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1番好きな映画との付き合い方【エッセイ】

皆さまには一番好きな映画はありますか? 私にはもちろんあります。
「リズと青い鳥」というアニメ映画です。
映像が綺麗すぎてメインのキャラクター二人の心情も綺麗に遠回しに面倒に描かれ、感情がぶつかり合いまくる心がざわつく名作なのです。スタッフキャストにも死ぬほど愛されてるのも良いです。あれをお金儲けの為に作ったと言うならば、スタッフは映画作るのが下手すぎます。こだわり抜いた一品だというのは素人目にもわかる名作なのです。
ただ、リズと青い鳥は「響け! ユーフォニアム」という小説のアニメのスピンオフ作品。好きなのですがどうにも説明が面倒なので、「一番好きな映画は?」と人に聞かれたら「ターミネーター2ですね」と爽やかすぎる笑顔で答えています。

さて、人は飽きる生き物です。
いくらカツ丼が丼の王様、キングオブドンブリだったとしても毎日食べたら飽きてしまいます。なのでカツ丼が好きでも毎日食べずに特別の時に取っておく必要がありますよね。好きなものなのに飽きてしまうって、悲しいことですから。

そう、好きだからと言ってぐいぐい行くのは良いですが、行き過ぎるのは違うなと思います。人は飽きる生き物です。必要なので二度いいました。出来る人間というのは好きなものを飽きること無く付き合うことが出来るということなんじゃないんでしょうか。
なので私は先述した「リズと青い鳥」を一年に一回見ています。
一年に一回。
それがちょうど良いのです。
1月1日、年の初めに心を落ち着けて、少しお高いアルコールを嗜みながら見るのです。
年の初めに一番好きな映画を見てその年を過ごす。なんて贅沢なのでしょう。私は幸せ者です。そんな幸福に包まれながら新年をスタート出来る。最強の最強すぎる最強ムーブです。QOLという言葉はこの行為から生まれたと言っても過言ではありません。というか、この言葉から生まれました。本当です。

しかしながら存外、この行為は人に認められないです。私の周りでこの話に納得してくれた人は長年付き合ってる本名を知らないオタク友達だけです。だから書いてみました。
というか人は同じ映画を何回も見ないし、なんだったらこれと言って好きな映画が出てこないということがあります。
私は「一番好きな映画は? 説明が面倒なやつでもいいから」と言われたら「リズと青い鳥」と早口で即答します。「リザトリ-」みたいに聞こえるくらい早口です。
別にそれがだめというわけじゃないのですが、私はいつまでも心が乙女なので「大切な一本」というのが心にあるからだからと思います。
なのでこの話を聞いて「お、じゃあおいらも大切な一本作ったろ!」じゃなくて「大切な一本に出会えたらいいな」と思ってくれたら嬉しいです。
日々言っていることなのですが’(特にエッセイでは食事に関して)惰性で映画を見るよりも本気で映画を見たほうが面白いです。
好きなものがあるって素敵ですもんね。

私はそんな「人生の一本」があって幸せものだなと思いながらキーボードをカタカタと打ってみました。
良ければ皆さまも、今週末は本気で映画を見るのはいかがでしょうか。
音の出ないおつまみを片手に、お酒のグラスなんかを傾けながら。
「うひぃー俺なんか洒落たことしてるー」と思いながら。
映画ってそういうものですからね。
ぜひ。

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サポートという機能があるのに初めて気づきました。みなさんもそうだと思うのでぜひ私のエッセイで試してよいですよ。お願いします。