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研究活動10年を振り返る

 色々あった2020年も終わりに近づいています。2020年は研究活動を始めて10年という、私にとって節目になる年でした。

一念発起し、経済学研究科の修士課程に進み2年。

なんとか収入を確保する目処をたてて、経済学研究科の博士課程に進み4年。

自分なりに一生懸命に研究し、今の所属先からオファーを頂き4年。

「もう10年も経ったのか」というのが正直な感想です。そんな研究活動10年の節目を迎えたいま、研究の進め方に変革が求められています。

 生まれて初めての研究(とギリギリ呼べるもの)は、修士論文でした。大学院での標準的な経済学の講義を乗り越えた矢先の浅い知識で読める論文を見つけ出し、その論文の数理モデルをこねくり回した挙句、無理やりに既存研究で指摘されていない結果を捻り出しました。指導教官の顔色を伺いつつ、見様見真似で提出をした記憶があります。

 修士論文の口頭試問を乗り越え、博士課程に進みました。私は毎日体力の限界が来るまで研究室の机に向かうタイプの院生でした。指導教官をはじめ、周囲の方々に支えていただきながら、幸運にも、関連分野の研究者が定期的にチェックする水準の学術雑誌に論文を載せることができました。また、未公刊ながらpublishableである(と少なくとも私は思っている)論文も数本作ることができました。

 このとき「論文を書くときは周囲に目をくれずに閉じこもる」というのが私の研究のスタイルになっていました。ただし、このスタイルは

「自分に与えられた時間」=「自分が自由に使える時間」

という前提があってはじめて成り立つものです。勿論、当時の私はこれに気付いていません。

 博士課程も修了に近づき、今の所属先からオファーを頂いた頃から、そのスタイルに限界が見え始めました。実際、日中の時間が講義準備や学内業務に徐々に割かれるようになりました。また、同じ時期に結婚し、育児が始まりました。これらの環境の変化は私に大きな充実感を与えてくれましたが、同時に

「自分に与えれらた時間」>「自分が使える時間」

という事実を突きつけるものでもありました。つまり、論文を書くとなれば朝も夜もない、というこれまでの研究スタイルはもはや通用しません。

 今年は「新しい生活様式」が話題になりました。これに肖って、来年からはじまる研究活動の11年目は「新しい研究様式」を模索・確立しなければなりません。

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