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〜右利きの外切りプレス回避〜 21/12/26 《プレミアリーグ21-22 第19節》 トッテナム vs クリスタルパレス レビュー

こんにちは。えつしです。


今回は、プレミアリーグ21-22第19節、トッテナムクリスタルパレスの試合をレビュー。
パレス側がコロナウイルスの影響で延期を要請していて、当日ギリギリまで試合開催の可否がわからなかったこの試合ですが、なんとか開催が決まりました。


1. スタメン

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・スパーズ
ロリス
サンチェス-ダイアー-タンガンガ
エメルソン-スキップ-ホイビュア-レギロン
モウラ-ソン
ケイン

64’ ケイン⇄ベルフワイン
76’ ソン⇄ヒル
79’ ホイビュア⇄エンドンベレ

スパーズは、直近のミッドウィークウェストハム戦からデイビスドハティーベルフワインに代えてタンガンガエメルソンソンを起用した〔3-4-2-1〕

デイビスを休ませてタンガンガを左のCBに起用する形となりました。


・パレス
バトランド
ウォード-アンデルセン-トムキンズ-ミッチェル
ギャラガー-クヤテ-ヒューズ
アイェウ-エドゥアール-ザハ

63’ エドゥアール⇄マテタ
76’ ギャラガー⇄シュラップ
90’ ミッチェル⇄ファーガソン

パレスは、直近のミッドウィークサウサンプトン戦からグエーイに代えてアンデルセンを起用した〔4-3-3〕


2. 振り返り

この試合、パレスは守備時〔4-3-3〕〔4-4-2〕の陣形。
〔4-3-3〕WGが外切りでWBへのパスコースを切りながら左右のCBに寄せ、間でボールを受けようとするスパーズのボランチはIHが出て捕まえる形。

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スパーズホイビュアタンガンガの位置に降ろしてタンガンガを大外に張らせる形にすると右IHのギャラガーが2トップの一角に入って〔4-4-2〕に。


パレス〔4-3-3〕の外切りに対してのスパーズのビルドアップの局面では、タンガンガが右利きであることが活きていました。
タンガンガは内側からパスを受けた際にファーストタッチで右足側にボールを置きます
エドゥアールが二度追いでタンガンガまでプレスにくることもありませんし、ギャラガーホイビュアをマークしているので、タンガンガは右に持ち出すスペースとパスコースが得られることに。
スパーズ31分14秒の1点目と、33分29秒の2点目はどちらもこのタンガンガのところが起点となり、持ち出してギャラガーを引きつけてのホイビュアへのパスや、内側にトラップしてから降りてくるモウラへの縦パスを使ってうまくパレスの外切りプレスを掻い潜ることに成功していました。


一方パレスの保持の場面。
スパーズは、前線3枚で中央を締め、SBにはWBがジャンプ、クヤテと同じ高さまで降りてビルドアップに関わろうとするヒューズにはスキップがしっかりついていく〔5-2-3〕でのミドルプレスと、押し込まれた際には〔5-4-1〕でのリトリート


それに対してパレス右SBのウォードが大外に張らず、低い位置で内側に絞って3バック風味のビルドアップ
右の大外はアイェウ左はミッチェル。右左それぞれ内側はギャラガーとザハといった感じで使うレーンを整理して後ろからパスを繋ごうとします。


しかし、ボランチやWBが遅れずにちゃんと出てくるスパーズのミドルプレスをなかなか掻い潜ることができず、37分にはザハが2枚目のイエローカードで退場となり、2点リードされている状況でさらに数的不利になってしまいます。


そこからは、パレス〔4-4-1〕にしてなんとか守ろうとするも1トップのエドゥアール1枚ではどうしても守りきれないフロントスペースをスパーズの2ボランチに使われ放題。
パレスSHとボランチの間に顔を出してライン間で受けようとするモウラソンスキップホイビュアから縦パスが何度も入り、パレスのSBがそれを警戒して絞ると外に張ったWBに振るロングキック、といった感じでスパーズの2ボランチやダイアーが試合を作っていきます。


そして、押し込んだ状態からサンチェスミッチェルのクリアを回収し、肉体的にも精神的にも疲れたクヤテの押し上げが遅れて空いたスペースにホイビュアサンチェスとのワンツーのような形で受け直して侵入。ワンタッチでライン間のスキップに繋ぎ、そこから大外のモウラへ。モウラのクロスにソンがニアで合わせて73分33秒に3点目を決め、3-0スパーズの勝利で試合終了となりました。


3. 総括、感想

パレスの外切りのプレスに対してタンガンガ右利きであることを活かしたビルドアップで得点し、2点先制からザハのイライラを誘って退場に持ち込み余裕の勝利を手に入れたスパーズ
スカウティングでパレスWGが外切りでプレスにくることを事前にわかった上でデイビスを休ませ、タンガンガを左CBで起用する決断をしたのであれば、それが見事にハマった試合であったと思います。


今までとにかく足元にボールを要求し、味方を助けるランニングなどがほとんどみられなかったモウラにも、幅を取ったWBが相手のSBを釣り出して空いた裏のスペースをランニングでつくシーンなどがみられ、徐々に課題であった前線の動きのバリュエーションも増えてきていることがわかる試合でした。


4. おわりに

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。




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