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代替肉を巡る特許の争い -その3

表題について前回記事化をしてから半年以上経過してしまったのですが、ヨーロッパではImpossible Foods社の特許が異議申立により取り消されてしまい、そのことについてImpossible Foods社が審判を請求しているので、その審判の帰趨について今回少し追ってみました。

ヨーロッパで争われている特許はこちらとなります。

https://patents.google.com/patent/EP2943072B1/en?oq=EP2943072B1

EPOのEuropean Patent Registerで帰趨を確認したところ、特許権者であるImpossible Foods社はメインリクエストの他、Auxiliary Requestとして5つのクレームセットを申請しており、なんとしても権利を維持したいという態度が見て取れます(ヨーロッパの特許異議申し立てでは、いくつかのクレーム補正案をセットとして出し、口頭審理の中で、妥協点となる補正案があるか否か、議論をしていく流れとなります。場合によっては、口頭審理の中で、その場でクレーム案を書き直すことなどもあり、なかなか緊迫した場面となることもあります)。

一方異議申立人側も、かなりボリュームのある反論書を提出しており、その中ではクレーム内の用語についての解釈についてや、Impossible Foods社が今回提出してきたクレームセットについて、反論がされている模様です。

ヨーロッパの特許に関する審判は時間がかかるため、今後も時々動きがないか、ウオッチングしていきたいと考えています。

次回は、フードテック&IPネタとして、培養魚、コーヒー等、以前特許出願状況を見いだせなかった分野について、特許出願の公開がないかなど、続編を書きたいと考えております。


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