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渋谷で地獄に堕ちてきた

地獄VR体験記 @Deathフェス

4/13 から渋谷のヒカリエで開催されているDeath フェスに参加してきました。きっかけはJwaveでの紹介です。調べてみると死を捉え直すという前向きな内容で、中でも目をひいたのは地獄VR……字面だけでもう気になる!誰も好んで地獄になんか行きたくはないですよね。でも、体験することで今の生に、より向き合えるのではないかと思い参加しました。

登壇されたのは、日蓮宗の久住住職です。単に地獄といえども、現世で犯した罪の種類によって地獄のレベルがあるそうです。拷問の内容は、美女に誘われてカミソリの木を登ったり降りたり、大工道具でバラバラにされたり、亡くなっても赤ちゃんとして生き返させられたりと……中でも無間むげん地獄は、間髪を容れずに拷問を受け続けるらしいです……どの苦しみも味わいたくないものでした。

VRでは、閻魔大王に「おまえはどう生きてきたんだ?」と問われるシーンがあります。まじまじと対面したとき、心臓をぎゅっと掴まれたような息苦しさを覚え、ここでは嘘なんてつけないと思いました。もし嘘がつける人がいるなら、そもそも地獄に行くような人か、もしくは思考がぶっ飛んでる人でしょうか……ぜひVRで体験してみてください。

三毒

むさぼりの心、怒りの心、愚かな心

自分だけよければいいという貪りの心。嫉妬や妬みやっかみによる怒りの心。人を思いやることなく自分だけは正しいと思い込む愚かな心。この三毒によって心を支配され、殺生、盗み、邪淫じゃいん、妄言、邪見じゃけん、を行い尽くした報いを受けるのがこの地獄。果たして地獄はどこにあるのか?

みんなの仏教 地獄VR パンフレット より引用

苦しみには順番があり、貪欲どんよくに物を欲しがることが始まりだそうです。私はあまり物欲がない方だと思ったのですが、推しが出すグッズは出るたびに買ったり、海外から取り寄せたりすることがありました。また、noteを開始したことによってスキが欲しくなってきてしまったので、あまり気にし過ぎないようにしたいです。書きたい文章を書くことを優先したいですね。

特にSNSなどはその苦しみを生みやすいとのこと。確かに、物欲の刺激、他者比較の刺激、偏った刺激(いいねをしたものに関連する情報ばかり得やすい)という特徴がありますね。もはや、SNS毒だなと……行き着くところは、資本主義の否定とか、ミニマリストとかになりそうだな……

懺悔ざんげしたこと

VRの体験後に、お経を聞きながら瞑想し、犯した罪を振り返る時間がありました。そのあと懺悔の内容を白檀の香りがする紙に書くワークがありました。

私は正直に〇〇したと書きました。すると少しだけ心が楽になった気がしました。その紙は、後日お焚き上げしていただくとのこと。隣に座っていた女性が、何を書いたのかとても気になりましたが……罪を増やすことになりそうだったので我慢しました。

地獄に行くのは、今回だけにしたい

Twitterで住職から地獄はどうでしたかと聞かれたため、感想をリプライしたところ、このような返しをいただきました。

地獄には行きたくない、と思ってくれたことが一番の褒め言葉です。行かないよう人生を正しく送れるのですから

久住謙昭 @迷いと悟りのはざまの僧侶

私は熱心に信仰している宗教はありません。ただ、地獄にはもういきたくない!と思うことで、今をより良く生きられるのであれば、地獄や天国が本当にあるかどうかなんて、どちらでもいいのかもしれない。

ただ、「お前はどう生きてきたんだ?」と問われた時に、なんと返したものかと……こちらには少し時間がかかりそうです。



イベント後、献血してきた(エッセイ)

イベント終わりに13回目の献血へ。いつもは午前中に済ませることが多いが、15時過ぎに予約していたハチ公前の献血ルーム6Fに向かった。毎回のことだが、脈拍が103と少し早いので再測定する。緊張しやすいからか、急ぎ足で向かったからか、人混みが嫌いだからか……いずれにせよ、渋谷は得意ではない。

意外と美味しい温かいアクエリアスを飲みつつ、推しが開催したフリーマーケットで買った村上龍 69 sixty nine を、にやけ顔で読みながら待つ。十分な水分をとり、ベルがなったのでベッドへ移動。担当の方に左右のどちらも太くて刺しやすい立派な血管を、自慢に思われないように差し出す。やはり右手側で採血する席は、順番が回ってくるのが早い。

献血後の絆創膏

「……っ」13回目にして初めて痛点を突かれた。体感としてはいつもの3倍痛い。ちょうど肘の関節の内側を、じんじんと脈打つ痛みが波紋のように広がる。こちらも毎回のことだが、血液の出が悪い。末端冷え性というか、運動しているんだけれど、血の巡りが悪いんだなあ。

顔が歪んでいたのだろう、心配して駆けつけた看護師さんたちが、わらわらと集まってくる……「ドリンク飲みながらやりましょう」とメニューを渡される。「あっ……アップル、アップルでお願いします」とかすれた声で伝える。りんごではなく、アップルとだけ発音するのが、なんだか気恥ずかしかった。

右手にぬるくなったホッカイロを握ってはいるが、血の出が悪く、いつもより余計に我慢しなければならなかった。「辞めますか?」と言われたが、あと200mlだったので、男の意地で耐えてやった。あと5分かかるとしたら、諦めていたかもしれない。

針を抜いた時、「……いたっ」と声に出してしまった。じわじわと広がる痛みに耐えていると、ふと、献血していたことで判決が軽くなったという記事を思い出す。そうか、もし私が地獄に落ちた時に、閻魔大王に「献血していました」と申告すれば、私の犯した罪は軽くなる……のか?

そんなバカな考えを抱きつつ、献血後の20分の安静にはいる。研修中と書かれた名札をつけながら、ハキハキとした声で案内している職員の方から、今回の予約分でもらったグッズを手に帰宅。

あ、ポイントで交換した洗剤をソファに忘れた……と思い出し、閻魔大王にだけは会いませんようにと眠りにつくのだった。


参加したイベント



デスフェス参加前に死について考えたこと。


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