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父と娘の日々

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認知症が進行していく、憎たらしく愛おしい父との、尊い日々の記録。
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2021年6月の記事一覧

不安を選ばないこころがけ。

不安を選ばないこころがけ。

昨日の夜からウロウロしていた父。

朝は起きてこないな
と思って見に行ってみたら
洋服に着替えていて
出かけると言い張る。

わ!徘徊か!と思い
ドキドキしてきた。

ひとまずごはんを食べるように促して
どこに行こうとしてるのか聞いてみる。

聞かれてるうちに
自分がどこかに行こうとしてることが
おかしいと気づいてくれた父。

間髪入れずにドバッと
ラベンダーの精油を振りかけたら
落ち着いてきて

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街の中にある自然。

街の中にある自然。

そう言えば
ケンチャンはまた2週間ほど留守にしていて
明後日くらいに帰ってくる。

ケンチャンがいない生活は不安もあるけど
そうも言ってられないので慣れてきて
父が寝てるタイミングを見計らって
いつもこっそり散歩に出かける。

まだバレたことはない。

散歩をしながら
写真を撮るのが楽しい。

ポツポツ歩きながらテキトウに撮ってたら
撮りたいものが定まってきた。

おうちばかりの散歩道だけど
ある

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闇に差す光。

闇に差す光。

今日は朝から
めっちゃショッキングな
まさにニュースが飛び込んできて
悶々とした気持ちで過ごしてしまった。

気分転換に
どこかに出かけたかったけど
それも叶わず。
こんな時
足が不自由だった母は
こんな気持ちでもどこへも行けず
ずっと家で耐えていたのかな
と思ったので
全然辛さをわかってあげられてなかったな
おかーちゃん、ごめん
と呟いた。

