実家がめちゃくちゃ建て直った
島崎家の年表にまた1つ、歴史が加わった。
そう、実家を建て直すことに我々はついに成功した。
普通に言えばいいのだが。
そう、僕の幼少期、いやもっと言うと僕のおばあちゃんの代からずっと頑張ってきた実家は、ようやく跡形もなく崩し、オシャレな実家として再び建ったのだ。
「ここ俺の実家」のテンションがだいぶ違う。
それはそうだ、元々の実家と言えばそれはなかなかの家だった。
雨が降ればいろいろなと箇所で雨漏りが多発。僕たち兄弟は雨が降るとすかさず大量のタライを持ってきては雨を溜めた。
それをマリオパーティのミニゲームとしていた。
ゴキブリもかなり出た。この家オススメだよ、とゴキブリ界で噂になっているんじゃないかと思うぐらい出た。
無料案内所で掲載されていたに違いない。
小さい頃のお風呂は、ガスをチキチキ回してブボォッと小爆発を起こすタイプのお風呂だった。
追い焚きにいたっては水中でも焼き尽くす灼熱の炎みたいな熱さをしていた。
「夏に寒い」という日もあった。グランドラインみたいな気候だ。
一回、庭でカラスが息を引き取っていたことがあって、
保健所に連絡を入れると、引き取ることはできないという答えが返ってきた。
その頃、無垢で純粋な僕はそのカラスを庭に埋めてあげようと判断した。
カラスの横で深く穴を掘っている時である。
なんとなく他のカラスが僕の元実家の上空に集まり始めた。
サークルを描いている。
僕は空を見上げて「マジか…」と言ったのを覚えている。
やがてそのカラス達はなんと僕の元実家の塀に降り立った。
そう、僕の仕業だと勘違いされたのだ。
塀にズラーーっと並ぶカラスの集団。
ほとんどキルアの実家だった。HUNTER×HUNTERの。暗殺一家の。ゾルディック家だろこれは。
「違うよ!?」
僕は人生で初めてカラスに声をかけた。
カラスは賢いと聞いていたので話が通じると思っていた。
しかし、レスポンスはこうだった。
「アッウォゥアッウォゥアッ!!」
SOUL'd OUTじゃねぇか。思わず「アアラララァ」って言っただろ。いい加減にしろよ。
結局そうしてカラスに疑われたまま、僕はカラスを供養した。
ずいぶん前のことなのでもう土に還ったと思うが、カラスの魂も含めて建て直している。
そんな実家。
父も母も喜んでいるので良かった。
あとはめっちゃ孫を連れて遊びに行くとかしてこうと思う。
僕が初めて彼女を連れて行った時に、僕の部屋のドアノブが取れて外に出れなくなって、試行錯誤した末、
彼女が「やっと脱出できた」って言って帰っていったこともあったな。
今はもうそんなことはないからって、あの時の僕たちに言ってあげたい。
倍面白くなります。僕をサポートで支配してください。よろしくお願いします。