”赤さび”だけじゃない様々な酸化鉄【1分で読めるミニ記事】
錆(さび)というと体がさび付くとか比喩されるようにあまりいい印象のある言葉ではありません。実際、鉄が酸化した酸化鉄である錆は鉄をボロボロにしてしまうため、建築などでは大敵でしょう。
とはいえ、すべての酸化鉄が悪いものとは限らないのです。今回は、いろんな酸化鉄について簡単に紹介したいと思います。
赤さび(Fe2O3)
はじめに一般的に嫌われる赤さびについてです。これはいわゆる錆といわれるもので、鉄をボロボロにするタイプです。
鉄の表面に生じて、水と仲良く吸着するため、どんどん腐食が進んでしまいます。
黒さび(Fe3O4)
こちらは赤さびに対して、鉄を守ってくれるタイプの錆です。つまり同じく”さび”という名前がついているのにボロボロにしないタイプ錆があるんです。
有名な例では南部鉄器などが挙げられます。黒く美しい南部鉄器は表面全体に錆が覆っているのにも関わらず腐食することがありません。これは表面の酸化被膜が赤さびができることを防いでくれているんです。
ちなみにさびない鉄(鋼)であるステンレスについてはこちら↓
磁鉄鉱(マグネタイト、Fe2+Fe3+3O4)
こちらは天然の磁石として有名です。磁石=マグネットといった方がわかりやすいかもしれませんね。マグネタイトは通常の磁石としては弱いものの、磁性という特徴を持っています。
ちなみに誰でも一度は見たことがある砂鉄の主成分はこの磁鉄鉱が細かくなったものです。
赤鉄鉱(ヘマタイト、Fe2O3)
ヘマタイトというと宝石好きや鉱物好きなら聞いたことがあるかもしれません。よくパワーストーンなどで土産屋においてある黒光りしている石です。黒いのでキラキラした輝きはないものの、とてもきれいな石なので宝石などにも使われます。
よく見ると化学式は赤さびと同じFe2O3のようですが、実は赤さびは水や水酸化物(OH基)がくっついている状態のようですね。
またヘマタイトはα-Fe2O3という種類のもので、これの色違いのγ-Fe2O3というものもあるようです。
最後に
今回は錆または酸化鉄について簡単に紹介しました。身近にあるけれど意外と知らなかったという方は意外と多いのではないでしょうか。
そして一概に酸化鉄といっても赤さびから磁石に宝石まで幅広いですよね。また色も赤から黄色まで変化するため、顔料としても利用されているようです。
本当に酸化鉄といっても奥が深いですね。
画像はwikipediaより引用
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