お金は大切。だが、お金だけでは幸せは訪れない。
上記、ひろゆき氏のコメントが、それなりに話題らしい。
結論から言えば、ひろゆき氏のコメントは正しいけれど、説明が足りない。ひろゆき氏なので、あえてこういう言い方をしているのだと思うのですが。まあ、物議をかもす言い方ですね。
やりがいもお金があって得られるもの
やりがいよりもお金に対しては賛成です。ただし、お金だけが大事なのではなく、マズローの欲求5段階説よろしく、段階の問題です。ひろゆき氏も書いているとおり、「大切なことを実現するためのお金」が大切であるのであって、そのお金が満たされたら、人間は次の欲求が発生します。そして、最終段階で自己実現欲求=やりがいを求めるようになるのです。
だから、常にやりがい<お金になります。ただし、「家族を養ったり、子どもによい教育をさせる」ためのお金なので、マズロー的には社会的欲求に相当するのではないでしょうか。
ひろゆき氏の言葉を字面どおり読むと、「やりがいなんてクソだよね。お金があればいいじゃん」になりますが、背景を踏まえると「家族を養ったり、子どもに良い教育をさせるためにお金が必要。そのためのお金を稼ぐことのほうが、やりがいより大切だよね」という意味になります。
何のためのお金かを考える
この観点は非常に大切で、お金だけが大切だという考えがベースだと、ビッグモーターのようになるからです。あの問題も「売上至上主義」「1000万円もらっているから会社の言うこと聞かないと」と、お金がベースになっています。逆に言えばお金以外の価値観がなかった。だから、問題を起こしたのです。ビッグモーターに限らず、あらゆる企業がいつ陥ってもおかしくない病気です。
さらに、ひろゆき氏は仕事に承認欲求や自己実現欲求を求めていないから、仕事にやりがいなんて必要ないと断言します。ああいう物言いで世の中に物議を醸すのが、彼流の承認欲求や自己実現欲求ではないかと邪推していますが。
仕事でなくても、やりがいは大切
かならずしも仕事に承認欲求や自己実現欲求を求める必要はありません。むしろ、いろんなコミュニティで欲求を実現できる環境こそが、健全と考えています。
ただ、人生の1/3近くを仕事に費やしているのが、多くの人の実情です。家族を養い、子どもに良い教育を受けさせられるお金があるのであれば、仕事にやりがいを求めてもいいのではないでしょうか。
でも、やっぱりお金は大事
という前段を踏まえ。
それでも、生活のためにはお金は重要です。しかし、給与だけに依存するからやりたくもない仕事をすることになるし、お金の奴隷になってしまいます。かといって、いきなり副業や投資はハードルが高い。
まずは、この3つから始めるのが、お金の奴隷から脱する一つではないでしょうか。
ふるさと納税
企業型DC/iDeCo
住宅ローン控除など
一言で言えば、もっと控除をうまく使いましょう、という話。
誰もができる控除の最たるものが「ふるさと納税」です。仕組みを説明するとややこしいのですが、つまるところ「返礼品分がお得になりますよ」という制度です。
本来、自分が住む自治体に納める住民税の一部を、自分の意志で別の自治体に納められるのが、ふるさと納税です。自治体によって御礼の品(返礼品)を送られるので、住民税の総額は変わらないですが、返礼品分だけお得になります。正確に言えば、返礼品分ー2000円(事務手数料)ですが。
ふるさと納税は、一切のデメリットなく返礼品分だけお得になります。この制度を使わない手はないでしょう。
企業型DC/iDeCoは、どちらも同じ「確定拠出年金制度」です。要は自分で自分の年金を運用する制度のこと。企業型DCは所属する企業が間に入ってくれるのに対し、iDeCoは個人型。自分の責任で行う確定拠出年金となります。
何がお得かといえば、掛け金に税金がかからないことです。月給30万円の人の税金はざっくり20%。なので、月6万円が税金として徴収されます。しかし、企業型DC/iDeCoを使うと、たとえば毎月2万円を拠出した場合、その分を引いた28万円に税金がかかります。税金は5.6万円ほど。
そう。企業型DC/iDeCoを利用した分だけ、税金が安くなるのです。しかも、運用で出た利益にも税金がかかりません。引き出す段になって税金がかかりますが、それも税制優遇があります。
60歳まで引き出せないというデメリットはありますが、そのデメリットを補うだけの税制優遇があります。老後資金を貯めると考えれば、これほどメリットのある制度はないでしょう。
最後の住宅ローン控除は、人によって使えない場合があるので、一概にお薦めはできません。しかし、住宅ローン控除は「年末時点での住宅ローンの残高の0.7%」が減税されるので、かなり大きな金額になります。(条件によって金額が異なるので要注意)
そのほかにも、控除(減税)されるものがあるので、ご自身の状況によって、さらなる減税が期待できます。ただし、金額が大きいものは上記3つなので、他の控除は年1~3万円程度になりますが。
生活に余裕を、人生に潤いを
以上のように、税制優遇や減税(控除)をうまく活用するだけで、今よりも生活は楽になります。お金の奴隷から開放される第一歩です。さらに生活費を見直せば、より使えるお金は増えます。
生活に余裕が生まれることで、より家族や自分のためにお金や時間を使えるはずです。余裕が生まれれば、仕事や別のことにやりがいを見出すことができ、より豊かな人生を送れるのではないでしょうか。
「やりがいのある仕事」がすべてではありません。しかし、仕事や趣味、なにかにやりがいを持つことは、人生にとって必要です。そのためにお金と心の余裕は不可欠です。
お金=幸せではないものの、幸せになるためのツールの一つがお金であることは間違いありません。ひろゆき氏が言及しているアフリカの例も、家族を幸せにするためにお金が必要だから稼いでいる、という「幸せになるためのツール」=お金ではないでしょうか。
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