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再びクラクフ〜ベルリン。ウクライナの難民ファミリーと一路!Part3 笑顔 

それでも生きると言うこと。

翌朝早く起き、それぞれワルシャワ、プラハ、ベルリンと再び帰路に着いた。前回の列車は難民の方々で満員だったけれど、今回は打って変わってガラガラ。お洒落したポーランドのご婦人お二人が座る個室のドアを開け、こちらよろしいかしら?と中へ入った。
車窓の窓からは、ウクライナの国旗の色のようにどこまでも続く菜の花畑が広がっていた。

この地平線の向こうは戦地なんだな。
ピロギ弁当

再びベルリンまでの長旅に、持ってお行きよと夕べ出演したクラブMercyBrownがほうれん草とリコッタチーズが、もっちりした生地に包まれているピロギを持たせてくれた。美味しい! こんなお気遣いが長旅の疲れを癒してくれるのです。

各駅には難民の方々へのサポーターが必ずいて、食品や飲み物を配ってはいるのもの、今回はベルリンへはほとんど人は乗ってこないのかしら。戦争の状況はどうなっているのかしら。

ところがしばらくすると、大きな荷物を幾つも抱えた女性たちが私の個室へ入ってきた。まずお婆さんを座らせ、その目の前に可愛らしい男の子。この子が一生懸命荷物を渡しに邪魔にならないよう運ぶのを手伝っている。

「 いいのよ、ここに置いて! 私のスーツケースの上にのせちゃってね。」
彼ははにかみながらママらしき若い女性に目配せ。ママらしき人はまだまだ荷物を入れるのに大忙し。

個室は荷物で埋まった!

この若い女性が彼のお母さん。そしてお婆ちゃん、そしてひいお婆ちゃん!ウクライナは16歳以上の男性は国から出られない。この女性3世代と8歳の男の子。この中で英語が話せるのは若いお母さんだけ。たくましい!

「ベルリンからまた別の街へ行くのだけれど、ベルリンでちゃんと泊まるところがあるかどうかが心配で。」
「ベルリンは手厚いボランティアがいるから大丈夫!もしなかったらうちに来ればいいよ。ただうちは、階段で5階(日本で言えば6階)だから、エレベーターやまたは2階くらいに住んでいる私の友人をあたってみるわ。」

「しっかしたくさんの荷物だわね。」
「そうなの!だってお気に入りのドレス詰め込んだら、全部持って行きたくなっちゃって!」
「わかる〜、女心〜!」
なんて戦争中ですが冗談言いながら。
終始なごやかな空気で、私の表情がくるくる変わるのが面白いのか、男の子が難民のみなさんに配られた食料からリンゴを私に差し出した。
「食べて!」
え!難民の人から恵んでいただいちゃったの?!なんだか照れるな〜。いただくね!

男の子がくれた赤いほっぺのりんご

ベルリン駅に近づいた頃、サポーターが乗り込んできた。
「全て心配ないよ!安心して。今からは私たちがお世話します。」

駅で私は皆んなとハグをした。特に長い道のりを頑張ってついてきたお婆ちゃんを強く抱きしめた。もう大丈夫。

気をつけてね。またどこかで会いましょう。どんな時も逞しく、明るい。暗闇の中にも作ろうと思えば小さな幸せは落ちていて、それが元気の源になったりするんだね。God bless you!


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