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結婚しても幸せになれない、と考えてしまう真冬の帰り道〜MajiでKonkatsu始める5秒前〜

こんにちは、エトミカです。

2024年、元旦。
目覚めとともに私は、スマホでフォームに自分の名前や住所を淡々と入力していた。
結婚相談所だ。
2024年1月1日はなんだかよくわからないけれど、すごく縁起のいい日だと聞いていた。少し前からチェックしていたその相談所は、年末年始にキャンペーンもやっていた。始めるなら今しかない。今日しかない。そう思って、この日を待ち望んでいた。そして目が覚めた瞬間に布団の中で入会手続きを進めていた。

2024年は年明け早々とても不穏な空気であった。本当に縁起のいい日なのだろうか、なんの被害も受けていない私が何を言っても意味がないと思うのだが、震災の被害、飛行機の事故、さまざまな映像や碌でもないXの投稿を見ていると胸が痛く、神様なんていないんだと現実を突きつけられる。
こんなことを言ったら本当に申し訳ないが、朝イチ目が覚めた時に入会をしておいて良かったのかもしれない。1日は長い、朝食を食べてからにしよう、親戚が帰ってからにしよう、と後回しにしていたら、状況が一変し過ぎていて入会を躊躇っていたかもしれないと思ったからだ。

しかし今、本当に結婚相談所でいいのか、まだ迷いがある。
否、本当に結婚がしたいのか、迷いがあるのだ。

そもそも、結婚へのこだわりはそこまで強くはない。ただ、なぜ私が結婚したいと思っているのかというと、やっぱり孤独なのだ。今までの恋愛を考えてみても、あっさりと淡白なものしか記憶にない。その時々に流れて通り過ぎる恋人がいればそれでも満足なのかもしれないが、ここ数年そもそもいっときの恋人を作ることすらなんだか難しいと思っていた。年齢を考えても、もう直ぐ34になってしまう。おそらく周りからは、一人が好きなんだと思われていたと思うし、仕事が好きだと思われていた。だからあの子は結婚しないし、彼氏がいなくても大丈夫、そんなところだろう。でも実際は違う、私はだいぶ寂しい。違う、違うんだ、と叫び散らす代わりに私は仕事を辞めた。あの仕事をしていたら、きっと一生孤独に仕事をしてしまうからだ。

生活を変えたかった。
ほどほどに仕事をこなしつつ、幸せな家庭があって孤独を感じずに生きてみたかった。そんな自分を満たせればいいけれど、「本当は私という女はこういう生活をしたかったんです」というのを今まで私にレッテルを貼ってきた人に見せつけたいとも思った。だから、ちゃんと結婚して【ご報告】とやらをやってやりたいと思った。

こう書いてしまうととても卑屈に感じるかもしれないが、こんな私も他人と同じように家庭や結婚への強い憧れがあるということだ。

一方で転職活動をしていくと、もっとやりたい事、次の再就職では叶わなかった自分の野望みたいなものにも直面してしまう。神様は意地悪だ。私が一生懸命目を背けてこの方向でいいと自分に思い込ませたいのに、たくさんの後悔と余計な選択肢を目の前にぶら下げてくる。本当に厄介だ。結婚なんて考えなければ今すぐ別の選択肢を選ぶのかもしれない。出産なんて考えなければ、今の会社でも順調にキャリアを積み重ねられるのかもしれない。逆に結婚・出産なんてしてしまったら、目の前の生活にいっぱいになってキャリアなんて二の次になるのかもしれない。それはそれ以上の幸せが家庭にあるということかもしれないけれど….。

こうやって起きてもいないこと、計画もないことに一喜一憂して今自分は何がしたいのかよくわからなくなっている。やりたいことがあるならば今直ぐやればいいのに、やらないということはたいしてやりたいことでもないのだから、どの結果になってもきっと私はなんとなく幸せでなんとなく不幸な日々を積み重ねるんだろう、そんなふうに思うけれど、それでも最良の選択肢を選ばなければと焦りを感じている。

