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食欲VSコロナ、夢のダイエット対決【フードエッセイ】

昨年末、コロナにかかりました。
原因は思い当たりません。
「あ、これコロナだ」と自覚する三日前に飲み屋でお酒を飲んだこと以外はまったく思い当たりません。(仕事関連の忘年会だったのが質悪いですね)

幸いその時は仕事も忙しくなく、既に個人事業主だったので
「すみません数日仕事遅れます」
「おーう早く元気になって飲みに行こう」
みたい感じで大変助かりました。ただ飲みに行くわけ無いだろうぶちころがすぞ。
しかしこれで、コロナと真っ当に向き合えます。しっかりと治してまた文章に落としてやるぞという作家魂みたいなものを感じつつ、治療に専念することになったのです。

もともと私は体が丈夫で、病弱だった兄もいましたので親からは「お前に病院を連れてった記憶がない」と言われるくらいです。(親が覚えてないだけで何回か行ってますが)
そのため病院嫌いというか、ある程度の風邪でしたら自分で治してやろうというフシがありました。
その治療方法というのは至ってシンプルです。
「栄養取って寝る」
それだけです。
まずビタミンCの飲み物を大量に買い込みます。ビタミンCはなんか、多分、素敵に良いのでビタミンCを過剰摂取するのです。
たしかビタミンCは過剰摂取しても尿で排出されるだけで体にそこまで悪影響は無いと聞いたことがあります。なのでまずはビタミンCです。
そして食事。私は後述するウイルス性胃腸炎の時以外に食欲を無くしたことがありません。風邪の時も同様です。
おかゆなんて栄養の無いものはだめです。鍋焼きうどんです。
私の中の鍋焼きうどんは風邪専用食事です(シャア専用ザクと意味合いが違うのが悲しい)
野菜と肉をたっぷり、薬味はしょうがとねぎです。何、味なんてわからないです。目的は汗をかきながらこれを体内にぶち込み寝ることです。ちなみに消化を助けるためにゆっくりよく噛んで食べます。
前にテレビで見たのですが、おにぎりを食べた人とおかゆを食べた人の消化スピードはそんなに変わらないという実験を見たことがあります。
その理由は「おにぎりはよく噛むけどおかゆは噛まずに飲み込んでしまうから」
そいつのさじ加減じゃねえか! と思ったのを覚えています。
なのでよく噛む。よく噛めばなんかこう、良いです。よくかめ。
食べたら寝ます。歯を磨くのを忘れずに。ただ寝る。栄養は用意した。あとは体くん、治してくれ。体くんに任せて自分は寝るだけです。水分補給はポカリスエット。良い感じに糖が入ってるので良い。ですが個人的には甘すぎるので薄めてぐびぐび飲みます。水分は大事。青いポカリね。水色のやつはなんか、好きじゃないです。加湿器を最大にして、おやすみなさい。
それを繰り返していたら、薬を飲まずに治ります。なお、真似しないで下さい。これは学生時代柔道部だったドMの人間の対処法です。おそらく病院行って薬もらって飲むほうが早くて確実です。

さて、そんな人間がコロナになりました。
流石に病院にいかないわけにはいきません。引っ越してきたばかりの私は初めての病院に緊張しながら電話をかけ、なんちゃら検査の予約を取りました。
終始病院に隣接しているテントで検査を受け、結果は携帯電話にかかってきます。医者がコロナになったらとうとう終わりですもんね。徹底してていいじゃないですか。
しばらくぼうとしていると、スマホがブブブブとなりました。
「ぼくです」
「あー陽性陽性。辛かったでしょ。」
「ぼく妖精」
「特効薬飲む?」
「響きが格好いい! 飲む!」
となにかの書類にサインしてじゃらじゃらと薬をいただきました。
「しばらく熱とか席とか、味覚とか嗅覚が無くなる人がいるかもだけど、食欲なくても水分は取って下さい。お大事に」
めっちゃビビらせてくるお医者さんのもとを去り、私は自宅療養のターンに入るのでした。

そんな絶望の中で、私は一つ期待していることがありました。
それは「体重の減少」です。
私はダイエットを三十回はしているダイエットのプロなのですが、以前ウイルス性胃腸炎をやったときに体重を5kg近く落としているのです。
もちろんそれは体内の消化物や水分、筋肉などが落ちているからかと思いますが、元気になっても体重が3kg減ったまま、とこれはもはや「ウイルス性胃腸炎ダイエット」なんじゃないかと感じたわけです。
そう、なので今回は「コロナダイエット」が出来るんじゃないかと期待したわけです。
ウイルス性胃腸炎の時は食欲が無い、というよりも体に何かが入ったらすぐに吐いてしまうのでそれどころじゃなかったのですが、流石にコロナウイルスでしたら私の無尽蔵の食欲も無くなってくれるだろう期待したのです。

さあ、舞台はととのった。
コロナくん、私の体重をどう弄んでくれるんだい!



太りました。
信じられないかもしれませんが、熱が下がり喉の痛みもなくなり自宅待機期間に入った時に体重は、コロナ前と比べてまあまあ増えていたのです。
食欲無くなるどころか、味覚も嗅覚もビンビンでした。
朝に冷凍の鍋焼きうどん(ねぎ添え)を食べて昼に焼きおにぎりとキムチ納豆、夕方に冷凍の家系ラーメンを食べて、多分食べ過ぎでお腹を下したので夜は控えめに、とソイジョイを数本食べただけなのに太りました。

コロナウイルスくんでも、ぼくの食欲を止めることは出来なかったのです。
所詮私のところに来たコロナウイルスくんは熱を39℃にして喉をがらがらの大蛇丸にするだけのやつでした。所詮、その程度です。
熱が39℃になってもこちとらメシを食いますが? ガッツリにんにく効いたラーメン食べますよ? は? お?

ということでコロナウイルスにも涙の大勝利ということでした。
皆さまもコロナウイルスダイエットなんてやばすぎることは考えず、しっかり療養しましょうね。
そしてやっぱり最強なのはウイルス性胃腸炎なんだなと感じた出来事でした。
(コロナはまあまあ辛かったけどウイルス性胃腸炎は本当にもうやりたくないです。あいつはコロナより厄介です。皆さまも居酒屋のもつ煮は気をつけて下さい)
それでは。

サポートという機能があるのに初めて気づきました。みなさんもそうだと思うのでぜひ私のエッセイで試してよいですよ。お願いします。