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なぜ 『白竜の花嫁』は、かくも心を捉えて離さないのか

今回は趣向を変えて、私の一番大好きな小説を紹介します。実はTwitterの方は読書アカなんですが、こちらの作品を布教したくて始めたほどです。
大好きな作品は数あれど、『白竜の花嫁』はずっと心に残って唯一無二な作品。その魅力をご紹介します。

基本情報

白竜の花嫁は一迅社文庫アイリスから発売されている、全7巻からなるシリーズ本です。
許嫁と結婚が決まっていた小国の姫、澄白(すみしろ)が、「神の花嫁」としてドラゴンの生贄となって捧げられるところから始まります。はじめは兄から命令され、ドラゴンを殺すという使命を帯びて花嫁となった澄白ですが、優しく接してくるドラゴンや周囲に、次第に決心が揺らいできてしまうというお話です。澄白とドラゴンのシュトラール様(人化可能)がゆっくりと関係を深めていくというのが、ざっくりしたシリーズの流れです。

そしてそして、こちらの作品、シリアスな骨太展開と美しい世界観にかけては他の追随を許さない永野水貴先生と、美麗すぎるイラストで有名な薄羽カゲロー先生という最強コラボな小説であります。最高!!!!

私の所有している既刊7巻。表紙からして美し過ぎる、並べて飾ると圧巻です。

以下公式サイト↓

魅力1: ヒロイン、澄白のかわいさと強さ

澄白見てください、めちゃ美人さん!!!!彼女は美貌の持ち主ですが、赤い瞳を持つことで虐げられてきました。そのため自己肯定感低め。思い詰めてしまうこともあります。でも一方で薬師としての才能もあり、主張するときはシュトラール様相手でも曲げない強さがあります。
この物語は、二人の絆の物語であると同時に、彼女が自分に自信を持ち、折強く、より美しく変わっていく物語でもあります。

魅力2: 少女小説史上(?)最高スペックヒーロー、シュトラール様降臨!!

シュトラール様は、画像の金髪の男性です…美しすぎるご尊顔、そして最強の竜族の中でも「祝い子」として最強レベルな白竜。いやどれだけ設定盛るの!!???心臓が追いつかない…いいぞもっとやれ!!!!

ただ、シュトラール様、やはりドラゴンというか人外というか、人間のことがわかっておられない。最初は澄白のことを庇護個体として認識していてペットみたいな扱いをしておりました、どんどん澄白に惹かれているのにそれに気づかない。また、人間の常識がないので真顔でグイグイくるし甘いセリフも恥ずかしげもなく言う(真顔で!)。そしてまさかの天然!!この顔でですよ、この冷たい感じの美形がですよ!!??あなや(爆散)!!!新しい扉を開きました、私。

そしてそして、こういう人外の人外らしいところというか、結局通じ合えない、人間とは違う、みたいなのが会話の端々で見受けられるの、個人的にすごく好きです。見た目とかじゃなくて、精神的な分断というか。異類婚姻譚の魅力な気がします。

魅力3: 登場人物から溢れる人間臭さ

ゴリゴリ異世界ファンタジーなこちらですが、キャラクターが強烈に人間臭いのも魅力。
一見優しそうに見えて安定なクズっぷり(褒めてます)な元婚約者(「生き残って美談にするところまで安定💕」)、嫉妬や失望に振り回される、正義感溢れる赤騎士、力を欲し自分以外虫けらみたいに思ってる冷たい美形な癖に、それ以上にやばい弟に振り回され、時折疲れている(?)黒竜。

ファンタジーなのに実際に体感しているかのような錯覚に陥ります

ちなみにこちらが黒竜のサルグ・アーセファ様。冷徹ドS系美形でファンの方多いそうです。

魅力4: 二人の間にある多すぎる障害

種族の違い以外にも、年齢(シュトラール様200歳超えてます)や澄白の出生、竜族の「永久」(運命の番的な)の存在など、二人の間には数々の障壁があります。そしてなんといっても二人とも「ド天然」かつ「恋愛未経験」、進むものも進まない(笑)!!!でもそこがいいんです、二人が少しずつ歩み寄っていく様子が…!!
内容自体はシリアスなんですが、二人のやりとりほのぼの&キュンキュンしちゃいます。

魅力5: 練られまくった設定と世界観

戦国時代の日本のような山城の国、シュトラール様たちが住む浮世離れした古代ギリシャみたいな天空の国、赤騎士の住むヨーロッパのような国、フェッダ族の住む中東風の国。澄白達の住む世界は、様々な文化や人種、竜種が入り乱れています。そこでは国家間の争いや策略ももちろんあります。
そして澄白は、種族の差はもちろん、人間同士でもお互いを理解することの難しさ・その中で自分のアイデンティティーを見つけていくことになります。
異類婚姻譚ものなので、人間vs竜での差を考えてしまいがちですが、国や文化、そして個人の違いでも理解は難しかったり、逆に差を超えて分かり合えることもある。色んなレベル、単位での「相互理解」について考えさせてくれる作品です。個人的には海外滞在するときに勇気をもらえている部分でもあります。(と海外旅行アカとして繋げる)

そして、登場人物の名付けにルールがあることに気づきました。国ごとに違う言語からとってきているそうです、なんてこだわり!!!

メイン登場人物のお名前と語源
4巻以降の登場人物のお名前と語源


続刊と応援方法について

実は白竜の花嫁は未完です。2015年12月の7巻発売以降、編集部との方向性の違いから出せていないようです。ただし、先生にはエンディングの構想が既にあるそうです、出版できていないだけで

よ、読みたい!!!二人の決断を見届けたい!!!!!!
今、シリアス系流行っているし、神の花嫁、異類婚姻譚、人外との恋愛、ドラゴンとかすごく人気だと思います。波来てます!!先生は…時代を先取り過ぎてたの、時代が先生に追いつくまで10年かかっただけ!!!
お願い続刊を出してください!!!!


とのことで、せっせとファンレター書いたり、電書買ったりしてます。私はまだ諦めてません、最終巻読むまで死ねない!!!!世の中に素敵な恋愛小説は数あれど、ずっと忘れられません、ずっとずっと続きを待ち続けてます。アイリスさん、今年中に8巻発売してほしい!!!!

こちらを読んで少しでも興味持ってくれた皆さん、ぜひ本を買ってファンレター書きましょう。紙の本は入手しにくいと思うのでぜひKindleで!!

ちなみに永野先生は『恋した人は、妹の代わりに死んでくれと言った。―妹と結婚した片思い相手がなぜ今さら私のもとに?と思ったら―』という作品も出しておられます。こちらも素敵なのでぜひ、今ならリアルタイムで終えますよ!

終わりに

長文最後までお読みくださり、ありがとうございました。最後にお願いです。ぜひ白竜の花嫁を買って読んでください、世界が変わります。読んでよかったらぜひ布教してください。同志の方いたらお声がけください、語りましょう!
また、こちらに限らず、好きな作家さんいたらとにかく買ってお手紙出してリアルタイムで応援しましょう。後悔する前に!

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