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サービスコラム 第11~15章

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第11章 サービスの変化に対応する 第12章 プロセスの対策・しくみ 第13章 プロセスの対策・接客 第14章 ブランドの対策 第15章 NPOのサービス
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03.ボランティアにサービスを組み込む

03.ボランティアにサービスを組み込む

ボランティアが個人の善意の範囲で活動するのではなく、体系的に大がかりに提供されるようになると、継続活動に必要な他の要素を取り入れることが必要になった。
多くのボランティアがなかなか継続せず、継続しても規模が大きくならず、規模が大きくなっても活動が失敗に終わることがあるのは、事業で必要とされる経済的要因と社会的要因が極端に弱いという理由がある。

ボランティア団体は通常、収益の確保とマーケティングが

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02.奉仕の生い立ち

02.奉仕の生い立ち



マザーテレサがインドで何十年もボランティア活動を続けたことと、ボランティアが西洋やアングロサクソンの国で発達していることには共通する理由がある。
西洋、アングロサクソンが富める者で、その他が貧しい者という意味ではない。
根底に宗教が関係している。

もともとボランティアは、富める者が貧しい者にではなく、貧しい物が富める者に仕える行動のことを指した。
それは人が神に対して仕えるということを基本に

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01.奉仕の特性 提供と被提供の関係

01.奉仕の特性 提供と被提供の関係

NPO法人や多くのボランティアが志は立派でもうまく運営することができない原因は、サービスを正しく利用しないことにあります。

日本ではボランティア団体に対する寄付金を運営資金として集めることは、一部の大規模組織を除いて難しく、この問題を解決するためにサービスをうまく活用する必要があります。

このトピックスでは、その考え方の基本をまとめてみました。

ボランティアでは、奉仕を活動の軸にする。
目的

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05.メディア戦略の不備対策2

05.メディア戦略の不備対策2



マーケティング担当の理解によってブランドが正しく認識されても、コンセプトが軽視されたり無視されたりすることで、ブランドに悪影響が生じることがある。

マーケティングによってブランドが正しく伝えられることは、喜ばしいことであるばかりでなく、サービスの継続提供に不可欠である。
しかし現在のブランドを強化し、促進する作業だけを中心に活動すると、サービスのあるべき姿はいつまでもお客に理解されないままと

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04.メディア戦略の不備対策1

04.メディア戦略の不備対策1

ブランドがサービスの直接的原因によらず崩れる場合がある。
原因はサービスとマーケティングの連携不備にある。

マーケティングはマーケットを観察し、ニーズの把握を行い、宣伝広告や集客を実行する。
サービスが成熟してくると、マーケティングの役割はブランドの浸透へと移る。
サービス利用者に対する理解一致を強化し、定着させる役割を果たす。

そのブランドイメージを強化し定着させる際に、次の4つの視点からブ

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03.新しいサービスの取り入れ対策

03.新しいサービスの取り入れ対策

上位・下位ブランドを構築するほど大げさではなく、大げさでない代わりにサービス提供者がよく企画し、実行するのが、提供するサービスを増やすことである。
つまり新しいサービスを生み出し、提供することである。

このときにブランド力が低下し、サービスが上手く機能しなくなるのは2つの視点がある。

ひとつは、新しく生み出したサービスがコンセプトに適っていないか、既にあるブランドに適っていないケース。
もうひ

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02.上位・下位ブランドの対策

02.上位・下位ブランドの対策

サービス提供者はサービスが上手く提供できたとき、そのサービス提供の経験を活かすことのできる、別ブランドを立ち上げることがある。
最も単純なものは価格帯に差をつける方法で、ローソンが展開する上位ブランドのナチュラルローソン(自然に優しいイメージとしても展開)と下位ブランドの100円ローソンは事業としてもサービスとしても成功している。

しかし多くのサービスが別ブランドを展開するとき、これまで培ったブ

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01.コンセプト反映の手抜き対策

01.コンセプト反映の手抜き対策

ブランドが弱まったり崩れたりすると、サービスは上手く機能しなくなる。
かつて理解が一致していたものが、現在はお客の疑問によって崩れている場合、速やかにブランドを維持し継続する手を打つ必要がある。
対策としては4つある。

これまで提供者と利用者の間で理解が一致していたものが、突然不一致に変化するとき、その原因はほぼ100%サービス提供者側にある。
そして、その大部分がこの「コンセプト反映の手抜き」

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05.人事としての接客者の変更

05.人事としての接客者の変更

接客者のレベルと配置はこれまでに書いた4段階、第1に正確にサービスを提供できる段階、第2にマイナスを挽回することができる段階、第3にサービスの枠を超えることができる段階、第4にサービスの提供を断ることのできる段階の、第1から第4のレベルに応じて配置する。

接客のレベルが高い、または適切であるのにサービスが上手く機能しなくなるのは、レベルに応じた人事配置に間違いがあるか、これらの条件を満たさない人

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04.サービスの提供を断る作業

04.サービスの提供を断る作業

サービスの提供を断るべきであるのに、断らないことによってサービスが上手く機能しなくなることがある。

しくみの設定や改善で、提供しないサービスが何であるかが明確に定まったら、これを実行しなくてはならない。
コンセプトに沿っていても(沿っているからこそ)提供しないと決めたサービスは「提供しない」とサービス利用者に伝える必要がある。
大々的に公開して伝えるか、問い合わせがあった場合にのみ伝えるかは、提

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03.サービスの枠を超える作業

03.サービスの枠を超える作業

基本的なサービスを正しく理解してそれを提供できるようになり、問題に対して正確に対応できるようになったら、サービスの枠を超える接客を行う。

それはルールやマニュアルに反した行為で、本来の正しいサービス提供ではない物事である。
しかし、行わなくてはならないケースが3つある。

基本サービス提供の不備を取り戻すとき。
初めてサービスを受ける人に対応する場合。
特別利用者に対してサービスを提供する場合の

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02.マイナスを挽回する作業

02.マイナスを挽回する作業

マイナスとは、基本サービスの提供に対して阻害となるマイナスのことである。
このマイナスをもたらす最も大きなものがクレームで、そのクレームに対してしくみの改善では「問題対処」する。

接客でのクレームに対する考え方は「機会対応」となる。
と同時に、接客はしくみを実行することでもあるので、しくみの実行として「問題対処」も行う。
機会対応は社外対応で、問題対処は社内対応(改善)でもある。

社外対応とい

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01.接客の改善・正確なサービス提供

01.接客の改善・正確なサービス提供

しくみの改善に着手したら、同時かそれ以降に接客の改善に入る。
接客の改善には5つの視点がある。

第一に、正確にサービスを提供する作業。
第二に、マイナスを挽回する作業。
第三に、サービスの枠を超える作業。
第四に、サービスの提供を断る作業。
第五に、人事としての接客者の変更。

第一から第四までは接客者に必要とされる能力の順でもある。
接客が原因でサービスが上手く機能しない場合、それぞれの段階の

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05.予想外の対応・提供しないサービス

05.予想外の対応・提供しないサービス

しくみは万能ではない。
むしろ永遠に不備であり続けるからこそ、定期的に見直し、経験を蓄積し、改善し続けなくてはならない。
コンセプト実現のために、より完璧に向けて改善し続けるようにする。
それでもマニュアル化できない物事はやはりある。

過去に経験がないこと。
想像の範囲を超えた災害などはこれに当たるが、発生する確率が低いということと、このような場合に果たしてサービス提供が継続できるかどうかが疑問

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