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藁納豆、作ってみたぞい!

どうも琲煎まきです!

みなさん納豆作った事ありますか?!

今日はそんな需要ゼロに近い納豆作りの更にその上の藁納豆を作ってみた経緯を紹介していきたいと思います!!

というのも実は既に動画の方でやったのですが、説明したい事だったり語り切れなかった部分などがあるので改めてテキストで紹介します~!

動画はこちら↓


そもそも納豆の発祥って?

納豆ってそもそもどうやって作られ始めたのかって所、気になった方もいらっしゃると思いますが、実は納豆は馬の餌から偶然に生まれたとされているのです。

かつて聖徳太子が愛馬に餌を与える際に、蒸かした豆を藁に包み携帯していたらしいのですが、ある日藁を広げてみると糸を引いていて、それを食べてみた所美味しかった(←!?)らしく、それ以来食事に取り入れられるようになったんだとか。

そんな感じで偶然にも出来てしまった食べ物って実はほかにもあって、和歌山の高野山でお坊さんのお弟子さんが真冬に豆腐を買って持ち帰る途中忘れて帰ってしまい、翌日取りに戻ってみたらカチカチに凍ってしまっていたのを解凍して食べてみたら美味しかったらしく、それが今の「高野豆腐」となったんだとか。

…食べるなよ!!!と言いたい所ですが、おそらく当時の人たちは「食べざるをえない」ほどに食料が貴重で、勿体ないから食べていたら後々食べ物として定着したんじゃないかなと思うんですよね。

そしてそれらは既にオーバーテクノロジーみたいなもので、現代では食品衛生法だったり衛生管理が行き届いているから新たにそういった物は作れないぐらいには変態技術なのかもしれません。

そんな意味不明な由来から生まれた食材、作れるとしたら作ってみたくないですか!?(ナンデ?)

前提知識としての注意事項

が、ちょっと待って欲しい!発酵食品という物には危険が伴います。

一応の衛生管理者でもあるので注意しておかないといけないのですが、不衛生な状態で作ってしまうと雑菌が繁殖して食べられないものが出来上がる事があります。

これらはヨーグルトや天然酵母にも言える事なのですが、発酵させるにはその有益な菌だけが存在する状況を作る事が大事になってきます。

そして1950年ごろ藁納豆の製造業が減滅した事件があって、当時の製造方法がなかなか不衛生だったらしくネズミの糞尿が残った状態の藁を使用して納豆を製造した結果、サルモネラ菌が繁殖し食中毒を引き起こしたことがあるらしいのです。

今回作る藁納豆には自然界に生えている藁を使用するのですが、藁の中には枯草菌という納豆菌として使用される菌種のほか、雑菌などももちろん潜伏している物として使用する必要があります。その殺菌方法なども後々説明いたしますが、その処理方法も知っておかないとまあ危険な代物。

なのでくれぐれも「自分でも作れそう」と思っても自己責任で、尚且つ家族や友人など他人に食べさせる際には作った経緯を説明しつつ、了承を得てから与えるようにしてください。

作っていくぞい!!

まず必要なのは大豆と藁!これだけ!

藁はホームセンターにも売ってますが、実は種類があるっぽくて素人目にはどれが正解なのかわかんないんですよね…!藁に潜む枯草菌は様々な種類の菌種があるらしく、ざっくり三種に分けて宮城野菌、高橋菌、成瀬菌の三つが納豆に使われているらしいのです。それぞれ粘りけ、香り、風味に違いがあるとか何とか、そして大豆にも納豆に適している種類があるらしくて…これは拘り始めると沼りそうだ…!!

ちなみにそんな難しそうな自作納豆、単純に納豆だけを作るのであれば蒸かした大豆と市販の納豆を使って、納豆のネバネバだけを茹でた大豆に絡めて24時間発酵させるだけで作る事も出来ます。

実はノーマルな納豆の作り方はクックパッドにも掲載してあるので参考にしてみてください。


そして工程なのですが…まあ時間がかかります。予想の数倍ぐらい。

まずは大豆を洗って水につけて夏場12時間、冬場24時間放置します。この時点で長え!

そして事前準備として、藁を束ねて藁苞(わらづと)を作っていきましょう!


なんかこう…藁を良い感じにタコ糸で縛って出来損ないの藁人形にしていきましょう!作り方は感覚です!(あとで調べて分かったんですが、縛るのが面倒であれば藁に豆が付着してたらいいのでタッパーに藁を敷き詰めるだけでも大丈夫みたいです)

一日目の準備としてはこれで終了。あとは豆が大きくなるのを待ちましょう!

発酵までの下準備


豆を浸水させて24時間立つとこんな感じで二倍ぐらいに大きくなってきます。ここで薄皮が剥けてくるのですが、気になる方は優しく洗って剥いてあげてください。というかここまで来れる人どこまでいるんだ。

大きくなった豆を温めていくのですが、圧力鍋で30分ほど温めると柔らかくなるのですが…実はこれ一度失敗してまして、圧力鍋で煮込みすぎて大豆の栄養素が少なくなってしまったのか味が抜けて納豆も糸が引かなかったんですよね。

それで調べてみたところ、ボイルするより蒸す事でお湯に栄養素が逃げずに濃い味の豆が作れるとの事だったので蒸し器で温める事にしました。


大体2時間ほどで柔らかくなります。

豆の柔らかさとしては指で簡単につぶせる程度を意識すると良いかも!

