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【旅note】仕事を辞めて、四国をスーパーカブで一周してみた。

仕事を辞めて、時間ができて、したいこと。
みなさんはありますか?

きっとたくさんあるのだろうけど、なぜか仕事を辞めても色んな焦りや自分で決めたhave toなことに追われ、動き続け、心からのwant が湧き上がってこなかった。

そんな日々が続いて、なぜか無性に「行きたい!」と湧き上がったスーパーカブで四国一周。

世の中、目的志向、何をするにも理由が求められるこの時代に
理由のないやりたい!がどれほど尊いものかと感じた。

年の瀬にもなったので、今更だが今日はそんな四国一周の振り返りをしてみよう。

といっても整った文章ではないけれど、思いついたこと、残しておきたい言葉を記録として。

1日目にして感じた【雪山でカップヌードル理論】

大阪駅からバスに乗り徳島駅へ。
実に関西を出るのは久しぶり。

どんな旅になるのか、鳴門海峡に思いを馳せながら
鳴門のバイク屋さんでスーパーカブを1週間8000円でレンタル。(激安)

バイク屋さんにスーパーカブの乗り方を教えてもらい、近くの小道で練習した。
原付スクーターには乗り慣れていたものの、ギアチェンジのあるカブは少し難しい。

そして1時間の練習の末、ついにカブ旅のスタート!


1日目の目的地は”室戸岬”
距離にして約140 km。


安全の観点から基本的には日が暮れるまでには到着したく、初日にしては長めの距離。とにかく走り続けた。

ただただ走る。

でも何かそれだけで満たされた。心が躍った。

4時間ほど走ったところでコンビニに立ち寄った。
コンビニ一つ出会うのも難しい。

クタクタな中、温かいものが食べたくて結局選んだのは、トップバリューの味噌ラーメン。

おそらく110円。たぶん。

でもそのカップラーメンが恐ろしく、飛んでしまうくらい、美味しく感じた。
110円分の価値を通り越して、「あ〜幸せ。」という独り言が溢れ出た。

これは飲み屋をはしごして満たされ尽くした後に罪悪感を感じながら食べるラーメンよりも幸せ。

雪山でカップヌードル理論

どこかで聞いた言葉なんだが、これが私の豊かさのひとつだと感じだ出来事。
何を食べるか、も大事だけど、どんな状態で食べるかで感じ方は変わるんだと。

登山をして山頂で食べるおにぎりは格別だし、
不便な環境の中、キャンプ場でみんなで作ったカレーは最高。
1日仕事を本気で頑張った後のビールの一口目は幸せすぎて発狂しちゃう。

何でもコンビニで手に入れられる時代だからこそ、

簡単に手に入れられる美味しさや幸せよりも
自分がそこにたどり着くまでの背景やストーリーが濃ければ濃いほど、
私は美味しさを染み渡らせることができるんだと思った一節。

そんなこんなで何とか日が暮れるまでに辿り着いた”室戸岬”。
長く海沿いロードが続くのですが、心がぎゅんとなるほど美しくて
自然と涙が流れたのを覚えている。


驚きと発見を感じる心を育みたい。

次の日の朝。泊まっていた”室戸荘”(これがまためちゃめちゃ渋い宿なのよ..宿の目の前がもう室戸岬。)のおばあちゃんとお話をしていると、少しだけ室戸岬を案内してくれることに。

これはアコウの木と言ってね、木の根っこはこうでね、空海がここの岩でこういうことを考えたと言われててね、ほらほらあの渡鳥見て・・

歴史について、地形・気候について、植物について。
様々なお話をしてくれた。

そしておばあちゃんは一言言った。

ここは田舎だけど退屈だと思ったことは一度もない。
毎日今でも驚きと発見だらけだよ。
プラネタリウムなんて行かなくて良い。
空と海しかないここでは、毎日360度パノラマの星空が広がっているよ。

同じ場所にいても、人それぞれ感じることは違う。

その感性をより磨いていくには、ものごとへの探究心、想像力、多面的な視点などが関わってくるのではないかと感じている。
つまり自分が世界をどう見ているか、という在り方次第で世界はもっと面白いものになるんじゃないかな。

私もたくさんの感動や驚きを感じられる人でありたいと思った。
自分の知らないことがこの世界にはたくさんある。

何十年住んでいて退屈だと思ったことは一度もないと言い切れるおばあちゃんがかっこいい。
私も感性を磨いて、毎日驚きと発見を見つけて世界に感動できたら、
それをきっと豊かだと呼ぶのだと思う。



