぜなら、4名全員が、言葉づかい、発音、イントネーション、何を取っても申し分ないのだ。間、身振り等、言語外能力も非常に高く、むしろこちらが勉強になるくらいだ。

ネイティブ教師もいない中で、なぜここまで完璧に言語習得ができるのか、不思議でならない。さらに驚いたのが、彼らは国外へはおろか、マハラートラ州すら出たことがないというのである。

今後日本に行けるかもわからないが、日本・日本語への純粋な興味が動機で、勉学に励んでいるのだという。

さて、日本で強調される「グローバル人材」という言葉について、包含される内容は多様で曖昧でもあるが、押し並べて、世界へ出る行為自体を重視する傾向を感じる。

ここで出会った日本語学生は、物理的に「外」へ出る機会こそないものの、驚くほどの探究心で世界に目を向けていた。このようなマインドセットこそが、重要ではないかと改めて感じた。

彼らがいつか日本に来てくれることを願うと同時に、「外」に出る機会を与えられた我々には、向上心を持って学び続ける必要があると、自戒の念を込めて書く。

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以 上

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