マガジンのカバー画像

サービスコラム 第11~15章

28
第11章 サービスの変化に対応する 第12章 プロセスの対策・しくみ 第13章 プロセスの対策・接客 第14章 ブランドの対策 第15章 NPOのサービス
運営しているクリエイター

2020年12月の記事一覧

03.新しいサービスの取り入れ対策

03.新しいサービスの取り入れ対策

上位・下位ブランドを構築するほど大げさではなく、大げさでない代わりにサービス提供者がよく企画し、実行するのが、提供するサービスを増やすことである。
つまり新しいサービスを生み出し、提供することである。

このときにブランド力が低下し、サービスが上手く機能しなくなるのは2つの視点がある。

ひとつは、新しく生み出したサービスがコンセプトに適っていないか、既にあるブランドに適っていないケース。
もうひ

もっとみる
02.上位・下位ブランドの対策

02.上位・下位ブランドの対策

サービス提供者はサービスが上手く提供できたとき、そのサービス提供の経験を活かすことのできる、別ブランドを立ち上げることがある。
最も単純なものは価格帯に差をつける方法で、ローソンが展開する上位ブランドのナチュラルローソン(自然に優しいイメージとしても展開)と下位ブランドの100円ローソンは事業としてもサービスとしても成功している。

しかし多くのサービスが別ブランドを展開するとき、これまで培ったブ

もっとみる
01.コンセプト反映の手抜き対策

01.コンセプト反映の手抜き対策

ブランドが弱まったり崩れたりすると、サービスは上手く機能しなくなる。
かつて理解が一致していたものが、現在はお客の疑問によって崩れている場合、速やかにブランドを維持し継続する手を打つ必要がある。
対策としては4つある。

これまで提供者と利用者の間で理解が一致していたものが、突然不一致に変化するとき、その原因はほぼ100%サービス提供者側にある。
そして、その大部分がこの「コンセプト反映の手抜き」

もっとみる
05.人事としての接客者の変更

05.人事としての接客者の変更

接客者のレベルと配置はこれまでに書いた4段階、第1に正確にサービスを提供できる段階、第2にマイナスを挽回することができる段階、第3にサービスの枠を超えることができる段階、第4にサービスの提供を断ることのできる段階の、第1から第4のレベルに応じて配置する。

接客のレベルが高い、または適切であるのにサービスが上手く機能しなくなるのは、レベルに応じた人事配置に間違いがあるか、これらの条件を満たさない人

もっとみる
04.サービスの提供を断る作業

04.サービスの提供を断る作業

サービスの提供を断るべきであるのに、断らないことによってサービスが上手く機能しなくなることがある。

しくみの設定や改善で、提供しないサービスが何であるかが明確に定まったら、これを実行しなくてはならない。
コンセプトに沿っていても(沿っているからこそ)提供しないと決めたサービスは「提供しない」とサービス利用者に伝える必要がある。
大々的に公開して伝えるか、問い合わせがあった場合にのみ伝えるかは、提

もっとみる
03.サービスの枠を超える作業

03.サービスの枠を超える作業

基本的なサービスを正しく理解してそれを提供できるようになり、問題に対して正確に対応できるようになったら、サービスの枠を超える接客を行う。

それはルールやマニュアルに反した行為で、本来の正しいサービス提供ではない物事である。
しかし、行わなくてはならないケースが3つある。

基本サービス提供の不備を取り戻すとき。
初めてサービスを受ける人に対応する場合。
特別利用者に対してサービスを提供する場合の

もっとみる
02.マイナスを挽回する作業

02.マイナスを挽回する作業

マイナスとは、基本サービスの提供に対して阻害となるマイナスのことである。
このマイナスをもたらす最も大きなものがクレームで、そのクレームに対してしくみの改善では「問題対処」する。

