大谷、俺らと共に
ようやくJリーグも無事再開/開幕した。当面は無観客試合だったり厳戒態勢下だったりとイレギュラーな観戦が続くけれど、時に大勝に雄叫びを上げ、時に敗北でくそみそな気分になる日々が帰ってきたのが嬉しい。
そして無事にJリーグが帰ってきたということで、もはや出遅れ感が満載だなあと思いつつ #すごい選手がいるんです というハッシュタグに乗っかって書いてみる。
SNSでも、リアルでも好きな選手について語ったことって今までほとんどなかったと思ったので。
私の好きな選手
私の好きな選手、それは柏レイソルに所属する大谷秀和選手という。2003年に高卒でレイソルユースから昇格して以降柏レイソル一筋。下部組織時代も含めればレイソル在籍24年目、今どき珍しいワンクラブマンという時点で既に推せる選手だ。
大谷秀和という選手を知ったのは2003年、柏レイソルのトップチームに昇格したときだった。そのときは「ついに同い年の選手が昇格したのかー」程度の印象で、プレーを見る機会は長いことなかった。同じタイミングで大学受験浪人が決定し、翌年大阪の大学に進学。そのまま地元から離れた場所で就職した関係でサッカー自体から疎遠になったからだった。
そんな私が柏レイソルを再びTVで追うようになったのが2011シーズンが終わる頃。ちょうどその頃に柏市に戻ってきたばかりだったのだが、レイソルがJ1で優勝争いをしていたのをなんとなくTVで見て興味を持ったのがきっかけだった。
そして翌2012シーズンから戦術も何もわからずただぽけーっと試合を見続ける過程で、いつの間にかピッチ上の大谷選手を目で追うようになっていったのだった。
とにかく気配り
大谷選手のなにがいいのが。
プレー面で言えば、攻守両面で気が利くところだと思う。
ボランチを主戦場にしつつも数多くのポジションをこなせるところ、的確なカバーリング、なんか気がついたらボールを奪ってる、要するにポジション取りと読みのよさ。
大谷選手に救われた試合は数え切れないほどあった。
それ以上に私が全力で推したいのが人柄。
レイソルを代表する選手なのでこれについては他サポの方にもよく知られていると思うが、あえて語らせて欲しい。
例えばキャプテンシー。
試合中どんなに対戦相手や審判と揉めそうになっても揉め事の中心に行く。その場を収める様子は頼もしくてしかたない。
レイソル所属歴のある選手がインタビューで大谷選手のことを口にすれば、必ず「キャプテンシーがすごい」という内容の発言をする。そもそも2008年からレイソルでキャプテンを務めているという事実が全てを物語っている。プロの世界でこんな長期間キャプテンやってる選手なんて私は他に聞いたことがない。
例えばファンとのコミュニケーション。
試合後必ずその日のうちに試合の所感とサポーターへのお礼をツイートする。基本的には文字だけで、画像はたまに付けるくらいのシンプルなもの。内容はいつ見ても誠実だなあ、と思わずにはいられないものだ。
勝った時やメンバー入りした時にファンサービスとして画像付きでツイートをする選手は今どきいくらでもいると思う。でもどんなにひどい試合だったとしても、ベンチ外だったとしても試合後ツイートを欠かさないのが大谷選手のすごいところ。
私はこのツイートを「大谷談話」と勝手に呼んでいるのだが、試合当日は大谷談話を読まないと眠れない身体になってしまった。同じような柏サポは私だけじゃないと信じている。
そして極めて個人的な体験だけど。
先月サッカー専門誌のWeb版に私のインタビューが掲載されたのだが、その記事に大谷選手がTwitter上で反応するというまさかの出来事があった。
🙇♂️👏 https://t.co/PBVYGJjHnd
— 大谷 秀和 (@hide_tani07) June 10, 2020
この時点でサポーターの活動をチェックしたりそれに反応したりするのかと思いびっくりしたのだが、半月後に公開されたインタビュー記事で反応した経緯が掲載されるという、まさかにまさかを重ねる展開があった。
読んでわかったのは、選手の立場であってもクラブのフィロソフィー（哲学）だけでなくサポーターの活動だとか、クラブやサポーターが持つ歴史や文化を伝えていくのも長くいる選手の役目かなと認識したうえでの行動だったという点だ。
これを読んで、そこまで考えた上でのあの反応だったのかと思って鳥肌が立った。密かに推しててよかったと心の底から思った。
おわりに
大谷秀和選手という人物は華やかなプレーをするわけでも、目立つ発言をするわけでもない。でも誰よりも柏サポーターに愛され、柏サポーターに寄り添う選手だと私は思う。
そして柏レイソルになくてはならない選手なのだ。むしろ彼がいるから柏レイソルは柏レイソルなんだとすら思っている。
だから、もしスタジアムでのチャントが解禁されたら全力で叫びたい「大谷、俺らと共に」と。
■Special Thanks
画像提供：Naggyさん
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