いや、だからこそ婚活を頑張らなければ!
モヤモヤに襲われると最終的にこの結論になる。結婚はいつでもできるけれど、子供は別だ。タイムリミットも迫りつつあるし、欲しいと思ったからできるものでもない。今結婚に向けて頑張らなければ、40を迎えた時に取り返しのつかないほど後悔をするだろう。この一年は婚活を頑張るんだ。頭に浮かぶ取り留めのないことを振り切って、2024年の元旦を迎え、相談所に登録をした。

えぇ、えぇ。前置きが長くなりましたが、ここからが本題②なんだ、お付き合い頂きたい。

相談所を始める前に、私はマッチングアプリを始めていた。
年末に出会ったから、年末さん(37歳・仮名)と名付けよう。

年末さんとは、アプリのチャットで数回やり取りをしたが、何かすごく盛り上がるという感じもなく、やり取りしている人の中では一番連絡が遅い感じがしていた。だから私もそこまでプレッシャーなく、気が向いたら返信するぐらいの感じて1週間ほどやり取りをしていた。そんな温度感が高くなさそうな年末さんから、ある日突然「お茶しましょう」と連絡をもらい、トントン拍子で会うことになった。

初めて会った日は、なんだか緊張していそうな面持ちで、慣れていなさそうな感じがした。それでも会話を始めると、興味を持っていることや感覚が近く会話は続いた。実はこの数日前も別の方とマッチングアプリで出会いご飯に行ったのだけれども、たいして仲良くなってもいないのに結婚観だったり理想の男性は?みたいなことばかり聞かれて、なんだか楽しく無いアポを体験していた私は、婚活とは一見無縁の話題で会話ができて少しホッとしていた。
喫茶店で1杯のコーヒーを飲み、正確には1杯のココアを飲み、解散した。

しかしなぜかここから、年末さんは着火した。
別れてから数時間のうちに、写真付きのLINEが届いた。会った時は多少の緊張感が残りあまり好感触ではなかっただけに、純粋に嬉しかった。そのままお互い帰省し、その間もテンポ良くLINEは続き年が明けてから飲みに行き、とんとん拍子で3回目も会うことになった。
2週間足らずの出来事である。

なぁ〜んだ、上手くいく時は本当にトントン拍子じゃぁ〜ん!

そんなふうにお気楽に考えられたら、そんな脳みそを持って生まれていたら幸せになれたかもしれない。
いや、一瞬はそう思ったのだ。

思ったのだけど…..

あれ、この人でいいんだっけ?

ちゃんと仕事をしているし、でも好奇心も旺盛で一緒にいて飽きないタイプの人だと思う。

でも、あれ、この人でいいんだっけ?

そうなんだよ、私は1月1日に結構相談所に入会して、まだこれから本格的な婚活を始めようとしているんだよ。

でも、じゃあ、あれ、この人でいいんだっけ?




「ごめん、今日はもう帰っていい?」
3回目のデートで、会って1時間も経たないうちに、私はそんなことを言って家に帰った。いや、正確には一人で神社に行った。神に願うでもしなければ、心が落ち着かなかったのかもしれない。


これは、いわゆるアレなのか。「もっといい人がいるかも!」というアレなのだろうか。

確かにそれもある。これから本格的に婚活を始めたら、もっと背が高くて、もっと年収が高くて、もっと優しい人に出会えるかもしれない。


でも違う、私は確実に結婚から逃げているのである。

否、平凡な結婚から逃げているのである。


仕事で理想の自己実現ができていない今、その欲求の矛先は完全に結婚に向いてしまった。結婚に対して、「興奮」と「情熱」と「愛情」と「感動」と…そんなものを求めてしまっている。
平凡な家庭を築いても、それが幸せに思えない気がしている。

「結婚しても幸せになれる気がしない」
結婚しないという人生も、適当に結婚するという人生も、どちらも選ぶには早すぎる、そうやって「結婚」をすることからもしないことからも逃げている。

「幸せじゃなくても、結婚する意味はあるのだろうか?」

それでも後悔しないために婚活はしなくてはならない。決めたのだ、元旦に。独身証明書を取り寄せる手続きのため郵便局に寄ってからひとりぽつぽつ帰る、冬休み最終日なのでした。

最後まで読んでいただきありがとうございます!
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