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Door to hell...

わかってる。これから先、厳しい生活が待ち構えていることも。それが長く続くことも。でも、俺の個性を、価値観を大切にした結果なのであれば、全て受け入れよう。未来への投資、自己投資。大丈夫、俺ならやれる。。。



I believe。。。
ポチッとな。



これが、人生初のローンである。



私は、音楽活動を続けながら密かに思い続けていた。あぁ、自分の機材が欲しいなぁ。どの会場に行っても100パーセントの力を出せるって、なんと素晴らしいだろう。


ライブをしていた方々はわかると思うが、ライブハウスによって機材が全然違う。ドラムの場合は、取り扱っているメーカー毎に可動部分の構造が違っていたり、音の特徴が違っていたりと、そういった違和感でその日のテンションに影響が出てきてしまう。まだまだ半人前のため、違和感が強いと集中力がかけてしまうのだ。


そこで、その違和感を払拭してくれるのが個人機材ということだ。私は音よりも叩き心地に違和感を感じやすいため、まとめてスタンド類を購入。更には、チューニングで変化を付けられないシンバル類も購入した。


しかし、それと同時にかなりの金額がかかってしまう。当時、本当に金欠状態であったにも関わらず、なかなかの金額を購入してしまった。バンドのため、プレイの為と言いながらもそんな大金、当時の私は持ち合わせていない。そこで登場するのが、魔法のローンである。大義名分の名の元であれば許されるのだ。(自己完結型)


ローンを組む事が初めてだったため、もうドキドキだ。頭の中で完済までのストーリをたて、手堅く設定していく。



よし、これなら行ける!!
という事でローンを組んだ。



理想の音を追求する我々はそんなもの気合いで何とかしてやると、大層な志でローン生活が始まる。


必死にバイトして、ライブして、返済して、バイトして、ライブして、返済して...1年半ぐらいだっただろうか。ようやく返済の最終回を迎えた。



完全に手元の機材は私のものだ!!


歓喜の瞬間。
この上なき喜び。
とうとう、ものにすることが出来た!!


よっしゃぁー!!
これからもめっちゃ使うからなーっ!!


心の中でひっそりとガッツポーズをする。


手に入れるために何かを必死にすると非常に愛着が湧く。全て返し終えた時にローンも悪くないなぁんで思うもので、そうするとあの機材この機材と色々欲しくなってくるのだった。。。



...というのを


とある土曜日の晴れた昼下がり、
久々に機材のメンテナンスをしたときに
ふと思い出したのであった。


こころなしか、
この日は普段よりも輝いて見えた。

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