でも、私は
おかーちゃんと同じようにはならないよ

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当たり前じゃない自由。

当たり前じゃない自由。

弟家族が来てくれたので
帰ってきたケンチャンと
久しぶりにふたりで出かけさせてもらった。

貧乏性なので出かけたついでに
ついついいろんな用事を
済ませようとしてしまうので
今日はそういうことはやめて
ただ気分転換をしに出かけてみた。

かと言って
どこに行ったら良いのか
鎌倉から離れていた期間が長く
全然思い浮かばない。

とりあえず
パンを焼き始めた頃
丹沢に水を汲みに行っていたので
久しぶり

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Happy 鰯 Day。

Happy 鰯 Day。

今日は本当だったら
天然酵母パンカルナーの3周年の日だった。

とりあえず3年、が目標だったカルナーは
2年半で終わってしまったけど
あのまま走り続けてたら
私が病気で倒れていたかも
と思ったりする。

お店だけが理由ではなく
両親のことでもう既に
実家への行き来も頻繁になっていたし。

必死で走っていたから
もう自分の状況とか
見えなくなっていたな、と
振り返ると思う。

なかなか過酷な2年半だ

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幻視と現実、両方楽しむ父。

幻視と現実、両方楽しむ父。

今日は家族のようなお友達が来てくれた。

父もかわいがっている人なので
すっかりリラックスして
ハチャメチャな妄想の話を
会話の中にはさみまくってくる。

お友達も普通に笑って聞いてくれる。

父にとっては
自分をさらけ出せる人がいて
うれしいんだと思う。

これからもそうやって
こころを許せる人が
増えていったらいいなと思う。

今日、介護保険証が届いたので
散歩コースの延長線上にある
母がお世

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みんなが後悔しないために。

みんなが後悔しないために。

長野にいる父の姉のおばちゃんは
とってもやさしい人だ。

父のこと
ケンチャンと私のことまで
いつもいつも気にかけてくれて
おいしいものと共に
やさしさを届けてくれる。

もうずいぶん会ってないけど
電話の声が変わらないし
田舎で自然と共に生活しているし
父よりずっと健康でお元気だけど
もうおばあちゃんなんだろうな。

そんなおばちゃんが
父の顔が見たいと
田舎から会いに来ようと計画を練っている。

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嵐の前のなんとやら。

嵐の前のなんとやら。

なんにもない
静かな日。

ちょっとだけ掃除したら
もう達成感で良い気分。

お昼ごはんを食べたら
眠たくなって
昼寝した。

ケンチャンが水汲みから帰ってきて
バトンタッチで散歩に行って。

夜ごはんを食べて
テレビの映画を観て
あとは寝るだけの一日。

平和な日は
しっかり平和を味わっておこう。

これからやって来るであろう
高波を想定しつつ
休めるときに
しっかり休んでおこう。

なんか、も

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なんだってチャンスととらえてみせる。

なんだってチャンスととらえてみせる。

そう、匂いがしていたんだ。

救急病院から帰ってきて
夜ごはんが食べれたのは
ついさっきの11時。

先に言っておくと
何の異常もなかったんだけど
父が脳梗塞だから病院に行くと言い出して
妄想の中の病院へ2回
(どこにあるのかわからずたどり着けず)
現実の病院へ1回
今日は父とケンチャンと3人で
病院デーになった。

幻視のインド人のお医者さんが
父が脳梗塞だと言いやがったらしいんだけど
一生懸命

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希望的観測。

希望的観測。

昨夜、脳梗塞の心配から
解放された父は
朝からご機嫌。
7時には、朝ごはんを食べる
と起きてきた。

床屋に行きたいと言うので
2週間もお風呂に入ってないのに
床屋さんがかわいそうだ!
と拒否したら
お風呂にも入ってくれた。

そこで力尽き
こんこんと眠り続ける。

私もくたくたで
2回も昼寝した。

ケンチャンも
昼まで起きて来なかった。

昨日みたいな日が
週に一度くらいあるけど
のんびりした

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やっぱりパンパン。

やっぱりパンパン。

前向きに過ごしたいけど
自分の置かれてる状況が見えてきたら
いろいろややこしく
頭が拒否反応。
胸はムカムカしてくる。

実務的なことは本当に苦手。
漂うように生きていたいのに
漂ってもいられなくなってきた。

嫌がってると
疲れてしまうので
とりあえずひとつひとつ
片付けていくしかないんだな。
やることは同じなんだもの。

ある人が
ダメな自分も
そのまんま受け入れたら良いんだよ
と言っているけ

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俯瞰も良いけど、解体もね。

俯瞰も良いけど、解体もね。

頭がパンパンの感覚が
通り過ぎていくと
なんだかスッキリして
行動を始めてみると
意外とややこしくないことが
わかってくる。

もしかしたら
全然ややこしくないかもしれないのに
拒否反応した途端に
嫌悪の感覚が湧き上がってきて
ただでさえ働かない脳の
動きを止めてしまう。

ストレスが
ゴーーッと音を立てるように
からだに満ちていくよう。

本当はそんなにややこしくないのに。

あれもこれも嫌だと

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ピンク色で終わるグラデーション。

ピンク色で終わるグラデーション。

今日は、朝は普通に話せた父が
夜にはすっぽりと
幻視の世界に入っていくという
移り変わりを見た1日。

結局まだ妄想の中で
家が売れちゃったので
出て行かなきゃいけない
と思い込んでいるので
「そしたらみんなで京都に帰れば良いだけだし
お金なんてなくても生きていけるよ!
パパはケンチャンと私が守るから!」
と、もう説明するのはやめて
私流に乗ってみた。

ありがとう、と言って
その後普通に話したの

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幸せな叔母と甥。

幸せな叔母と甥。

今日はケンチャンに
幻視モード100%の父を任せて
父が後見人をしている
東京のおばちゃんに会いに行ってきた。

おばちゃんに会うというか
おばちゃんをお世話してくださっている
ご近所さんに会ってきた。

姉妹でヘルパーさんをされていて
こころからおばちゃんを想ってくれている
本当にありがたい存在だ。

父のことも含め
ゆっくり話ができて
本当に安心させてもらった。

おばちゃんにも
30年ぶりく

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