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SNS時代のクリエイターに求められるもの

「100日後に死ぬワニ」がついに100日目を迎え、完結した。

私も昨日は19:00にスマホできくちゆうき先生のアカウントを見て、まだかまだかと待ち構えていたうちの1人だった。

結末については「ああ、やっぱりワニくん死んでしまったか...(泣)」という、ありきたりな感想(感傷?)を抱いたにすぎなかったが、最終話がアップされるとほぼ同じタイミングで有名アーティストとのコラボ動画がYoutubeで配信され、グッズのカタログがタイムラインに流れてきて驚いてしまった。他の人の投稿を見ると、すでにUFOキャッチャーの景品にもなっているらしい。

個人的にはこの数ヶ月楽しませてもらったし、これだけの人の心を動かす作品を生み出したクリエイターさんにはじゃんじゃん稼いでもらいたいと思っているのだけど、さすがに「いくらなんでも段取りが良すぎるのでは?」とも思った。なんか、そのスピード感に気持ちがついていけなかったからだ。

そんな感じでモヤモヤしていたところ、タイムリーに自分が感じたものをうまく言語化してくれるnoteを読んだ。書いたのは、現在「左ききのエレン」がブレーク中の漫画家、かっぴーだ。

一読して、唸った。「さすがだな」と。これはぜひ読んでいただきたい。

ところで、このnoteの中でかっぴーは

もう今時、書籍化の話は「一回バズったら、その日の午後にメールが来る」くらいのスピード感で、とにかく速攻で出したがります。

という話をしているが、何を隠そう私もそのようなメールを送ったうちの1人だった。なので、このくだりを読みながら苦笑いしてしまった。

詳しい話は割愛するけれども、かっぴーが最初に描いた漫画がSNSでバズりまくって、それを見た私がすぐさま声をかけて誕生したのが「SNSポリス」というギャグ漫画だった。その時、初対面でかっぴーと小一時間ほど話をして自分が強く感じたことを今でもよく覚えている。

「この人はSNSを死ぬほど理解しているな」と。

普通であれば、バズったことに浮かれていてちょっと天狗になっていてもおかしくないと思うのだけど、彼は違っていた。ざっくり言うと「絶対に消費されないぞ」という強い意思のようなものを感じ取った。

とくに彼の発言の端々から強く感じたのは、次を仕掛ける「タイミング」へのこだわりだった。おそらく、多くのクリエイターはものづくりそのものにはこだわるけれども、自分の作品をどのタイミングでどうマネタイズすべきかまでは考えない。だけど、彼は最初からそれを考えていた。自分なりの仮説をもって。

なぜ彼がそれほどまでにタイミングにこだわり続けていたのか、今回のnoteを読んでようやく完全に理解できた気がした。

SNSは「応援」を集める媒体であり集金マシンではない

SNSでフォロワーが増えたり、コンテンツがバズって有名になったりすると、本当にいろんな方面からいろんな「おいしい話」が舞い込んでくる。これ自体、非常に喜ばしいことだと思う。

ただ、一方でせっかく良いコンテンツを発信していても、それが一瞬で消費されてしまい一過性のブームに終わってしまうケースも少なくない。というか、それがSNSの怖さだと思う。とにかくSNSはコンテンツの消費されるスピードが速い

このデメリットをうまく回避して長く愛されるクリエイターとして生き残っていくには、かっぴーがnoteに書いていた「応援したい欲」を溜めることを自分自身でコントロールすることが鍵になると思う。

ちなみに私はよく「コップに水を貯めて溢れた分だけいただく」というような言い方をしているが、主旨は同じだ。

誰かから依頼された「お仕事」であれば、仕事をする→お金をいただくというフローを高速で回していくべきだが、SNSでコンテンツをマネタイズするのは、無償奉仕する→無償奉仕する→無償奉仕する→ああもうこれ以上タダ働きしたら食っていけない...というタイミングでご支援をいただく、くらいのスパンが一番大きな支援が得られやすい。

SNSの世界では「波に乗る」ことが重要だと言われるけれども、そこからのマネタイズについては「少し波に乗り遅れる」くらいの”鈍臭さ”があったほうが良いではないかと思う。

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