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【写真館235】かやのき

今日の一枚はコチラです。

名古屋城正門近くにある榧(かや)の木です。

国の天然記念物で、樹齢は約六百年。
信長さまが
那古野城城主をされていた時分より
ずっとずっと前から
この榧の木はここにいたんです。

でも、第二次世界大戦で
国宝だった木造天守が焼かれたとき
この榧の木も半ば焼かれてしまいました。

それでも、戦後
焼け残った半身が奇跡的に蘇り
今の姿にまで育ったのです。

今はひっそりと
繊細な糸を手繰るような細やかさで。
決して、生命力を漲らせる勢いが
あるわけではありませんが
それでものんびり余生を過ごしている空気を
そこに漂わせています。

だからこそ、榧の木は
まわりをぐるりと柵で囲われていますが
近くにいると、理屈でなく安心できるんです。

ずっと前、お城の人間関係で
苦しい思いをしたとき
榧の木の傍でぼんやり座りながら
でも、孤独ではなかった時間を思い出します。

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