フェミニストってなんだ!

「私はフェミニストだ。」と名乗ることが少なくない。それは自分がフェミニストであることを日々実感しているからでもあり、フェミニズムに守られているからでもある。

そもそもフェミニズムとは何か。一般的には「女性の権利拡大を指示する人」という印象がある。しかし、私はこの定義でいうところのフェミニストではない。
フェミニズムはだれのためにあるべきなのか。これは時代を通じて、常に問われていたことである。

女性の権利拡大というのはすごく大切なことだ。社会が男女を平等に扱うこと(例えば賃金格差の解消、出産育児の支援など)は必要なことであり、フェミニストとしてこれを肯定したい。
しかし、この枠組みだけのフェミニズムは、トランスジェンダー女性の権利を尊重することができるのか。フェミニズムが「女性」と切り取るとき、それは常にマジョリティ女性(白人シスヘテロ女性、日本であれば日本人シスヘテロ女性)とイコールであることが多かった。
フェミニズムとはそうではなく、あらゆる弱者のために開かれた概念である必要があると感じている。家父長制やネオリベラリズムのもとで、弱い立場におかれたものに共感し、救い、生の承認を行うのがフェミニズムである。

入管法改悪案が国会を通り、採決されたわけだが、入管問題とフェミニズムは、実は密接に関わっているのだ。
トランスジェンダー女性の非正規滞在者が入管に収容される際に、トランス女性であうことが理由で、女性用の収容所ではなく、独房に収容された。その独房は「懲罰房」と呼ばれる場所だ。プライバシーすらも守られていない収容所の様子も問題となっている。

そのようなトランス排除的な入管施設の問題だが、このような問題を「問題」として指摘するのもフェミニストであり、クィアだった。

すべての社会問題は連続的なものだ。
個人的な問題ですら、社会・政治の問題である。
フェミニストであることは、だれのことも抑圧しない社会を目指すことと同義である。もしも、女性だけではなく、マイノリティの権利のために動きたい人はフェミニストを自称しよう!


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