接客でのクレームに対する考え方は「機会対応」となる。
と同時に、接客はしくみを実行することでもあるので、しくみの実行として「問題対処」も行う。
機会対応は社外対応で、問題対処は社内対応(改善)でもある。

社外対応とい

もっとみる
01.接客の改善・正確なサービス提供

01.接客の改善・正確なサービス提供

しくみの改善に着手したら、同時かそれ以降に接客の改善に入る。
接客の改善には5つの視点がある。

第一に、正確にサービスを提供する作業。
第二に、マイナスを挽回する作業。
第三に、サービスの枠を超える作業。
第四に、サービスの提供を断る作業。
第五に、人事としての接客者の変更。

第一から第四までは接客者に必要とされる能力の順でもある。
接客が原因でサービスが上手く機能しない場合、それぞれの段階の

もっとみる
05.予想外の対応・提供しないサービス

05.予想外の対応・提供しないサービス

しくみは万能ではない。
むしろ永遠に不備であり続けるからこそ、定期的に見直し、経験を蓄積し、改善し続けなくてはならない。
コンセプト実現のために、より完璧に向けて改善し続けるようにする。
それでもマニュアル化できない物事はやはりある。

過去に経験がないこと。
想像の範囲を超えた災害などはこれに当たるが、発生する確率が低いということと、このような場合に果たしてサービス提供が継続できるかどうかが疑問

もっとみる
04.継続提供・問題点の対処

04.継続提供・問題点の対処

サービス提供を完璧に実行するしくみでありながら、サービスが上手く機能しないことがある。
初回のサービス提供に対してしくみは完全であるのに、サービスの継続提供に対してその同じしくみが不備になることがある。
このような不備を見直し、改善する。

たとえば、初回の人がサービスを受ける場合に割引などで優遇され、利用回数を重ねるごとに冷遇されるようなしくみは、サービス提供の継続を断念させることにつながる。

もっとみる
03.全体の完璧さ・不快感を与えない

03.全体の完璧さ・不快感を与えない

しくみを見直すことによってプロセスの改善を行うときに、不備が発見されないことがある。
または、上手く改善することで完璧になったはずのしくみでサービスを運営しても、サービスが思うように改善されないことがある。

しくみの改善を行うとき、基本サービス提供前、提供中、提供後のプロセスや、さらに細かい取り決め、ルールなどの各パーツは完全であっても、それらが組み合わさってトータルサービスとなったときに、はじ

もっとみる
02.サービスが確実に提供される前提

02.サービスが確実に提供される前提

全てのルールは「サービスを提供するため」に存在する。
マニュアルも同様である。
画一的に行う目的で、行動を強制するために存在するのではない。
利用者に満足を与えるためでもない。
接客者の便利のためでもない。
物事が正しく履行されるために存在する。

よってまず、画一的に行うため、利用者の満足のため、接客者の便利のため、に作られている部分を見直し、改善するか、削除する。

改善とは、サービスを正しく

もっとみる
01.しくみの改善

01.しくみの改善

しくみと接客の改善が必要とされるとき、先にしくみの改善から行う。
しくみはルールであり、マニュアルであり、トータルサービスである。
接客は定まらないルールのままに、統一してサービスを提供することができない。

ルールが不安定なままにサービスを提供すると、利用者は混乱し、提供されるサービスにばらつきが生じる。
したがって、現場で実行される接客よりも先に、基準となるしくみを改善しなくてはならない。

もっとみる
10.再定義の手順

10.再定義の手順

再定義を行うには、まずサービスの特性と、環境適応の関係を知る必要がある。

特に、サービスが上手く機能しなくなった理由が、嗜好の変化よりも先に、技術の変化にあるのか文化の変化にあるのかを観る必要がある。
技術の変化の場合、短くても過去3年間に社会や業界に影響を与えた技術によって、提供するサービスの定義が変化していないかどうかを調べる。
文化の変化の場合は過去10年の間に、業界に対して影響を与える社

もっとみる