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【読書日記57】『継続するコツ』

私はかなり飽き性です。
ルーティンと言われる作業がほぼできません。
そんな私が今、
毎日「書くこと」を続けています。
仕事でもなく、おカネになるでもなく
評価されるわけでもなく
ただ書きたいから書き続けている。

時折、そんな自分に不安を覚えます。
もっと生産的な仕事をするべきではないか?
おカネになる方法を考えるべきではないか?
でも、前職でぼろぼろメンタルな私が
何をできるというのか?
わりと、ぐるぐると悩むことも多いです。

でも、今回読んだ『継続するコツ』
そんな私に喝を入れ、
前に進んでく力をくれる本でした。

■『継続するコツ』について

□坂口恭平著
□祥伝社
□2022年12月
□1600円+tax

「どんな言い訳をしてでも
やりたいことだけをひたすらやり続ける。
それが幸せに生きるためのコツだ」

本書の内容を端的にまとめると
こんな風になるでしょうか。

そして、内容云々というより
著者である坂口さんの
思考の流れや勢いに
読んでいる側がどーんっと流され
「ま、なんとかなるか」と
前向きになる力をもらえる本なのです。

エッセイともビジネス書とも違う
まさに「ジャンル:坂口本」としか言えない
強い意気込みを放つ本でした。

■継続するコツは

本書で語られる「継続するコツ」は
大きくまとめて3つです。

① やりたくないことをやらない
② お金とか生産性とか考えない
③ 人と比べない

何かを継続するために必要なことは
コレだけなのだと。
すっごくシンプルですけど
私自身を振り返ってみると
ものっそい強い説得力があるんですよね。

・ ・ ・

やりたくないことはハナからやらない
自分にとって「自然なこと」を
やりたいと湧き出てくることをやる。
そのためだけに時間を費やす。
それが継続するコツだと
坂口さんは言い切ります。

これはほんとにそうで。

たとえば、今私がやりたいのは
「本を読むこと」「文章を書くこと」
もちろん、他にもありますが
主軸としてあるのはこの二つです。
そして、そのためだけに
時間を費やしています。
だから、この極まって飽き性の私
毎日飽きずに
読んだり書いたりを続けられている

最初に書いたように
漠とした不安はあります。
でも、それよりも楽しさの方が勝っている。

例えば、ここに
お金を稼ぐこととか
生産性とかを持ち込んだら。
それは「やりたいこと」から
「やらなくてはならないこと」へ変わる。
そしたら、きっと
それは間髪入れずに
「やりたくないこと」に変わってしまう。

人と比べるのもそう
あの人は私と違って才能があるとか。
この人みたいにうまく書けないとか。
もっと言えば、
誰も私の作品に目を向けてくれないとか。
そうやって、
自分以外のヒトからの称賛を求めて
でも、それを得られなくて
辛くなって、自分を否定して辞めてしまう。

そんなの絶対にもったいないと
坂口さんは言い切るのです。

お金にならなくったって
他人からの評価がもらえなくったって
書きたいと思うなら書けばいい。
別に名作なんて書かなくていい。
まずは今の自分の衝動に任せて書き散らかす。
結果とか、評価とか
そんなめんどくさいものは投げ捨てて
四の五の言わず
やりたいことをやり尽くせと
そんな強い意気込みを
本書は惜しみなく放ち倒しているのです。

■言い訳をどこでするか

私も含めて、多くの人は
「やらない」ための言い訳を考えます。
お金にならないとか
人から反対されたとか
自分には才能がないとか。
でも、坂口さんは

「やり続ける」ための言い訳を考え、
それを端から実行していくのです

この発想は私にはなかったものなので
ものすごく驚きました。
また、それって明るくてやさしいなって
ちょっと気持ちが前向きにもなったんです。

自分を変えるでなく、相手を変えるでなく
自分と相手の環境を変える。

私自身、これまでの職歴から
人と一緒に働くことについて
かなり強い恐怖心を持っています。
また、書評を仕事にしたいと思うけれど
それが義務になってしまったらどうしようと
まだ何の仕事も来てない今から
戦々恐々としています。

それでも書きたいと思うなら。
自分の現況やできることを伝え
最善を尽くせる環境を自分で作る。
それってこれからの働き方として
とても面白いと思うし
すごく心強い考え方だなと思うのです。
このことを知れたのは
今の私にとって本当にありがたいことでした。

■まとめ

坂口さんが今書きたいことを
「今の自分」が書き続けるスタイルで
出来上がったのが本書
です。
読んでいると、
坂口さんの思考の流れに
読む側が清々しく巻き込まれ
いつの間にか坂口さんの思考が
自分の思考に寄り添ってくるイメージ。
だから、読んだあと
ごちゃごちゃ考えすぎてたことが
ふいっと消え去っていることに気づきます。

そして。

悩んでるヒマがあるなら手を動かせ。
それが幸せへのいちばんの近道だ。

坂口さんが坂口さん自身に
また、巡り巡って読む私たちに贈るエール、
それがこの本の本質かななどと
思ったりもするのでした。

何かをやりたいと思っている人、
やりたいけれど、何処か躊躇している人に
ものすごくおススメの一冊です。ぜひ。

#わたしの本棚

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