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給与を上げたかったら、ビジネルモデルを見よ

みなさんの給与は、どこから出てくるのか。それは企業運営から得られる利益です。ざっくりといえば、以下のとおりです。

売上 - 支出 = 利益

会計的にはどこまで支出に含めるのか、人件費(=給与)は支出に入るだろと突っ込まれますが、簡単に説明するためにご容赦を。

■給与の出どころ=利益の上げ方を見る

いくら1兆円稼ぐ企業であっても、そのために9,900億円を使ったら、残りは100億円しかありません。一方、100億円の売上を上げる企業でも支出が1億円だったら、99億円の利益です。

どちらの企業が優秀かは一目瞭然で、後者でしょう。一般的に設備投資が必要な製造業は利益率が低く、IT企業や人材サービス企業といった設備投資がいらない業界は利益率が高い傾向にあります。

別に転職すらIT企業だ!なんて言いません。

最近の製造業ではファブレス企業――工場を持たない企業が登場しており、利益率の高い企業も存在するからです。代表的な企業はAppleです。

また、サブスクのビジネスを展開している企業も定期的な収入が得られ、使ってもらえばもらうほど、コストが低減していきます。提供するサービスが一定で、100人に使われるより1万人に使われるほうが1人あたりのコストが下がるからです。

大切なことは、その企業がどのようなビジネスモデルで利益を出しているか。

<高利益率を出しやすい企業>
・成長している産業
・設備など固定コストが少ない
・商品・サービスの粗利が高い
・サブスクなど、毎月の収益が見込める
・ニッチなビジネスで競合が少ない

先日、アメリカのダウ平均に組み込まれたSalesforceは、まさに上記のパターンに当てはまっています。クラウドERPという(立ち上げた当時)競合が少なかった産業のファーストペンギンとして利益を享受しています。

■大手企業=高利益率、というわけではない

もはや大企業=高収入という構図は崩れつつあります。トヨタのようにEVや自動運転といった新しいビジネスを創造しつづける企業や、ファーストリテイリング(UNIQLO)といったDXでビジネスモデルを変革している企業なら、大企業でも今後も成長の可能性がありますが。

しかし、保険や証券、銀行といったサービスの差別化が難しい産業は、一部の勝ち組を除き、淘汰されていくでしょう。実際、地銀は数年前から統合・再編が起こり、地銀から別業界へ転職する若手バンカーも少なくありません。

以上のように、転職で給与を上げたい方は転職先のビジネスモデルを見てください。同じ高利益率のIT企業でも元請け案件が多のか、2次請け・3次請け案件が多いのか。コンサルや企画、要件定義フェーズが多いのか、開発フェーズが多いのかを見る必要があります。

元請け案件や上流工程のほうが単価は高くなりがちです。(残念ながら、SI業界では開発が一番利益が低い)

2次請け・3次請けSIerでも高い給与を提示している企業は元請け案件が多いか、運用・保守案件が多くサブスク的なストックビジネスを展開している可能性があります。

一見すると同じ給与でも、内実はまったく異なります。

■転職で叶えたいことは、なんですか?

ただ、個人的な意見を言わせていただければ、給与だけで転職先を決めるのはオススメしません。多くの場合、給与が高い=激務・割りに合わないことが多いからです。

しかも、ビジネスモデルによって最初は高い給与でも昇給率が低いということも。

また高収入の企業ほど営業会社のような社風です。社風や社員と合わないと、自分の能力を100%発揮できないなど、働くのがつらくなってしまいます。

あなたにとって何を変えたいのか、何を大切にしたいのかを考えたうえで、転職されることをオススメします。

よろしければ、サポートをしていただけると嬉しいです。サポートが今後の活動の励みになります。今後、求職者・人事担当などに有益な情報を提供していきたいと考えています。