作家魂を目覚めさせてくれた老舗の帽子店
本日のnoteは、「コンプレックスの塊だった私を前に向かせてくれた帽子」のつづきになります。
帽子の学校を卒業した後は、自由科の生徒として在籍しながら老舗の帽子店でアルバイトをしました。
アトリエの下にある店舗では、美しく華やかで個性溢れる帽子から職人が上質な素材で製作した一点物、海外から輸入された帽子や日常使いの帽子まで幅広く扱っていました。
老舗だけあり、お客様は帽子愛好歴が長いマダムがメインでした。
私に任された仕事は、帽子のトリミング(飾り付け)と接客でした。
卒業したばかりの未熟な私に、職人の方々は、美しく効率よく仕上げるリボンの巻き方、様々な飾りの作り方や付け方、帽子のお手入れなどを親身に指導してくださいました。
中でも、最高齢80歳の職人の方は、わずか数ミリのブレード(天然素材でリボン状になっているもの)を、数10分で素晴らしい帽子に仕上げてしまう匠の技をお持ちでした。
数ミリのブレードでできた帽子は、近くでみても遠くからみても別格の美しさです。
帽子好きのお客様のために、美しさや楽しさを追求し、妥協せずに生み出した帽子で感動を与える老舗で働けたことは贅沢な人生経験でした。
当時の私は感謝の気持ちをきちんとお伝えできず、今更ながら大変恐縮しております。
私の帽子人生の原点になったことは間違いなく、このご恩は一生忘れることはありません。
最後までお読みくださりありがとうございました😊
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