22/1/5 《21-22カラバオ杯準決勝1stレグ》 チェルシー vs トッテナム
こんにちは。えつしです。
今回は、21-22カラバオ杯準決勝1stレグ、チェルシー対トッテナムの試合をレビュー。
1. スタメン
・チェルシー
ケパ
アスピリクエタ-リュディガー-サール-アロンソ
サウール-ジョルジーニョ
ツィエク-マウント
ルカク-ハヴァーツ
46’ ハヴァーツ⇄ヴェルナー
73’ マウント⇄コヴァチッチ、サウール⇄ロフタス=チーク
79’ ツィエク⇄プリシッチ
90' アスピリクエタ⇄ヴェイル
チェルシーは、直近のリヴァプール戦からチャロバー、チアゴ・シウバ、カンテ、コヴァチッチ、プリシッチに代えてサール、サウール、ジョルジーニョ、ツィエク、ルカクを起用した〔4-2-2-2〕。
・スパーズ
ロリス
タンガンガ-サンチェス-デイビス
エメルソン-ホイビュア-スキップ-ドハティー
モウラ
ケイン-ソン
46’ ドハティー⇄エンドンベレ
73’ スキップ⇄ウィンクス
79’ ソン⇄ロ・チェルソ、モウラ⇄ヒル
スパーズは、直近のワトフォード戦からダイアー、レギロンに代えてタンガンガ、ドハティーを起用した〔3-4-1-2〕。
2. 1st half
2-1. 間延びするスパーズ。降りるマウント
この試合、お互いにいつもとは違うシステムで試合に臨みました。
チェルシーはツィエクとマウントをトップ下に置いた〔4-2-2-2〕、スパーズはモウラをトップ下に置いた〔3-4-1-2〕。
モウラにジョルジーニョを監視させ、2トップでボールをサイドに誘導し、チェルシーのSBにボールが出てきたところをWBの縦スラで潰したいスパーズでしたが、低い位置でボールを受けたアスピリクエタからフリーのサウールに入っての縦パスや、マウントがCHの脇に降りてきてボールをピックアップしたところからのハヴァーツ、ジョルジーニョらとのコンビネーションで攻めるチェルシーに蹂躙される時間が続きます。
スパーズはWBがSBまで出ていく構造にしており、ジョルジーニョのこともマンマーク気味に抑えていたのでミドルプレスが狙いだったと思いますが、ボランチの押し上げがなく間延びしてサウールを使われ、降りていくマウントへの対応もできずにずるずると下がって押し込まれるように。
早々に決まった4分18秒のチェルシーの先制点は、ハヴァーツに狙いをつけられているにも関わらずロリスを使わずにタンガンガに横パスを出したサンチェスの判断と、アロンソがプレスに来ているのにエメルソンが下がりながら受けられるボールを出せなかったタンガンガのミスから。
早い段階で先制され、プレスもかからずに押し込まれることが多くなったスパーズは17分台という早い段階で〔3-4-1-2〕からいつも通りの〔3-4-2-1〕にシステム変更。
3トップでチェルシーの2ボランチを消す形に。
しかし、システム変更をしても降りるマウントへの対応はできず。
さらにアロンソ→ジョルジーニョという外→内のパスで3トップの後ろを使われることも。先述のアスピリクエタからフリーのサウールを使われていたのと同様、ここもボランチのスキップが勇気を持って潰しにいきたかったところでしたが、ハーフスペースのマウントが気になって出ていけず。
2-2. スパーズとは違うチェルシーの中盤の押し上げ
チェルシーは守備面でもしっかりと整備されていました。
トップ下のマウントがスキップ、サウールがホイビュアをみて、ドハティーにはツィエクが下がって対応し、エメルソンにはアロンソがスライドして出ていく守備でスパーズのビルドアップを阻みます。
スパーズとは違い、ボランチのサウールがしっかりと前に出てホイビュアを潰すことができていましたし、下がって受けようとするモウラにもサールが前に出てアタックすることができていました。
そして、33分49秒にはツィエクのFKからタンガンガのクリアがデイビスに当たってオウンゴールになり、2点目を献上。
このシーンはタンガンガのクリアの軌道を見るとかなり低く見えたので、仮にデイビスに当たっていなかったとしてもあまり良いクリアではなく、もったいない失点だったかなと思います。
3. 2nd half
スパーズは、ハーフタイムにドハティーに代えてエンドンベレを投入。〔4-2-3-1〕に変更し、エンドンベレにジョルジーニョをみさせ、SBにはSHがプレスにいくことでアスピリクエタ→サウールという外→内のパスを出させないように。
システム変更によって上記のパスを消し、下がって受けるマウントがプレーするCH脇のスペースも消しにかかったスパーズでしたが、トップ下のエンドンベレ1人に対してチェルシーのボランチの2人で数的優位を作られている状況は変わらず。アスピリクエタ経由でサウールを使われることは減りましたが、ワントップにしたことで今度はチェルシーのCBが数的優位で余裕を持ってボールを持てるように。
フリーのCBから空いているサウールを使われて前進されるシーンは多々ありました。
さらにルカクがいることによってサイドに流れてアスピリクエタからのシンプルなボールを収めて起点になるという前進の仕方もできるのが今のチェルシーの怖いところ。
後半、前半と比べるとある程度息を吹き返したスパーズでしたが最終的なスコアは2-0、チェルシーに格の違いを見せつけられた試合となりました。
4. 総括、感想
後半、〔4-2-3-1〕に変えた後もサウールを捕まえ切れずにチェルシーの前進を許してしまったスパーズ。
最初のプランとして、CH脇のスペースを空けてまでトップ下にジョルジーニョをマンマーク気味にみさせる形を選択したにしては2トップ、WB共にプレッシングの強度、速さが足りないように見えました。
2-1.で使ったこの図のように、エメルソンの寄せが遅れてアロンソに余裕を与えるとハーフスペースのマウントが気になってスキップがジョルジーニョまで出ていけなくなります。
この過密日程で疲労が溜まっている中、戦い方としてはやや無茶があり、結果的には中途半端に終わってしまったなという感想です。
5. おわりに
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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