PacificOcean

NOTE初心者です。重度の脳梗塞による右半身麻痺の夫、引きこもっていた経験を持つ娘と3…

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NOTE初心者です。重度の脳梗塞による右半身麻痺の夫、引きこもっていた経験を持つ娘と3人で暮らしています。日々がそこそこ平和に流れるようにとの祈りの日々です。ふと、脳梗塞からの回復記を書いてみようと思い立ちました。日常とこれまでの経験を綴ります。

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重症脳梗塞からの回復記1ー はじめまして

左脳に重度の脳梗塞を発症した夫とともに暮らす主婦です。夫の発症からもう10年以上が過ぎました。最初の診断の通りであれば、すでにこの世にいないか、もしくは寝たきりで動けないはずの夫は、毎日新聞を読み、テレビの中から、自分で好きな番組を録画して楽しみ、天気が良ければ一緒にドライブに行き、そして今は車椅子を使いながらも、スーパーやデパートのショッピングや、外食を楽しんでいます。 私は夫が病となった時、病院の面会時間ギリギリまで夫と過ごし、そして自宅に帰ってくると、救いを求めてネッ

    • 重症脳梗塞からの回復記7ーリハビリセンターにて

      リハビリセンターでの時間 今、私は夫のリハビリに付き合って、リハビリセンターに来ています。ここは高齢の方や病後のリハビリを頑張ろうという方たちがきていて、だいたい2時間ほどの間に、みんなで運動をしたり、個別の体のマッサージをしたり、「エスカルゴ」という足を回す道具で脚力の支えを強くしたり、いろんなパワーリハビリ用のマシンを適宜使ったりしています。毎週同じ曜日に通うのですが、ほぼメンバーは固定していて、だいたい20人ほどの方たちと顔馴染みになりました。 とはいっても、夫は失

      • 重症脳梗塞からの回復記6ー外で食べること①

        昨日の出来事 真冬の階段騒ぎもおさまり(重症脳梗塞からの回復記録2を見てくださいね)、日常が少し活動的になりました。暖かい日は、できるだけ外に出るようにしています。昨日は近くにあるショッピングセンターに出かけました。中に入っているファミリーレストランのランチがお目当てです。 土曜日なので、たくさんの人で賑わっているようです。駐車場に入ったら、入り口にすでに「満」の文字が出ていました。この駐車場は、エレベーターの近くに身障者用のスペースがあります。そこはどうかなと思って入っ

        • 重症脳梗塞からの回復記5ー私を支えた恩師の言葉

          「何が幸いするかわからない」 今日は夫の病気とは少し違うことから書いてみます。 若い時、就職試験を二つ受けました。最初の試験に落ちた時、大学の構内を歩いていたら、後ろから車がすーっと近づいてきて、私のそばに止まりました。同じ学科の先生でした。 「ダメだったんだってね?」 「はい。力足りなくて」 「そうか、残念だったね」 「はい………」 「いいか、何が幸いするか分からないから。何が幸いするか、わからないんだからね」 この言葉を思い出すと、今もその時の先生の顔と、夏の夕

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        重症脳梗塞からの回復記1ー はじめまして

          重症脳梗塞からの回復記4ー10年過ぎても脳は回復する

          14年が経過して 今、毎日はどのように過ぎていくのか、少し書いてみたいと思います。 朝は普通に起きてきて、リビングで飴をなめたり、好きな音楽のCDをかけたりして、私が起きてくるまでの時間をゆったりと過ごしています。 私と二人の朝は一杯のミルクティーから始まります。 毎日楽しみにしているのは新聞を読むこと。 パンと珈琲の簡単な食事が終わると、「新聞をとってきて欲しい」と言います。発症時は左脳がほぼない状態なので全失語と言われましたが、どうしても言いたいことは、いつの間にか言

          重症脳梗塞からの回復記4ー10年過ぎても脳は回復する

          重症脳梗塞からの回復記3ー階段についてのつづき

          なぜ階段を登る生活をする? 前回書いたように、我が家はリビングや夫の部屋が二階にあるので、日常に階段の上り下りが入っております。2月に階段を降りられなくなって大騒ぎしましたが、でも、どうにか無事にまた上り下りができるようになりました。 そんな大変な思いをして、どうして2階にいるの?と尋ねたくなる方もいらっしゃると思います。それ、私も理解できます。 私たちは、前にも書いたように、できることはできるだけそのままやろうと思っていただけでした。逆に、他の人はどうしてるんだろう?と思

          重症脳梗塞からの回復記3ー階段についてのつづき

          重症脳梗塞からの回復記2 –発症14年目の日常と階段

          階段のある生活 私たちは二階建ての家に住んでいます。家を建てる時、場所の関係でリビングを二階にしました。夫の部屋も2階にあります。重度の脳梗塞で右半身がほぼ動かない状態から14年が経ち、日々のリハビリを繰り返すことで、杖歩行も階段昇降もできるようになりました。だから、私たちは病の後もそれまでと同様に2階のリビングに住み、出かける時は夫は手摺りを伝って階段を上り下りしています。日常の中にある階段は、それ自体がリハビリ効果を持っている、と私たちは思っていました。一言で言うなら、

          重症脳梗塞からの回復記2 –発症14年目の日常と階段