というのも過去にも納豆を作った所、硬めに茹でた物を納豆にしてみたら噛み応えがあり過ぎる納豆になってしまったのでこの時点で柔らかくしておく必要があります。ここの柔らかさが食感に直結すると思ってもよいでしょう!

そしてその間に10分以上藁苞もボイルして殺菌していきます。

殺菌したら納豆菌も消えちゃうのでは…!?と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、100℃程度では納豆菌は死滅しないのです。マジで納豆菌は強い。

この工程の意味としては、藁は自然界に生えていて管理状態によっては別の雑菌も繁殖している恐れがあるので、煮沸して納豆菌だけが存在する状況を作っていくという感じ。

ホント納豆菌の強さは半端なくて、例えばヨーグルトメーカーで納豆を作ると今後ヨーグルト菌が容器に潜在してる納豆菌に負けて作れなくなるというほど。酒蔵の見学に行く際にも「朝納豆菌を食べましたか?」と聞かれるほどに警戒されてて、納豆菌がお酒の麹に打ち勝ってしまう事から、その人が酒蔵内でクシャミや唾液を残してしまうと危険人物になりえるので厳重に注意されたりするみたいです。それだけ納豆菌は強い。

ついに発酵の準備!


豆も柔らかくなり、藁苞も熱処理できたらついに発酵の工程に移っていきます!

ここからは衛生にしっかり気を使っていきましょう!

ラップなどを敷いて手袋を付けて、その他必ず煮沸消毒された物を使って準備していきます。

藁苞は熱々の状態で、その中に大豆を詰め込んでいきます。正直初めての工程なので何が正解なのか分からないのですが、藁に豆が付着していればOK。よっぽどならタッパーに藁を敷き詰めてその上に豆を乗せても良いみたい。


今回はオーブンの発酵機能を使い発酵させていくので、オーブンの天板にラップを敷いて準備しました。

水分が出るので新聞紙などを包めて発酵させる、という工程があるようなのですが新聞紙はちょっとなあ…と思ったので清潔なキッチンペーパーを被せ、ラップをふんわり被せて準備完了です!

あと失敗例として、これをする前に低温調理クッカーを使い密封した状態でお湯の中で発酵させようとしたのですが…どうやら空気を含ませるようにしないと納豆菌が上手く酸素を補給出来ないらしく失敗してしまったのでその点注意してみてください。

失敗例

昔は土の中で温度を保って発酵させてたり、最近では保冷バッグや保温庫などで温度を均一にして発酵させてるようです。

うちのオーブンだと最大8時間温度が保てるようなので、合間で再度設定しつつ24時間~36時間発酵させていきます

この時点で2、3日かかってしまうのが確定してしまってます。自家製納豆作りの道のりは長い…スーパーで納豆買ってこよo(^-^)o

果たして藁納豆は出来てるのか…!?

合間で発酵しつづけ、36時間経過しました。


………!!!!!!!!!

明らかに菌糸が蔓延ってる…!!!!

既製品の納豆や市販されてる納豆菌を使ってないのに、藁と大豆だけで納豆が出来ちゃいました!!

食べてみた所…

納豆だなあ…納豆だ…。

納豆なんだけどなあ…。

なんか…納豆なんですけど、味わいが原初すぎるというかインパクトが薄いというのが正直な感想でした。


確かに藁納豆がつくれたんですが…市販の納豆がそもそもクオリティが高すぎるのかもしれないですねえ…!!

というのも、冒頭でも述べた通りに藁や大豆にも種類があるらしく、菌種の種類や豆によっても風味や仕上がりが変わってくるのでそのせいもありそうかも!?

以前普通に市販の納豆の菌を付着させて自家製納豆を作ってみた時は、粘りけが凄く食べてて美味しい物が出来上がったのですけど、今回の藁から作った物はネバネバも弱めで風味も出てないので原初すぎる感があるんですよね…!

考えられる要素として、ボイル時間が長くて納豆菌が少なくなってしまったとか、発酵時間が足りなかったとかも考えられるのですが、おそらく藁の種類によるものかも知れない。う~ん…自家製納豆…奥が深い…深い上に難易度が高い…そして危険性すらある…難しくね!?

藁納豆を作ってみての感想

という感じで、意味も無く藁納豆を作ってみた結果、市販の納豆のコスパえぐすぎという事が分かりました。

作ってみて「3パックで100円もせず、美味しい納豆が食べられる」という事実にビックリします。失敗した工程も含めると90時間ほど経過してやっと食べられる藁納豆が作れてますが、大豆と藁を仕入れるのに1000円ほど、時間としても2、3日かかってるのですが、コンビニやスーパーに買いにいくとこれらがすぐ手に入る訳です。技術ってすげ~~~~!!


というわけで自家製納豆を作ってみて楽しかったのですが、コスパだったり自然食を意識して作るには流石に難易度高すぎるし、オススメできるかと言われると衛生的にも気にしないといけない項目が多いので何とも言えない結果となりました。現代の技術力の高さを痛感しますねえ…!

そんな感じでもし藁納豆、作ってみたい!と思った方は是非挑戦してみて欲しいと思う傍ら、衛生面には必ず気を付けて欲しいのと、自己責任でやってみてはいかがでしょうか?!というオチで終わっていきたいと思います!

残った納豆は納豆パスタにして食べたけど美味しかったです🍝

普段は料理系でYouTubeにて活動してたりするのでもし興味あればチェックしてみてください~!!

【終わり】

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