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お出かけnote14―円覚寺

先日、鎌倉観光を致しました。
前日に、はしゃぎ過ぎた上、
左腕の骨折まで抱えていたので
のらりくらりなお散歩でしたが、
お天気もよく
気楽に楽しいおひとりさまな
旅となりました。

■円覚寺の沿革

その日、最初に訪れたのは円覚寺です。

円覚寺は弘安5年(1282)に創建されました。
「弘安」と言えば、「弘安の役」
そう。
1274年、1281年と
二度に渡って勃発した蒙古襲来です。
円覚寺は、その戦没者の霊を
敵味方関係なく弔うことを目的として
開かれました。

開基は、蒙古襲来時の
鎌倉幕府執権である、北条時宗。
開山は、宋から来朝した高僧の無学祖元です。
かねてより深く禅宗に帰依していた時宗に招かれ
無学祖元は、蒙古襲来の最中に来朝したのでした。

■仏殿でこうべを垂れる

円覚寺では何度も印象深い時間を過ごしました。
その中でも特に胸に残っているのは
【仏殿】で過ごしたときのことです。

円覚寺の仏殿には
宝冠釈迦如来坐像がいらっしゃいます。

ほとんど人のいない仏殿のなかへ入り
そのお姿を拝見すると
思わずこうべを垂れてしまう荘厳さで。
何度見上げようと
そのたびに自然と視線が下がるのです。

そして、そのとき、
私のこころにあったのは
生かされてきたことへの感謝でした。

生きてる意味とか
ナニゴトかを成し遂げるとか
そんなごちゃごちゃしたことでなく。
ただただシンプルに
今ここに生きて在る、ということ。
そのことの温かさを
じわじわ感じ続けていたのです。

うん。

対話するでなく
自問自答するでなく。
ひたすら静かな時間がそこにはあって。
空気に馴染むと
なぜかずっとそこに居たいような気持に
なっていたのでした。

■富士山が見えた

円覚寺でもう一つ印象的だったのは
【国宝 洪鐘(おおがね)】です。

山門をくぐって、
ふらふらと奥のほうまで上り、
あちこちの建物に引き込まれるなかで
気持ちがすとんっと整っていきました。
そうして、満たされて
そろそろ出ようと、坂道を下っていると
不意に急な階段に出会ったのです。

看板に【国宝】って書いてあるし
とりあえず行ってみるか、と
階段を上ると。

まだ、上る。

さらに、上る。

って、えぇ
結構な段数がありました(泣)
だからといって、
引き返すのもしんどいので
何とか上がりきると。
そこには先客がいらっしゃって。

「富士山が見えますよ」

と教えてくださったのです。
マジか!と思い、端まで行くと
ほんとうに、遠くに富士山の姿が!!

12月で、既に冠雪していたので
くっきりはっきり
それが富士山だと分かり。
また、たまたま行き合った方と
その素敵な姿を分かち合えたことも含め
階段を上り切った疲れも忘れ、
とてもあたたかな、優しいきもちに
なれたのでした。

ちなみに、下りの階段。

■山の中にある、静かな場所

円覚寺は山の中にあります。

さほど人も多くなく
鳥の声や、葉擦れの音、
また、読経の声が響く
静謐な場所です。

ぽんやりした気分で歩き回るだけで
思考についていた余分な装飾物が
すんっと剥がれ落ちてく感覚があります。

いろいろ考え過ぎて疲れてしまったとき
視覚以外の感覚を澄ましたいとき
いらっしゃると良いかなと思います。

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