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頑張っているあなたが好き

「頑張っているあなたが好き」

じゃぁ、頑張っていない私は好きじゃないの?
頑張ることが難しい今、もっと私は頑張らないといけないの?
そもそも、何をもって頑張っているといえるの?

***

最近夫とプチ喧嘩をした。

そもそもの発端は、私がこれからの近い将来仕事をどうするかについて話したとき。

夫曰く、「子供がいない間は仕事はできればやってほしいと思う。体調がもっと良くなって、Etoile自身が「社会復帰ができるな」と思ってからは、どういうかたちでも良いから働いてほしいなって勝手ながら思うんだよね。俺は、何かを頑張っているEtoileが好きだと思っているし、尊敬しているから。」

この会話の時は、「そうだよな。うんうん。」と聞いていた私だったが、その夜ふと一人になった時に、彼の言葉が自分の心にひっかかっていることに気が付いた。本当にいつも私はその時でなく、かなりの時間が経ってから、自分の感情に気が付くタイプなのだ。

今だって、私は頑張っている。
まだ社会復帰はできていないけれど、社会復帰に向けて新しい環境(リワークプログラム)で自分自身と闘っているし、体力を向上させるために運動に励んでみたり、家事をできるときはやってみたり、ペースは遅いかもしれないけれど、自分なりにゆっくりゆっくり頑張っている(つもり)。

そもそも、頑張るって何なのか。
私は今働くことができていない。社会復帰ができていない。この状況だと、頑張っていないということなのか。夫にとって、今の私は "頑張っていない人" として映っているのであろうか。

そんなことをぐるぐると考えるうちに、なんだかモヤモヤして、夫に自分の思いを打ち明けた。

すると彼は、「プレッシャーを与えてしまったのであればごめん。うまく伝えられなかったかもしれないけれど、物事をなあなあにするのではなく、何かに一生懸命なEtoileが俺は好きで、体調が良くなってからで良いから何かにまた打ち込むEtoileでいてほしいなって。俺もその姿に鼓舞されるんだよ。」と。

病気になる前、私は朝から晩まで仕事に励み、土日も仕事関連の勉強をし、お風呂に入ってまで本を読む、いわば向上心の高い方の人間だったと思う。(向上心はもちろんあったけれど、「やらないといけない」と自分で自分の首を絞めていた部分が大きいと思う節はある。)

そんなことを言われたら、以前のように必死になれない今の私を、夫は好きではないってことなのであろうか。

「頑張らないといけないなんて、大人って大変だ。
頑張らないと愛してもらえないなんて、それだったら赤ちゃんになりたい。赤ちゃんだったら、息をして、泣いて、喚いて、ご飯を食べているだけで、愛してもらえるのだから。」

私の口から発せられた小さい子の屁理屈のような言葉を聞いた夫はすかさず、「赤ちゃんだってストレスがたまるよ。だって右にどうしても行きたいと思っても、喋ることができないから、左に連れていかれることがあるんだから。」

「うぅ、たしかに。」と私。

分かっている。彼は決して「今すぐ働け。」と言っているわけではない。
体調がもっと良くなって、社会に戻れる自信がついた時、どういうかたちでも良いから仕事というものを持ってほしいということだと思う。仕事だって、別にお金を稼がなくともよいと思っているとのこと。できれば稼いで少しでも家計の足しにしてほしいというのが正直なところだと思うけれど、でも論点はそこでなく、私に "何か" 力を注げるものを持っていてほしいということだろう。

よくよく考えてみたら、まだ20代の夫。彼自信、自分のキャリアも今いろいろと考えている最中なのに、「大変だ」とか「辛い」だとか嘆くことなく、私が元気になることをゆっくりじっくり待ってくれている。それには本当に感謝しているし、夫が言いたいことも心が痛いほどよく分かる。私が夫の立場であっても、夫に対して同じような思いを抱くのだろうなとも思う。

でも、頑張るって難しい。
頑張りすぎて心の病気になるということを経験してしまった今、頑張ることにかなりセンシティブになっていて、頑張ることが怖いと思ってしまっているのかもしれない。

自分自身が今、頑張っている状態なのか否か。もっと頑張れる状態なのか否かって計ることが苦手だ。

ポケモンのHPのように、自分があとどのくらいでひんし状態になるかが目でみて分かれば良いのだけれど、そうもいかないのが人間の難しいところだ。

HPが無理なのであれば、口内炎って痛いけれど、身体や心が休まないといけなくなったら必ず口内炎ができるみたいな体のつくりになれば一層楽なのかもしれない(と、口内炎の痛みに苦しんでいる今思ったりもする。)

病気になってから今までは、頑張らないことを頑張ってきた。
けれども、頑張らないことを頑張っていると、頑張ることが怖くなり、頑張ることへの耐性がに鈍くなり、「頑張る」という言葉に敏感になり、頑張らない人になってしまう気もしないでもない。

「頑張っているあなたが好き。」

夫のことの一言から、自分について考えさせられている今日この頃。

そして、私たち夫婦について、「仲が良くて羨ましいです!」というコメント等々いただいて大変嬉しい限りですが、「もちろん喧嘩もたっくさんしています。」というご報告でした(笑)

***


私の適応障害発症ストーリーについてはこちらもお読みいただけると光栄です!ほぼ実話を描いた作品になっています。


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