教育格差とイノベータ②
「教育格差に対して支援そのものを不要にする」という改革アプローチに「イノベータ育成」が処方箋のひとつになりえないか の第2回です。
今回は「2章 若きイノベータの肖像」で掘り下げてみます。
カーク・フェルプスは若くしてiPhoneのプロダクトマネジャーに抜擢されたイノベータ。何がどうなってそういった子に育つのか。
実は僕自身、プロダクトマネジャーの経験があります。企画、商品開発、背製造生産、営業企画、宣伝とまさに多岐にわたる横断的なポジションであり、様々な知識や経験が必要でした。
多くの人々にうまいこと動いていただくためのコミュニケーションスキルも必要でした。お客様に受け入れていただく商品を提供する過程で、社内外の様々な人々との取引に折り合いをつけなければなりません。
今までの人生で最も過酷で多忙で挫折を繰り返した時期でした。
カークがイノベータへ成長していく経路にはいくつかポイントがあったと筆者は記載いています。
カークの両親は、カークの興味あることを自身でみつけさせるために様々な環境を経験させたそうです。
子どもの行動範囲や自身で経験できる環境は大きくはないと思います。つまり知らないことに興味を持つというのは理論上ありえないのではないでしょうか。
裕福ではなかったり親自体に経験がないと難しい場合もあるでしょう。逆に裕福ではないものの親に経験がある場合は意外に簡単な場合もあるかもしれません。
一方で、学校や地域が、多くの経験できうる環境を子どもたちの与えることはできないのでしょうか。図書館の本を読むことで疑似経験を得られる場合もありますが、もっとリアルで生の経験も有用ではないかと考えます。
この辺り、教育格差問題を解決するパズルのピースの1つかもしれません。
カークの父親はIT企業を経て、スタートアップで働いてるようです。父親の生きてきた環境や経済的な余裕のある状況もカークに良い影響を与えたのかもしれません。
様々な環境下でもイノベータは育つのでしょうか。そういったところに話は続いていきます。
次回はSTEM系イノベータについて考えます。
STEM:Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)
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