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仙人、会社辞めるってよ 姉・S子

先程は、ありがとうございました。
日曜日の昼下がり、ゆっくりおしゃべりランチができてとても楽しかったです。

11:30に集合して、解散15:30? 
しゃべくり倒しましたね。
帰り道、「あー、あれも話忘れたなー」ということが多々ありました。

中でも仙人の最後のスピーチの話を忘れたのでお伝えします(ここで⁉)。
仙人は、我々の部署の古参メンバー。
我々の業務の生き字引と言っても過言ではない人物です。
ここでは尊敬の念を込めて「仙人」とお呼びします。

その仙人が、M美ちゃん産休中に、お辞めになることが決定。
すぐにでも知らせたかったのですが、まだほかのメンバーにも発表されていない状態&課長が「おまえ、絶対M美に言うだろ?」的な雰囲気でにらんでくるので、お伝え出来ずにおりました。
先日、M美ちゃんにも仙人のお話が伝えられ、部署のメンバーもそれを知ることになりました。

ご存じの通り、うちの課長と仙人は、水と油、犬と猿、どう交わっても仲良くなれない関係です。
犬と猿のほうが、仲良くなれる可能性があるのではないか? と思ってしまうほどです。

先日、定例会議の前に課長から「仙人が最後の挨拶をしたいと言っているので、最後に振ってください」と、司会進行を務める私に連絡が来ました。
「最後の最後がいい?」と聞くと「そうだね」というので、私は最後に振ろうといつも通り会議を進行しました。

定例会議はオンライン。仙人の様子を画面上で見ていたのですが、出走前の競走馬のように鼻息荒く、「次はわしの番か?」「わししゃべっていいのか?」と前のめりだったのがわかったので、「最後に振るのでちょっと待っててね」と心の中で制し続けました。
ちなみに一人称の「わし」は、フィクションです。

最後、「仙人大先生がお辞めになるということで非常に悲しいのですが、お言葉をいただいてもよいですか?」と言うと、仙人は「おぉ!」と急に振られた! というような驚きの小芝居をしたあと、話し出しました。

「えー、私がこの会社に入る前は〇〇という会社にいたのですが……」

え? ちょっと待って?? 前の会社の話から始めるの⁉
元々話が長いことで有名な仙人、全員の顔が「これ時間内に終わるのか?」と困惑しています。
5分ほど経ったところで(体感30分)、ようやくわが社に入社まで来ました。
そして、数々の偉業の説明をしだしました。

すると、課長が急に画面共有。
「え? 早く終わらせるためになにかよからぬことを企んでる?」と思ってドキドキしたのですが、それは今までの仙人が立ち上げたプロジェクトを1枚のシートにまとめた資料でした。

それを見た仙人は、「おぉ! ありがとう」と言って、そのシートに書かれている偉業を一つずつさらに語りだしました。
ありがたい……ありがたいお話だということは重々承知なのですが、メンバーは益々困惑し始めました。
15分くらいでしょうか(体感1時間半)、ようやくスピーチのフィナーレを迎えました。

私が、お礼を言って定例会を終えようとしたその時! まさかの課長がマイクをオンにし、仙人との思い出を語り始めました。。。
課長は仙人と同じくらい話が長くて有名です。
ここからスピーチに対するアンサースピーチが始まりました。
もちろん、スタートは課長が入社して、二人が出会った時からの思い出話です。なんなら「それ、さっき仙人から聞いたよ」というお話も交じっています。
自他ともに仲が悪いことで有名な二人が、いま、スピーチでお互いをたたえあっている。
なんとも、美しい光景—―なのだと思います。ピュアな目で見れば。

私はその時、ACジャパンの呂布カルマ先輩のCMを思い出していました。

長いスピーチに文句を言うためにマイクをオンにしたのかと思いきや、称えだした!
そして、最終的にお互いをリスペクト!!
本来なら、このあと司会である私が、このコンビニ店員のお姉さんのように「た~たくより、称えあおう~♪」と歌い上げなければならなかったのですが、その時めっちゃ尿意をもよおしており、1秒でも早く終わってほしかった。

スピーチは5分ほど。ここまで体感3時間15分。
2トップのスピーチが終わり、私はさっさと会議をまとめ、トイレにダッシュしたのでした。

というわけで、改めてのご報告。
「仙人、会社辞めるってよ」


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