心が動く瞬間を人生で増やしたい。

高知市からこの日は四国カルストへと向かう日。

四国カルストは愛媛県と高知県の県境、標高1000〜1500mに連なる日本三大カルストで「日本のスイス」「天空への道」とも称されるほどの絶景スポッタだ。

高知市〜四国カルストへ向かう道中は”偶然の絶景”に出会いすぎて何度叫んだことだろう。日本にはこんな素晴らしい景色があるのかと。

そして。

あ〜こういう感情を人生で増やしていきたいんだ、と。
それは日常でも非日常でも。

ただ、この日は少し心配な日でもあった。
Googleマップで検索するとかなりグネグネしている下道。
実際どんな道なのか、本当に行けるものなのか、不安もたくさんあった。

事実、マイナーな道路を通ってしまっていたみたく、小一時間、誰ともどんな車とも遭遇しない山道も走ったりしていた。

心が動く瞬間。
これについては私の大切なテーマなので、もっと分解して考えていきたいと思うのですが、この旅では

①自分の感性を磨く(上で書いた驚きや発見を感じる心)
②ちょっとした挑戦(やったことない、行ったことないをそんな不安の先にあるもの)

の上に”心が動く”という瞬間が訪れるのではないかと感じた。


人生の時間は決まっている。

なんか当たり前のような、よく分からないような題になってしまった。

高知県の四万十町のゲストハウスで出会ったおっちゃんが言っていた話。
このおっちゃんとはなぜが凄く不思議な出会いをしていて。

実はこの宿に泊まるその日、四国カルストの頂上で出会い、話していた。
お互い1人ライダーだったこともあり、私が頂上で写真を撮っていたところ、「君、50ccで登ってきたの??」と声をかけられた。

他愛もない会話をした後、お互い真反対の道を行き、山を下ってていったのだが、何とそれは同じ宿に向かっていたという。

人生ってたま〜に不思議なことが起こりますよね。
シンクロニシティ(偶然の一致)というか、何かスピリチュアル的なサインのような。

そんな偶然の再会を果たしたおっちゃんと私。その夜はゲストハウスのオーナーさんとこたつに入りながらぬくぬく晩酌をした。

そこで関東から仕事の合間に1人ツーリング旅に来ていたというおっちゃん。
尾道で買ってきたらしいクラフトジンを飲みながら色々語っていた。

その中でも印象に残っているのは、「時間の有限性」について。

そのおっちゃんは生まれてきた瞬間を100と捉えていて、死ぬ瞬間は0。死ぬ瞬間は既に決まっていて、人生の時間はそこに向けて、どんどんマイナスになっているという考えだった。

時間って20代の私からすると、まだまだ無限にあるように錯覚してしまうことがあるし、未来を想像するとプラスに積み上げていく感覚を持ってしまう。

残酷ながらも刻一刻と残された時間は減っていっている。
人生は”死”への帰り道。

このリミットを意識するか、しないか、その捉え方一つで時間の過ごし方が変わるような気がした。そんなエッセンスをいただいた一夜だった。


やっぱり日本はすごいと思う。

https://twitter.com/s_milage210/status/1587378360363421696

めちゃめちゃ小学生の感想的な文章で恐縮すぎるが、肌で実感した。
地味に関西圏外をゆっくり旅することは大学卒業以来減ってしまい、
四国に関しては香川を除くと小学生以来。

四国ってすごく人気な観光地ではないけど、
それでも全ての県に魅力がありすぎて、日本のポテンシャルすごくない?と思った。やっぱり日本は美しい国だと思う。

高知県の四万十川の清流や仁淀川、愛媛のゆうやけこやけライン沿いの青い海、愛媛の石鎚山に香川の三豊市あたり、徳島の鳴門大橋などなど。
観光地ではなくとも美しい情景が今でも鮮明に思い浮かぶ。

もっと日本の魅力を伝えられる人でありたいと思ったし、知っていきたいと思った。

日本の未来が明るくない雰囲気があるからこそ、もっと日本に対して(日本の幸福度のような部分)、役に立てることがしたいと思えた。


1人旅をすると自分の色んな本音が出てくる。

https://twitter.com/s_milage210/status/1587384516254932993


一人旅をするともれなく自分の色んな心情と向き合うことになる。
特にカブ旅なんてそうでしかない。

移動中にスマホは触れない。音楽は聞けない。

移り変わる景色の中に自分の身を置いて、ひたすらに道を走る。
どんな感情・邪念が湧き上がってくるのだろう。


旅前半はワクワクが勝っていた。久々の高揚感に解放感。
だが旅が後半になるにつれ、様々な不安・焦りが湧き上がってきたのも事実。

周りのみんなは頑張って働いている、自分だけこんな旅をしていていいのか。思う存分今を感じれなくなった瞬間もあった。

でもそれが答えなんだと思う。

今はゆっくりしたい、のではなく、進みたい。
そんな気持ちの方が大きいのだと。

そんな本音を旅は教えてくれる。


旅は自分ごとを増やす。自分ごとを増やすことで世界との距離が近くなる感覚。


やっぱり実際に足を運ぶ、ということをこれからも大切にしていきたいと思った。

オンラインでデジタルに何でも見れてしまうのと、自分の身体で、自分の五感を使って経験することは千差万別だと思う。

今回の旅では四国という土地を踏み締め、自分の感性をフル活用させることで、世界と繋がれる感覚があった。

実際に経験することで視野が広がり、その中で自分が好き!楽しい!愛着が湧く!などのシンプルな原動を感じるもに対して、もっと深めたい!この背景は?という興味・探求に変わり、自分ごとが増えていくのではないかと思う。

