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鉄と鋼の違い【1分で読めるミニ記事】

みなさんは鉄と鋼の違いをご存じでしょうか?

意外と知らない人が多いと思います。私も大学の授業で習うまではあまり気にしたことがありませんでした。

鋼(はがね)と聞くと何やら強いイメージがありますが、果たしてどうなんでしょうか
今回はそんな鉄と鋼について簡単に紹介したいと思います。

鉄と鋼

鉄と鋼は明確に異なる物質なんです。誰でもわかるように鉄はただの鉄(元素記号Fe)です。当然、自然界ではわずかに不純物を含みますが、とりあえず厳密な話は置いておきましょう

一方で、鋼は鉄と炭素が混ざったものです。混ざったといっても、鉄くずと炭がが混ざっているわけではなくて、原子レベルで混ざっています。数パーセント程度炭素が含まれた鉄を鋼といいます

さらに鋼と一言で言っても、いろいろな種類があります。

下の図は材料屋さんにおなじみの状態図です。

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wikipediaより参照

この図に出てくるようなオーステナイト、パーライト、フェライト、セメンタイトというのは鋼の組織の名前です。原子の並び方や組成が少しずつことなります。

どれが1つが出てくるというよりも、これらの組織が温度や炭素濃度によって状態や割合を変えて現れることが一般的です。とっても奥の深い分野ですね。


なぜ炭素を混ぜるのか


そもそもどうして鉄に炭素を混ぜる必要があるのでしょうか。

これは一般的な鉄は柔らかいという性質があって、車とか建物に使うには向いていないという問題があります。そこで非常に高い強度を持つ鉄が欲しい時、炭素と混ぜることで強化します。

脆さと強さ(靭性)に関しては、以前紹介したダイヤモンドの記事を見ていただけると雰囲気わかるかなと思います。

ググると鉄は脆いみたいな記事が出てきますが、これには少し違和感があります。おそらく、鉄が空気中で反応した結果、脆くなるか、銑鉄(炭素がとても多い鉄で脆い)のことを指しているかのどちらかだと思います。

最後に

あまり気にならないことも、まじめに調べてみると結構奥が深いことがわかります。

たまには短め雑学風にやってみるのも面白いですね。


おまけ

あと、不純物が極端に少ない鉄や、単結晶の鉄などはそれぞれ特徴が変わります。ここらもいずれ記事にできたらいいなと思います。












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