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結晶小噺:デンドライトとフラクタル

デンドライトと聞くとなんかカッコいい響きだなと感じるのは私だけでしょうか?

デンドライトというのは結晶のとある形態の1つです。図を見てもらうと分かりやすいのですが樹枝状結晶とも言われるまるで、樹木のような形をしています。

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今回はそんなデンドライトについて簡単に紹介したいと思います。


デンドライトとは

結晶の形態(モルフォロジー)の1種で中でも有名で重要な形の1つです。

例えば電池のショートなんかはこのデンドライトが原因の1つだといわれています。


デンドライトの形状は樹枝のように枝分かれしては成長しという形であり、フラクタルの一種とされています。


フラクタルとは

少し難しい概念ですが、簡単に言うと拡大しても縮小しても同じ形に見えるもののことをフラクタルといいます。note上でもわかりやすく解説されている方々がいます。

樹木の枝別れや海岸線もフラクタルといわれており、拡大しても同じ形が続きます。


デンドライトのでき方

どうやったらこんな複雑な形ができるのでしょうか?
原子がくっついてある程度大きくなると結晶が成長するんですが、普通はそんな簡単にはくっつかないのです。基本的に原子は最も安定な居心地のいいところにくっついて、結晶は大きくなっていきます。

原子はゆっくり少しずつ結晶に取り込まれて、大きくなった結果きれいな多面体の水晶のような鉱物が出来上がるんですね。この時、原子は結晶にくっついたり離れたりを繰り替えして、居心地がよかった時に結晶の一部となります。

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何万年?何億年?ちょっとスケールがわからないですが、気も遠くなるぐらいの時間をかけてようやくこのきれいな形ができるんです。

それに対して、デンドライトの結晶は一気にできます。びっくりするぐらい猛スピードででできるんです。例えば、塩水を垂らして乾燥させながら顕微鏡で観察すると、見る見るうちに樹枝の枝分かれ結晶が観察されます。

原子が結晶にくっついた途端に取り込まれていった結果、枝分かれのあるデンドライトが出来上がります。

他にもすぐにでも凍ってしまうぐらい冷やされていたり、ものすごく濃厚な溶液だったりしても、デンドライトが発生します。このような超冷やされていたり、超濃厚だったりするのを専門用語では過飽和といいます。


小噺といっているに深入りするとすぐに難しい話になってしまいますね…


最後に

不思議な結晶の世界いかがだったでしょうか

雪や宝石をはじめとした結晶はその原子の並び方を反映してきれいな形を作り上げます。
結晶の形は他にもいっぱいあるので、たまに紹介していきたいと思います。

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