自分ごとの世界が広がっていくことで、弾む会話も出会う人も幅が広がると思う。そして、距離は離れていても想いを馳せることができるものが多いと、世界はぎゅっと身近になる。

自分ごとが増えると世界はちょっと良い方向へ向かっていく気がしている。


最後に。やっぱり旅路を大切にしたい。創る側でいたい。

今回の四国旅を通して改めて、”旅路”を大切にしたいと感じた。
どこに行くかも大事だけど、道中にどういう経験をするか。どういう感情に出会うか。

そもそもどこか”物理的に遠いところへ行く”ことを旅と切り分けるのではなく、人生を一つの旅と捉えて、生きていきたい。


どこか遠くに行く旅を”現実逃避””非日常”としてしまうのではなく、
今休んでいる期間も、どうしようか模索している期間も、毎日の日常での出来事も、全て大きな人生という中での大切な旅路。
全ては繋がっているし、無駄なことは一つもないと思う。

それは誰かが決めた道、世の中で良いとされていることではなく、
自分が感じながら、模索しながら、進みながら、創っていくしかない。
というか創っていく側になりたいと強く感じた。

そんな自分の感性に敏感になった先に出会ったもので創られる旅路は、きっとより自分らしくなっていくと信じて。

一人旅は、世界と自分、自分と自分とのコミュニケーションツールとなる。
また人生の節目にはこうやって1人でどこかへ行ってみよう。

番外編

本当にまとまっていない気づきを長々を書いただけのものになってしまったので、旅の情報をちょこっと書いてみる。

●ざっくりすぎる旅費(5泊6日) 計:48,600円
想像以上に安く一周できました。スーパーカブ燃費良すぎぃぃ。

■交通系 18,600円
・バス代(大阪⇄徳島)2,100円✖︎2 4,200円
・ガソリン代  約3,000円
・スーパーカブレンタル代(ヘルメット・前後カゴ・スマホスタンド・レインコート・保険込み)約11,400円
■宿泊費 約17,000円
※計5泊。ゲストハウス・民宿メイン。
■食費 約8,000円
※全国旅行支援割で計7,000円分のクーポンGET。全て食事へベットしたので結構好きなものたくさん食べました。ひろめ市場で1人飲み、高松で知人と飲んだりも幸でした。
■その他・雑費 約5,000円
※お土産や携帯の充電器が壊れたなどの雑費。

●バイク屋
・BB徳島鳴門店
(本当に激安すぎた。。少しアクセスは悪いけど交通公共機関で行けます。おっちゃんもカブの乗り方教えてくれて、四国一周の方もよく来られるみたい。)

●宿
・民宿 室戸荘
(テレビ・ソファ付き広々個室が3000円でした笑。室戸岬の目の前でお遍路さんの方達もたくさん。)

・かつおゲストハウス
(割とゲストハウス界の中でも有名な宿だと認識してます。とにかく女将さんのコミュニケーションと内装のデザイン・清潔さが素敵でした!)

・かっぱバックパッカーズ
(今まで泊まったゲストハウスの中でも本当に良かった!縁側やこたつ、内装のデザインも可愛いし、目の前を電車が通ったり四万十川の清流がとても素晴らしかったり。少し行きにくい場所にはありますがもう一度行きたい。)

・シナモンゲストハウス道後
(めちゃめちゃ内装がこだわっていてワクワクする空間。女子ドミも1階もめちゃ可愛かった〜。オーナーさんもめちゃ話しやすく快適空間でした。道後温泉徒歩2分で立地最高。)

・ゲストハウス琴平
(琴平・三豊あたりは宿少なしです。数十カ国旅した&百名山の制覇に挑戦中のオーナーさんのお話が聞けます!笑 レモングラスいただいたり旅話さり楽しかった。)

・TEN to SEN
(泊まってきたどのゲストハウスより一番快適なドミトリーだった。個室のようなドミトリーで、1ベットにつきちゃんと化粧台があるって本当分かってます。笑 好立地・清潔で2000円台は破格。)

●食べ物写真

キンメ丼
オーナーさんが出してくれた四万十の椎茸南蛮
人生一の椎茸やった。
鰹のたたき食べないスタイル
骨付鳥
釜バター発祥
カルストの中で食べる乳は最高
道後の鯛めし

他にも結構食べたけど、こんなところで!!

長々と読んでくださった方はありがとうございました。

それでは今年も1年楽しんでいきましょう!
どうぞよろしくお願いいたします。




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