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お出かけnote2 岡山①―後楽園

先日、一泊二日で
岡山市にお出かけしてきました。
二日で30000歩以上を歩く強行軍(笑)
それでも、心穏やかに過ごす時間を
旅から得ることができ
とても幸せでした。

■後楽園とは

後楽園は、岡山県にある
江戸時代に造営された
池泉回遊式の大名庭園。
日本三大名園の一つに選ばれています。
(あと二つは、金沢の兼六園、水戸の偕楽園)

後楽園
岡山藩二代目藩主 池田綱政公が命じ
貞享4年(1687)に着工、
元禄13年(1700)に一応の完成をみます。
その後も、各時代の藩主の好みで
手を加えられることはあったものの
江戸時代の姿を大きく変えることはなく
現代まで伝えられてきたそうです。

そもそもは
藩主の静養の場、賓客接待の場として
使われていました。
が、日を定めて
藩内の人にも観覧が許されていたそうです。

■想いが繋がっている場所

後楽園の散策で
いちばん強く感じたのは
「人々の想い」でした。

それは、もちろん
スピリチュアル的な何かではないです。

そうではなくて。

限りのある領内に
広大な庭園を造ろうと思い立った
綱政公の想い。
園を代々受け継ぎ、
自分の好みも入れつつ
でも、培われた庭の体裁は守った
歴代藩主の想い。
また、
庭園を観覧した領民たちが
受け継いだ想い。

さらに言えば。

それらの想いを守ろうと
都市の景観を後楽園基準にした
後の時代の人の想い。

そんなふうに
繋がる想いを庭園のカタチに映して
今の後楽園がある。

庭園の其処此処にある細やかな配慮が
それを強く感じさせたのでした。

■ちゃんと孤独になれる場所

後楽園はだだっ広いです。
たくさん人がいても
三密の心配はないのでは?と思うほど
広大な敷地を誇ります。

それほど広い園内を
日差しを浴び、風を感じながら
鳥や虫の声、せせらぎの音を聞き
緑の香りに身を任せて歩いているとき
私がふと感じたのは「孤独」でした。

ちゃんと孤独になれる場所。

それは「ぼっち」のような
負のニュアンスを持つものではありません。
そうではなく、
日々起こる些事の積み重ねの中で
揺らぎそうになる自分の芯を見つめ直し
自分に戻るための時間
を指します。

藩主は
領民や家臣たちの生活を守ることが
第一の仕事です。
もちろん、今の政治と同じく
いろんな人が、
いろんなことを言ってきたことでしょう。
やりたいこと、自分の理想。
そこに立ちはだかる諸々。
想像するだけで、心の弱い私など
「うわぁ」と叫び出したくなります。

そんな日々の政務の疲れを癒すのに
これだけ広大な場所を必要とした。

そりゃ、そんな理想論だけではなく
単に趣味とかそこはかとない顕示欲
あったろうとは思いますが(笑)
でも、これだけ広大で
細部にまで意匠を凝らした庭園は
歩く人にちゃんと孤独を与え
自分に戻るきっかけをくれたのだろう

思えてならないのです。

特に、廉池軒
綱政公が最も好んで利用していた
亭舎です。

ここからの眺望は
まるで絵画を見ているようでした。
人々の喧騒からは離れているのに
円窓の外には
普段通り、人々が歩いている。
ここで座って、円窓の外を眺めながら
お茶を喫するだけで
ざわめいていた心が凪ぐような感覚
湧いてきたのです。

そして、それが
正しい孤独のひとつの在り方なのだろうと
理屈ではないところで理解したのです。

■日常と非日常のあわい

後楽園は、計算とは見せない計算が
あちこちに施されています。
何処を眺めても
新しい場所に来た気持ちになれるのです。
人が歩いていることさえ
自分の心を落ち着かせる風景になる。

領民に開放された日、
たとえば、
ここをフツーに殿様が歩いていたら。
ぎょっとしつつも
でも、ものっそい勢いで土下座とかせず
「あ、殿様」と
徳川新之助的な物語があったりとか。
そんな日常と非日常のあわいを
想像しては
にやにやする私がいました(笑)

また、後楽園からは
岡山城が見えます。

自分の普段の居場所を
外側から眺めるということ

それは、物理的に
自分の居場所を客観化することを
意味します。
また、そうすることで
日々の自分をも外側から捉えることになる
それも日常と非日常のあわいの成せる業かなと
思ったりもしたのです。

・ ・ ・

時間をかけて
後楽園をゆっくり堪能しました。
写真もたくさん撮りました。
その時間はとても孤独で幸せで。
ずたずたな心を落ち着かせ
傷口から流れてる血を止めるような
時間でした。

行って、本当によかった。

大好きな場所、
また行きたいと思える場所が増えたことも
温かく幸せでした。

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