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失敗しない地方移住のコツ

Xを見ているとこんな記事が流れてきた。

地方移住してカフェを開いたら、地元の人たちに散々disられた挙句、高齢者たちが朝から晩まで入り浸って当初狙っていた客層に敬遠されるお店になってしまったという話だ。

これは極端な例かもしれないが、これに類するような地方移住失敗の話はたびたび耳にする。私も那須に本拠を移す前は、こういった話を見聞きしては戦々恐々としていた。

しかし実際に移住をしてみると、運が良かったこともあるが、非常に快適に、少なくとも移住前よりは幸福度の高い暮らしができている。そんな私が感じた、移住を成功させるポイントについてまとめてみたい。

①いきなり高齢者しかいない地域に移住しない

田舎暮らし系YouTuberやブロガーさんがトラブった事例を見ると、たいていが都会からいきなり高齢者しかいない限界集落の一軒家に移住している。もちろんそのほうが「映える」のはわかる。都会暮らしとのコントラストが強いので、見るものすべてが新鮮に映り、最初は楽しめるかもしれない。

しかし、高齢者しかいない地域には、彼らが守り続けてきた不文律が必ずある。「自治会に入って、定期的に活動に参加する」「祭りには必ず参加、できない場合は寄付金を払う」「屋外ではブルーシートを使わない」など、明文化はされていないものの、その街に暮らすための「掟」がある。

厄介なのは、そういった掟も地域の人間関係も、法律のようにはっきりと明文化されているわけではないというところだ。地域コミュニティに馴染んで初めてわかることも多いので、その過程において致命的な「地雷」を踏んでしまう場合も少なくない。

ちなみに私は東京から栃木に移住しているが、仕事の関係もあり、最初はまず県庁所在地の宇都宮市に住み、そこで栃木県での暮らしを体験してから那須に移住した。宇都宮と那須とでは街の規模も産業も暮らし方も全然違うのだけど、それでも東京のど真ん中からいきなり那須に家を建てるよりは、ずっとリスクが低かったと思う。

都会にしか住んだことがない人の場合、そもそも地方での暮らしに適応できるかどうかも未知数なので、いったん県庁所在地とか、ある程度の規模の地方都市に住んで土地勘を養ってから本格移住を検討することをお勧めしたい。

ちなみに、県庁所在地を一回噛ませるもう1つのメリットは、田舎に移り住んで「どこから来たのか」と尋ねられた時に県内の別の場所を挙げられるという利点がある。私も那須に来てからは、地元の人には「宇都宮から来た」と言い、移住者には「東京で働いている」と言っている。那須は東京からアクセスが良く移住者も旅行者も多いので東京に対するアレルギーを持っている人はそれほどいないのだが、それでも同じ県内から来たと言ったほうが安心感があるのだろう。反応が全然違うと感じる。

②いきなり移住先で職を探さない(開業しない)

さきほどのカフェ開業が良い例だが、地方移住に失敗する人の多くが、転居とほぼ同時に仕事を変えている。引っ越すだけでもリスクが大きいのに、そこに転職のリスクも加わると、単純に考えても失敗の可能性は2倍になる。

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