見出し画像

美~死の美と生の美、とか言いつつ映画のお話~

映画も絵画も写真も形は違っても、どれも芸術。私は芸術が好きだ。

難しい話を語るつもりはないし、専門的に勉強したこともない。

せめて、あるとしたら大学で西洋美術史をとって、キリスト教絵画について学んだくらい。

それでも、専攻とは違うからねぇ。

映画、絵画、写真など全てについて語り始めると長くなり、

まとまりのない文章になりそうだから、今回は「美」というところにスポットを当てる。

感性によって美しいと感じるものや好きだと感じるものは違う。

お笑い芸人のネタに「ゴッホよりラッセンが好き」というものがあるが、

あのネタのように、ゴッホよりラッセンが好きな人もいるだろうし、

ラッセンよりゴッホが好きな人もいるだろう。

どちらが正しいとかはない。

美にも種類があるけれど、美は大まかに分けると「生の美」と「死の美」があると私は思う。

もちろん分類できないタイプのものもあると思うけれど。

「生の美」は光、希望、活力、生命力を感じさせるもの。

「死の美」は悲哀、退廃、儚さ、終わりを感じさせるもの。

例えばヨーロッパには「メメントモリ」という、いつか訪れる死の存在を忘れるなかれという概念がある。

この概念は死の美ではないだろうか。

そして、生の美と死の美は時として同時に存在する。

例えば、映画『アウトレイジ』はやくざがメインの映画だが、

映画の中で椎名桔平さんは命を狙われ、逃亡をする。

逃亡する前、彼は愛する女の元へ行き、情事を交わし、それから女の元を去る。

私はこのベッドシーンが好きだ。

このシーンは無音。音も台詞も音楽もないからこそ迫り来る死を前に、

愛する女のことやこれから起こるであろうこと、いくつもの感情が混ざり合い、

それでも現実を受け止めようとする心が伝わる。

情事は生の美、けれど登場人物の心情は死の美。

この二つが同時に存在しているから、奥深さがあって、

感じることが大きいからすぐに感想を述べようにも上手く述べられなくなる。

今回は、美について語ろうと思ったら、最終的に好きな映画について語ってしまった。

でもね、美の話を省いても『アウトレイジ』好きなんだよねー。