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もっと休みやすい社会になってほしい、切実に

先日、夫が、「会社の上司が急に体調が悪くなったらしく仕事を数日休んでいる」という話をしてくれました。よくよく聞いてみると、メンタル的な問題が見られていて、医療機関でドクターストップが出たらしく、「一旦働くことをやめてください」と言われたようです。

心配そうに話す夫を横目に、私まで心配になってきてしまっていました。

その上司は、仕事がいわゆる“できる人”らしく、かなり忙しく長い間働いていて、夫からみてもいつも忙しそうで、「最近は特に大変そうだと思っていた」とのこと。

ただ、1週間ほど休んでみて、結局その上司は在宅勤務で仕事を再開することになったようです。

このことを聞いて、何だか居た堪れない気持ちになってしまった私。その上司のことを私は知りません。それでも、なんだか「本当に働いて良い状態なのか?」と心配になってしまったのです。

きっと医師と相談をしたうえの判断だろうから、心配をしなくとも良いはずです。そもそも、私が心配をしたところでしょうがないということも分かっています。

どういった症状でその上司がドクターストップが出たのかはわかりませんが、自分が経験をしているからゆえだと思うのですが、「一度ゆっくり休んでみることが良いのではないか」とどうしても思ってしまったのです。

そして、自分自身が休職をしたときのことを振り返っていました。

私が急遽休むことになった時、「周りに迷惑をかけるな」と思い、申し訳ないという気持ちがかなり強かったです。自責の念が表れてしまうのですよね。あとは、私が仕事を抜けることで、その穴を誰が埋めるのか、私が在籍していた部署が回るのかという心配までしていました。

しかし、実際は、現状その部署は廃部になっていないですし、私がやっていた仕事は他の誰かがフォローをするかたちで仕事は回っていくのです。それでも、休職当時は本当に、「私がいないと周りも潰れてしまう」とまで思っていました(どれだけ自分の力が会社に影響を及ぼしていると思っていたのかと、今では恥ずかしく思ってしまいます)。

あとは、それまで忙しく日々働くことが普通だと思っていたので、休むだなんてあり得ない!と思ってさえいました。

休職を経験していない人の感覚は、そんなものなのです。

でも、実際、体調が悪くなってからも仕事を休むに休めなくて体調が悪化してしまった人を私は何人も知っています。真面目さゆえ、誠実さゆえ、責任感ゆえ、自分の健康をさらに害してしまって、メンタルの問題が悪化してしまうことだってあります。メンタル疾患って、疾患になるのはわりと早いのですが、なかなか治りにくい病気だと私は思っています。

だから、声を大にして言いたい、
「休んでください」と。

「働きたい!」と心からポジティブに思うのであれば、それは働いた方が精神的にも良いのかもしれませんが、「休んだら周りに迷惑をかける」「仕事をしないなんて人としてあり得ない」など、「働かないといけない」と思っているのであれば、迷わず休んでほしいです。

私の場合、最初に家族から「一旦今日明日は仕事を休むよう会社に連絡をして!」と言われ、そのようにしました。休むという連絡をした時、微熱や倦怠感があったにも関わらず、「ゆっくり休もう」という感じ方ではなく、「すみません」という気持ちでいっぱいでした。そう伝えた際に、上司が私の表情から何かを読み取ったのか、「1ヶ月くらいは休んで」と即座に言ってくれました。

通常であれば、病院から診断書が出ないと長期間休むことはできないのですが(私の会社も制度上はそうでした)、直属の上司が仕事のストップを命じてくれたのです。その時の判断と対応には今でも感謝しています。周囲の強制終了がなければ、その時の私は辛いながらも自分を大切にせず、働き続けていたはずです。診断書がないものだから、おかげで会社の人事部の人たちを困らせたと思うのですが、それは「すみません」の思いで十分なのかもしれません。

もしあなたの周りに辛そうな人がいたら、少し休むように言ってあげてください。危険そうだと思ったら、強めに言って、それでも本人が聞かないようであれば医療機関に行くように薦めてあげたり、病院に連れて行ってあげて下さい。

周りの人が少しでも当人を助けてあげてほしいな、救ってあげてほしいな、と思うのです。

もっと簡単に休める社会になってほしい。
心底そう思う今日この頃です。


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