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求人ライターは、マジで業界・職種の勉強をすべし

企業や求職者に厳しい話をしているので、たまには自分の業界・職種について厳しい提言をしたいと思います。

求人ライターって、「ライター」という名前がついているから、「書くことのプロフェッショナル」と思いますよね?

実は違うんです。というのも、ライティング業界の中で求人ライターは格下の存在です(自分で発言して悲しくなりますが)。ライターになりたい未経験が転職しやすい業界の一つではないでしょうか。

どういうことかというと、世の中には求人の代理店が数多くあり、それら企業での募集が多いからです。募集内容もピンキリで、純粋なライターもいれば、制作営業などの名前のライター兼営業という方もいます。

ですが、ライティングの中でも求人は定期的にあり、しかも数が多いため、需要があります。

もちろん、プロフェッショナルな方もいます。求人ライター=レベルが低いというわけではないので、ご注意ください。

なぜ、求人ライターは業界・職種の知識が乏しいのか

ただ、レベルが低い方が多いのも事実です。ライティングのスキルも低いのですが、特に業界・職種の知識が乏しい方がかなり多く存在します。

なぜかというと、彼らは業界・職種にまったく興味がないからです。ライターになりたくて入社したものの、求人にも担当する業界や職種、企業にも興味がありません。

彼らは雑誌やWeb上に掲載されている記事を制作するライターや、広告のコピーライターになりたい人が圧倒的です。ですから、文章を書くことに興味はあっても、業界や職種、企業には興味を持たないのです。

気持ちは分かります。私も求人ライターになろうと思って、この業界に入ったわけではないので。というか、求人ライターになりたくて、この業界に入る方は皆無に等しいでしょう。

ですから、求人ライターは格下に扱われるのですが……。

しかし、私たちに一番求められるのは「業界・職種の理解・知識」です。求人の差別化を図るうえで、業界や職種の常識・平均・トレンドを知らなければ、制作する企業の求人が魅力的なのか、そうではないのかが分からないからです。

私がメインで担当しているIT・Web業界は、その極みと言ってもいいかもしれません。同じようなSIerやSESが乱立し、給与帯も仕事内容も同じ、福利厚生などの条件も代わり映えがしない。けれど、経験者がほしい。そんなオーダーは山ほどあります。

で、多くのクライアントが「うちに魅力なんてないんだけど…」という前置きから始まります。

そうすると、営業や求人ライターは「応募条件を下げましょう(未経験にしましょう)」「給与を上げましょう」「残業時間・年間休日などの働きやすさを訴求しましょう(最近だと在宅勤務かな)」、そんな提案しかしません。

マジでクソだな、と思います。

そんな話は素人でもできます。あなた方はプロなんですか?と1時間くらい問い詰めたくなる気分です。

求人ライターが求人ライターのプロとして名乗るためには、業界・職種の知識が不可欠です。

技術職や専門業界の知識を深めろ

もちろん、すべての業界・職種に精通するのには無理があります。また、販売・サービス業はtoCサービスで私たちになじみがあり、未経験を募集するのであまり意味がないと言えます。

しかし、IT・Web、製造業、化学・医療系、金融、コンサルティングなどの専門性が高い業界は知識が必要です。

特に求人ライターとして差がつくのは、「IT・Web」「コンサルティング」「機械・電気電子系製造業」だと思っています。技術職や専門職かつ需要がある業界・職種なので、これらの業界・職種をまったく知らない・分からないという求人ライターはスキルを疑います。

確かに、「求人広告」なのでキャッチコピーや広告・宣伝が上手なライターもいます。そういう方は分かりやすい業種・職種で未経験募集だと能力を発揮するでしょう。

しかし、企業が本当にほしいのは(多くの場合)経験者です。経験者に興味を持ってもらう求人広告を制作するためには、業界・職種知識がベースになります。

IT・Web業界も未経験求人が乱立していますが、ほとんどの企業は経験者がほしいと考えています。事実、昨年のコロナ当初、IT・Web業界の掲載求人が大幅に減少しましたが、減少したのは未経験求人で、経験者向けの求人はほとんど減少していませんでした。

まとめ

というわけで、本日のまとめ。

「求人ライターを名乗るなら、業界・職種の勉強をしろ」

企業が求人広告を出すとき、担当する求人ライターに業界・職種の知識があるかどうかを見極めたほうがいいでしょう。

求人ライターの上司や同僚に、優秀な人がいて、その人のサポートを受けられるなら、まだいいほうです。しかし、IT・Web業界の知見を持っている求人ライターは本当に少ない!

本当に効果を出したいのであれば、(汚い言い方ですが)金を積んででも優秀な求人ライターに変えるべきです。

広告なので、一見雰囲気の良いものをつくる求人ライターもいます。しかし、中身はスカスカ。まさに羊頭狗肉の状態です。それでは経験者を採用できません。

(採用できない理由は求人広告だけの理由でもないのですが、その話はまた別の機会に)

あえて自分の業界に対して厳しいことを言いました。この記事が求人広告の質の向上につながれば幸いです。「お前、何様のつもりだ」と怒られそうですが。

よろしければ、サポートをしていただけると嬉しいです。サポートが今後の活動の励みになります。今後、求職者・人事担当などに有益な情報を提供していきたいと考えています。