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R5のうた

令和5年、俳句はほとんど詠まなかった。句会にもほとんど参加できていない。

ときどき短歌をつくった。あとから振り返ってみると単に57577に収まっている言葉の塊にしかすぎないのものが多かった。シャレっ気を込めようとしているものが多く、詩興に乏しい。それも個性ともいえようか。このまま死ぬのはごめんである。

3つ選ぶ。

〈運命が動きて鳴らす鐘の主
手練れの大工口少なげに〉

ベートーヴェンに取材した。運命と第九。余談になるが「久しぶりにベートーベンという綴りを見た」というかつての友人の深夜のつぶやきは今でもたまに思い出しては味わっている。

〈バグでないひとつのハグを確かめに
ボートある井の頭公園〉

井の頭公園はテレビでしか見たことがない。ハグも井の頭公園でのボートもフィクションである。ボートをboat(船)とvote(投票)の掛け言葉にした。

〈忘却の海はあちこち金色で
マストは大晦日の暮れを行く〉

大晦日、未明につくる。

もうひと眠りして起きたらこのうたのことを忘れているだろうか。

共感できる人がひとりでもいれば、と思い、《We And The Sea》を付す。

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